人に咬む

問題行動の中でも、人に咬み付くというのは、対処の難しい問題です。

ひとくちに咬むと言っても、どういう咬み方をするのか(パクッと一口咬んですぐ離すのか、本気で咬んで離さないのか。怯えながら咬むのか、唸りながら咬むのか、などなど)またどういうときに咬むのか(嫌なことをされたときに咬む、手を近づけただけで咬む、食事中に手を出すと咬、むなどなど)により、その対処方法も微妙に変わってくる場合もあります。ここでは、基本的な咬むことにたいする対処方法についてご紹介していきます。

ペット・トライアングルの家庭犬トレーニングでも時々、咬むという問題を直してほしいという犬がきます。程度が軽い 場合は、主従関係と信頼関係をしっかりと作っていくだけで、直る場合もあります。

咬む犬の場合、多くはとても臆病で、警戒心が強い犬です。その程度が軽い場合は、リーダーウォークトレーニングでしっかりと主従関係と信頼関係を作ってあげて、警戒心を解いてあげるようにしていくと、咬むという行動を取らなくなり、おうちへ帰ってからも同じように対応してもらえば、その後も咬む行動は修まっています。

しかし、咬むという行動が日常化している犬については、簡単にはそれを直すことは出来ません。

まず、基本的に闘犬といわれる犬種、土佐犬、闘犬タイプのピットブルなどは、戦うことを目的に作られてきた犬種なので、咬むことを止めさせるということは、基本的に無理であり、対象外です。(一般の方がこれらの犬種を飼うこと自体、やめるべきです)

また、一般的な犬種でも、咬むと言う問題行動を起こしやすい、またそれを直すのは難しいといわれている犬種もいます。柴犬、コーギーです。この2犬種は咬むという問題行動の中では比率が高いとともに、成犬で咬み癖の付いた柴犬とコーギーはそれを直すのは無理だとも言われています。

柴犬に限らず、日本犬は全体的にその傾向が強いので、気をつけたほうが良いかと思います。柴犬は日本犬のなかでも飼われている頭数が多いので、結果的に、起きる問題件数も多くなるのでしょう。

もちろん、すべての柴犬とコーギーが、一度咬み癖がついたら直せないということはないですが、この2犬種は特にその傾向が強いといえるということは、覚えておく必要はあると思います。

出来れば子犬のうちからしっかりとしつけをするのが良いのですが、それをしなかった場合は、できるだけ早めの問題対処が必要です。

また、ボーダーコリーも訓練士の中では、咬むということでは有名な犬種でもあります。本来のボーダーコリーはとても従順な犬なのですが、交配する犬の性格を選別しなかったり、生まれた子犬に人間の手にによる世話の仕方が不十分なブリーダーからは、ボーダーコリーのもともと持っている牧羊犬としての悪い面が強調され、家庭犬としてはまったく不向きなボーダーコリーが生まれてくる可能性もあり、現実にたくさんいるようです。

ボーダーコリーは頭が良いだけに、一度咬むことを覚えたボーダーコリーを修正するのは簡単ではありません。

また、咬むということを直してほしいとのことで、トレーニングにくる犬種として意外に多いのが、ミニチュアダックスフンドとトイプードル、です。

この2犬種は、個体数が多いので、結果的に咬む犬の絶対数も少なくないのかもしれません。

また、愛玩犬全般にいえるのは、飼い主さんは認識していないけど、嫌なことをされると咬むという犬が意外と多いということです。

これは、しつけをほとんどされずに、王子様、お姫様のように扱われてきた犬が多いようで、特にチワワやパピヨンが個体数も多いので目立ちます。

また、シーズーやポメラニアンにも少なからずいたり、絶対数は少ないですが、ミニピンはその確立が高いように感じています。

これらの愛玩犬は、程度が軽ければ、冒頭に書いたように、比較的簡単に直る場合もありますが、それでも基本的にはかなり長期的なトレーニング期間を必要とすると思っていただいたほうが良いと思います。

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具体的な対処方法(やってはいけないこと)

まず、咬む犬に対して、絶対にやってはいけないことから書いておきます。

口、マズルを手で押さえる、掴むことは絶対にしない!

咬もうとする犬に対して、その口を押さえたり、掴んだりすれば、犬は手に対して、異常に警戒し、より激しく、また敏感に手の動きに反応して、手を咬もうとしてくるようになりかねません。

咬まれても全く動じずに、咬まれたらその手をより口の中に押し込んで咬むことが攻撃にはならないことを教えられて、かつ確実に犬の口を完璧に押さえつけて、犬を120%屈服させることが、絶対にできるのであれば、口を押さえることで、咬むことをやめさせられる場合もあるかもしれません。

しかし、その場合でも、犬は手に対しての恐怖心、警戒心をトラウマのように持つことになってしまいます。

咬む犬、(本来は、咬まない犬に対しても)、絶対に口を掴んで抑えるようなことはしてはいけません。

「イケナイ!」、「ダメ」など言葉でやめさせることはしない!

