犬も輸血のための血液が不足している

最近、犬に関して輸血のための血液が不足している、というような記事を見かけます。

犬を飼っている人が少なくなった犬の数が猫に逆転された、などと犬の人気が下がっているようなニュースも見かけますが、それでも犬は人間に最も身近な動物、人間と最も身近に暮らす動物であることに変わりはありません。

以前は、日本での犬の立場は番犬が主流だったのかもしれませんが、現在、番犬として犬を飼うのはごく一部の人ぐらいで、ほとんどの犬の飼い主さんは、家族の一員として犬を迎えていると思います。

さらに以前の犬と現在の犬の大きな違いは、寿命です。

動物医療の進歩、また犬の飼育環境の変化によって、犬の寿命は大きく伸びてます。現在の犬の寿命は犬種や大きさによっても違いますが、大まかには14~15歳と言われています。これは、30年前の2倍ぐらいに伸びているとのことです。

そんなこともあり、怪我や病気になる犬の絶対頭数も増えていて、さらに医療技術の進歩もあり、輸血する犬のための血液があれば救える命も増えています。

しかし、その輸血のための血液が不足している、これが今、問題になっています。

多くの動物病院などでは、輸血をしてもらえる供血犬、つまり血液のドナー犬を必要としています。

ドナー犬とは、輸血が必要な犬へ自らの血液を供給してあげられる犬です。


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輸血のためのドナー犬の条件

では、この輸血のためのドナー犬はどんな犬でもなれるのか、というとそうでもないのです。

例えば、日本動物高度医療センターの輸血のための犬のドナーとなる条件は下記のようになっています。

  1. 年齢:1-7歳
  2. 体重:20kg以上
  3. 狂犬病予防接種、混合ワクチン接種およびフィラリア予防が毎年されている健康な犬
  4. 麻酔をかけずに採血可能な温厚な性格

ただし、次の項目に該当する場合はドナー犬にはなれません。

  1. 過去に「輸血を受けた」ことがある
  2. 妊娠、出産したことがある
  3. 全身性の感染性皮膚疾患がある
  4. これまでに血液媒介性の感染症に罹患または罹患した疑いがある(バベシア症や犬ブルセラ症など)
  5. 秋田犬

年齢が1~7歳であること、そして体重が20㎏以上あること、これがドナー犬の最も基本となる条件となります。

つまり、小型犬はドナー犬にはなれない、ということです。さらに、中型犬でもかなり大きめの犬でなけらば20㎏以上にはなりません。

従って、この基本的な条件を要約すると、1~7歳までの大型犬のみが輸血のためのドナー犬になれる、ということになります。

さらに、狂犬病、ワクチンの接種は当然として、麻酔をかけずに採血可能な温厚な性格であることが条件となります。

ここでさらに対象となる犬が絞り込まれ、さらに赤字に挙げた条件に該当すれば、ドナー犬にはなれません。

また、秋田犬および秋田犬の雑種は、赤血球細胞内のカリウム濃度が高いため、供血に向かないとのこと、そのためドナー犬にはなれないようです。

このように、大型犬ならどんな犬でもドナー犬になれるわけではなく、大型犬の中でもドナー犬に慣れる犬は限られてくるのです。

日本にはドナー犬の基本条件となる大型犬が少ない

ということで、ドナー犬になれるのは基本は大型犬です。

しかし、特に日本の場合、ここがドナー犬が不足する大きなネックになっていることが推測できます。

というのは、日本での人気犬種が海外と違い、小型犬に大きく偏っているからです。

海外では、ジャーマンシェパードやラブラドールレトリーバーなどの大型犬種が人気犬種ランキングの上位を占めていることが多いのですが、日本では、人気犬種のトップ10には全く大型犬は入っていません。

10位台で、やっとゴールデンレトリバーやラブラドールレトリーバーが入ってくるぐらいです。

各国の人気犬種ランキング
  1. 日本の人気犬種
  2. アメリカの人気犬種
  3. フランスの人気犬種
  4. ドイツの人気犬種

つまり日本で飼われている多くの犬は小型犬で、大型犬は少数派、ということのなるのです。

ということは輸血を必要とする犬の多くも小型犬ということになるでしょう。

しかし、輸血を出来るドナー犬になるための大型犬は飼っている人が限られている、ということなのです。

これが日本での犬の輸血のためのドナー犬が不足する大きな要因の一つになっていると容易に推測できるのです。

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犬の場合、血液型はほとんど気にする必要はない

人間は一般に大きくはABO式の血液型が知られていますが、犬の血液型はもっとこまかく分けられています。犬の血液型の詳細については、「犬の血液型」のページをご覧ください。

犬の血液型で基本となっているのは、国際基準として使われているDEA(Dog Erythrocyte Antigen:犬赤血球抗原)と言われる犬の赤血球の方による分類方法です。これは13種類の抗原に分類されているようですが、通常使われているのは下記の8種類の血液型です。

  1. DEA1.1型
  2. DEA1.2型
  3. DEA3型
  4. DEA4型
  5. DEA5型
  6. DEA6型
  7. DEA7型
  8. DEA8型

たくさんあって、犬は血液型を適合させるのも大変そう、と思われるかもしれませんが、実際は逆で、犬の場合は血液型はほとんど気にする必要はないようです。

特に初めて輸血を受けるときは、血液型はほとんど気にする必要はないのです。

詳細は、「犬の血液型」のページをご覧ください。

また、そういった特性からか、まだ人間では開発されていない人口血液が犬用においては開発されているようです。

現在どの程度実用化の段階にきているかはわかりませんが、これも大きな希望の光となることでしょう。

犬の人口血液にかかわるサイト
  1. 中央大学のサイト
  2. JAXA宇宙航空研究開発機構のサイト

でも、現時点ではまだまだドナー犬が不足している、これが事実なのです。

大型犬の飼い主さんは愛犬をドナー犬登録してはいかがでしょうか

犬を飼っている方であれば、犬の大きさにかかわらず、愛犬を失う悲しさはわかるかと思います。

大型犬、あるいは中型犬でも、もしその犬が温厚な性格であれば、愛犬を輸血のためのドナー犬として登録してみてはどうでしょうか。

日本の場合、個別の動物病院でドナー犬の登録をしているところが多いようです。

もしかしたら、大型犬の飼い主さんは動物病院に行かれた時に、輸血のためのドナー犬になることを打診されている方もいるかもしれませんね。

もしまだそういった話を聞いたことがない大型犬の飼い主さんは、ぜひ動物病院へ行った時にドナー犬について聞いてみてはいかがでしょうか。

僕らの愛犬だったジャーマンシェパードのサラちゃんも、近くの動物病院からドナー犬となっていました。

実際に、何回か、輸血が必要だということで動物病院で採血されています。

サラは、とても温厚な性格で、輸血するに際してもおとなしくしているようで、その都度、獣医さんからは感謝されていました。

そして、採決の後は、ご褒美をもらえるようでそのためか、サラは動物病院へはいつも喜んで言っていました。

そのサラは、今は虹の橋のたもとで僕たちを待っているので献血は出来ないのですが・・・。

愛犬の血が、どこかの犬の命を救う役に立っているのならば、飼い主としてはとても嬉しいことだと思います。

現在、輸血すれば助かる命が、その輸血する血液がないために救われないこともある、と言うのは現実に起こっていることです。

大型犬の飼い主さんには、ぜひ、愛犬をドナー犬として登録していただくことをお願いしたいと思います。


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