現在のワンちゃんの耳は外見的な形から3つのタイプに分けられます。

耳が完全にたっている「直立耳」、耳が垂れ下がっている「垂れ耳」、そして根元は立っているけど、耳の先の方だけが折れて垂れている「半直立耳」です。

もともと犬の耳は直立していました。自然の中で生活している野生動物で垂れ耳の動物がほとんどいないように、犬も生活の中で聴覚が非常に重要な、身を守るため、また獲物をとるためのツールでした。

しかし、人間との共同生活が始まると家畜化による退行現象により、耳の筋肉が緩み、耳が折れたり、垂れ下がったりしてくる犬が出てきました。

人間の中には、垂れ下がった耳の犬を見て、これはかわいい、と思った人がいたのでしょう、垂れ下がった耳の犬を集めて、飼育、繁殖していき、垂れ耳の犬種が発生してきました。

要するに人間社会に入ることによって、自然では必須となる鋭敏な聴覚は必要なくなってきたので、耳が退化してきた、ということなのでしょうね。

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だから、今でも立ち耳の犬に比べて、垂れ耳の犬の方が、聴覚は劣っています。

物理的にも、垂れた耳で耳の穴がふさがれていますから、ストレートに音が鼓膜に伝わっていく直立耳に比べて聴覚が劣るのはわかりますよね。耳だけに限りませんが、こうやって、人間が実用上や外観上の好みによる品種改良を行い、多くの犬種が生まれてきたわけです。

が、現在は垂れ耳の犬種の大きく垂れた耳の大半を切除して立ち耳にさせる「断耳」も一部の犬種で行われています。「断耳」自体は、もともとは作業での怪我を防ぐため、あるいは作業の上で聴覚の改善が必要だったためなど、実用的な理由から始まったとのことです。

しかし、現在断耳されるのはほとんどが、外観上の人間の好みの観点から行われています。

例えばドーベルマン。@ペット・トライアングルの主力犬種でもあり、多くのドーベルマンを新しい飼い主さんに送り出しています。一般に、ドーベルマンといえば、キリッと立った耳を持つ、ちょっと恐持ての顔が特徴だと感じている方が多いのではないでしょうか。

でも、もともとドーベルマンの耳は大きな垂れ耳です。子犬の顔だけ見れば、ダックスフンドとほとんど同じような顔をしています。その垂れた耳を子犬のうちに切除して立てるのです。

言葉にすると簡単ですが、小さな子犬にとっては簡単なことではありません。一時的に身体に大きな負担がかかります。また、耳を切除してから完全に立つまでのブリーダーさんのフォローも、簡単ではありません。

そういったこともあり、ヨーロッパでは一部(ドイツなど)ですでに断耳が禁止になり始め、その動きが広がりつつあります。

断耳はドーベルマンだけでなく、グレートデンやシュナウザー、そして小型犬のヨークシャーテリアなども行われています。

ただし、断耳することにより、衛生的な観点、また聴覚を鋭敏にするという観点からは犬にとって大きなプラスとなります。もともとは実用的な観点から行われていたことであり、全てが悪いということではなく、断耳によるメリットも大きなものがあるのも、また事実です。

垂れ耳のデメリットは多く、「直立耳」から「垂れ耳」への変化により、犬の耳疾患は大きく増えてきたものと思われます。

実際に、プードルやダックスフンドなど、垂れ耳の犬種では、他の犬種に比べて耳疾患の発生が多くなっています。特にプードルやマルチーズは外耳道にも多くの毛が生えるため耳垢がたまりやすく、耳掃除しても、環境によってはあっという間にまた耳垢がたまってしまいます。

基本的には掃除をしてあげれば、全く問題ないので、こういった犬種の場合は耳掃除を頻繁におこなってあげる必要があります。また、ブルドッグやパグなどの耳のひだが厚くて大きな犬種も、やはり耳疾患が多い傾向にあるようです。

このように垂れ耳自体は、直立耳に比べてデメリットが多いので、垂れ耳をあえて直立耳に断耳してやることは、犬にとってメリットになることも多いのです。

さて、外見的には、立っているか、垂れているか、にわけられる犬の耳ですが、いずれにせよ、犬にとっては嗅覚に次いで鋭敏な感覚です。

本来野生では、外敵から身を守る、また獲物を獲るという行動に対してとても重要な感覚、それが聴覚です。人間にこれだけ密着している犬でも、やはりその名残は強く残しているといえるのでしょうか。

直立耳の犬種だとよくわかりますが、ワンちゃんに向かって話しをしていると、けっこうしっかりと話を聞いてくれているように見えます。顔を、そして耳もこちらへ向けて、真剣に聞いて、なんとか理解しようとしてくれているようにさえ見えます。

また、寝ているときでさえ、何かもの音がすると耳だけがその音の方向に瞬間的に向いたりするのを見ることも、稀ではありませんよね。

実際、犬の耳は寝ているときも含めて、24時間年中無休で働いているのです。ただし、嗅覚と違い、生まれたばかりの子犬は、まだ聴覚は全く機能していません。耳が周りの皮膚や筋肉でふさがれており、実際に聴覚器官として機能し始めるのは、生後3週間前後から、といわれているようです。

そして、聴覚としての機能は人間に比べてはるかに性能が高いのが、犬の耳です。人間の場合、音として聞き取れる範囲は一般に、20Hzから2万Hzと言われています。

それに対して、犬の場合は16Hzからなんと12万Hzまで聞き取る能力があるといわれています。つまり、特に周波数の高い領域では、人間に比べてはるかに高い音を聞くことが出来ることになります。

この特徴を利用して作られたのが、犬笛です。人間には聞こえない領域の高い周波数で、犬に指示を与えられるのです。

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そしてもうひとつ、犬の耳が人間の耳と大きく異なる点、それは犬の耳は、左右各17個の筋肉で自在に動かすことが出来るという点です。

人間にも、たまに耳を自分の意思で動かせる人がいるようですが、その動きはせいぜいぴくぴくとさせるぐらいですよね。でも、犬は音の方向に耳自体を動かすことが出来る運動耳なのです。

したがって、音を精密に聞き分けられるだけでなく、その音がどこから発生しているのか、すなわり音の源、音源の方向を性格に把握することができるのです。人間の場合、認識できる音源の方向は16方向なのに対して、犬の場合は32方向の音源を認識する能力があると言われています。

このように人間に比べてはるかに高い聴覚を利用して人間社会に役立てようとしたのが、聴導犬です。この聴導犬は1975年にアメリカで誕生しました。日本では1981年に日本小動物獣医師会が聴導犬普及協会を発足させました。聴導犬の仕事は、聴覚障害者の社会生活の手助けで、例えば玄関のチャイムや火災報知機の音、また子供の泣き声などを知らせるなど、聴覚障害者の生活の中で、聴覚障害者の耳の代役として、手助けをしていくのが聴導犬の役目です。

2002年10月1日に施行された「身体障害者補助犬法」では、盲導犬、介護犬とともに聴導犬が、身体障害者補助犬として法的にも定められています。現在、日本で聴導犬として認定されている犬は、今年の9月時点で12頭とのことで、盲導犬(同952頭)に比べるとまだまだ少ないようですが、これから少しづつ、増えていくものと思います。

ではみなさんも、もう一度、ワンちゃんの耳をよく観察してみたはいかがでしょうか。それから、ワンちゃんの耳掃除も忘れずに、特に垂れ耳の犬種は頻繁に耳の中をチェックしてあげましょうね。

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