咬むことに限りませんが、こういった言葉で止めさせようとすると、犬はより興奮してその行動がエスカレートしてしまう場合があります。

特に女性や子供が甲高い声で言葉を発すると、犬はより興奮しやすくなります。

犬がけんかをするときのように、低く、ドスの聞いた声で言えば、犬に止めなければまずい、という気持ちを起こさせる場合もあるでしょう。

でも、女性にはなかなか難しいし、できたとしても、人前で女性がそんな声を出したら聞いた人は変に思うのではないでしょうか。

もちろん、ある行動を止めさせながら、「イケナイ」などの言葉(音)を関連付けていけば、その言葉でその行動を止めるようになるでしょう。

しかし、それ以外の行動を止めさせるときに、必ずしもその言葉で、犬がその行動を止めると理解できるとは限りません。

従って、咬むことを止めさせる場合も、一切言葉は使わないほうが、良いと言うのが私たちの考え方です。

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具体的な対処方法(やるべきこと)

さて、では具体的にどのように対処していくのか?

犬の体に触っても犬が噛み付こうとすることがなければ、通常通り、すぐにリーダーウォークトレーニングを行うことが出来るので、そのトレーニングを通して、主従関係と信頼関係を築いていけば、咬まないようになる犬もいます。

また、主従関係と信頼関係を築いた後に、咬もうとする行動を取ったら、リードのショックで止めさせて、しっかりとフォローする、これを繰り返すkとにより、咬まなくなる犬もいます。

しかし、手を近づける、または触ろうとすると噛み付いてくる犬の場合は、まず、犬に触れるようになる必要があります。

そこまでいくのに、まずは時間を要することになります。

それでも、体重5kg以下ぐらいの小さい犬であれば、力で抑えながら、体を撫でて、それに慣らしていくことができるので、1~2週間後ぐらいから、リーダーウォークトレーニングを行い始めることが出来ます。

ただし、この場合でも、犬の警戒心が通常よりもかなり強いため、リーダーウォークトレーニングの進捗も、通常の犬よりもかなり遅くなり、通常の犬が2日ぐらいで出来るようになるところを2週間ぐらいかけることもあります。

咬む犬の場合、ほとんどが警戒心がとても強いので、通常の犬よりも、よりデリケートな対応が必要となります。

体の小さい犬は、まだ対応の仕方も少し幅がありますが、これが大きい犬になると、より時間がかかることになります。また、中大型犬で咬む程度が強い場合は、年単位での改善を考えるか、あきらめることが必要な場合もあるでしょう。

口輪どころか、リードの付け外しも出来ないという状況だとかなり先は険しくなります。さらに、飼い主さんでもそれが出来ない場合は、より難しくなるでしょう。

いずれにせよ、まずは体に触ることが出来るようになることから始めることになります。

どこかしら触ることが出来るようになったら、触れる範囲を少しずつ増やしていきます。

リードを使って、絶対に咬まれないようにする、また口輪を装着できるのであれば、装着した状態で行うなど、細心の注意を持って行うことが重要です。

小型犬でもそうですが、中大型犬の場合は、より咬まれたときのダメージが大きくなる可能性があります。

口輪が装着できない場合は、口輪をつけるトレーニングも行いながら、慎重に体を触れるようにトレーニングを行っていきます。

できるだけ、咬む行動を起こさせないように慎重にトレーニングを進め、咬むという行動を起こさなかったという時間を積み重ねて生きます。

それによって、触られることに対する警戒感、人間に対する警戒感を、少しずつほぐしていきます。

問題のない犬でも、トレーニングの成否は教える人間の忍耐力にかかっていますが、咬むことを直す場合は、より強い人間の忍耐力が必要となります。

それに加えて、万が一犬がかもうとしたときに、咬まれないようにする、または咬まれてもダメージがないような準備をしておくことも必要です。

ある程度触れるようになってきたら、慎重にリーダーウォークトレーニングを始めて、犬との主従関係と信頼関係の構築を図っていきますが、不用意にリードでのショックをかけると咬んで反撃しようとする場合もあるので、始めるタイミング、またショックのかけ方には十分注意します。

絶対に無理はしないようにすることが重要です。

ただし、ある程度リーダーウォークトレーニングが進められて、犬との主従関係と信頼関係が出来てくれば、咬もうとしたらそれをリードのショックで止めて、しっかりとフォローすることにより、積極的に止めさせることも出来るようになってきます。

ただしこれも、十分時間をかけていく必要があります。

とにかく時間を十分以上にかけながら、体のどこかを触れるようにしていく、触れる範囲を広げていく、それを入念に繰り返した上で、犬の様子を見ながら、リーダーウォークトレーニングで主従関係と信頼関係を構築していく、という流れになります。

どの段階でも、絶対に咬まれないように万全の準備と注意をすることがもっとも重要です。

なお、噛み犬のしつけを重点的に取り組んできたという噛み犬の扱い方も教えているDVDもあります。私も見てみましたが、噛み犬の扱いに関しては参考になる部分もあるかと思います。噛み癖で困っている方は、購入してみる価値があると思いますので、ご紹介しておきます。

▼噛み犬のしつけに重点的に取り組んできたカリスマトレーナーのしつけ法

本来は、子犬のころからアマ噛みを絶対にさせないよにしながら、しっかりと育てていけばよいのですが、それが出来ずに結果的に咬むようになってしまった場合は、しっかりと犬と向き合いながら長期戦を覚悟の上で、忍耐強く改善することが必要でしょう。

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