アメリカンピットブルテリアとアメリカンスタッフォードシャーテリアも、もとはスタッフォードシャーブルテリア

アメリカンピットブルテリアとアメリカンスタッフォードシャーテリアの元となる犬は、イギリスから持ち込まれたスタッフォードシャーブルテリアです。

スタッフォードシャーブルテリアは現在存在する犬種で、JKCでも公認犬種となっています。

このスタッフォードシャーブルテリアは、元々はイギリスで牛に犬を攻撃させるブル・バイティングや闘犬が盛んであったころ、より優秀で小型の闘犬を作ることを目的に、当時のブルドッグ(現在のブルドッグとは違います)と数種のテリアを交雑することにより作られた、ブル・アンド・テリアが進化(?)した犬種です。

そして、そのスタッフォードシャーブルテリアが1880年代にアメリカに持ち込まれ、アメリカの闘犬界で目覚しい活躍をしたそうです。

イギリスでは闘犬の小型化が目的のひとつとして作られたスタッフォードシャーブルテリアですが、逆にアメリカでは闘犬としてより強くするために同一犬種の中から体の大きな個体を選択することにより、このスタッフォードシャーブルテリアを大型化していきました。

結果、アメリカのスタッフォードシャーブルテリアは体の大きな犬種となり、現在のJKCの標準で見ると、スタッフォードシャー・ブル・テリアが15kg前後であるのに対して、アメリカンスタッフォードシャーテリアは、45kg前後で体重では約3倍の大きさになっています。

アメリカンピットブルテリアもほぼ同じです。

闘犬の血を取り除いたアメリカンスタッフォードシャーテリア

大型化され、より戦闘能力が上がったアメリカのスタッフォードシャーブルテリアは、その後、1989年にはアメリカのUKCという犬種団体でアメリカンピットブルテリアという犬種名で登録されます。

が、実はこのUKCという犬種団体自体、アメリカンピットブルテリアを犬種として独立、公認させるために作られた団体と言われています。

しかし、時代の流れは闘犬というイベントを、動物虐待として公の場からなくしていく、と言う流れになっていきます。

この流れを受けて、アメリカに持ち込まれたスタッフォードシャーブルテリアから闘犬の気質を取り除き、ショードッグ、家庭犬として残していこうというブリーダーが出てきました。

そういったブリーダーの努力により、アメリカのスタッフォードシャーブルテリアは、闘犬ではない犬として、1936年にはアメリカの代表的な犬種団体であるAKCでもスタッフォードシャー・テリアという犬種名で公認されるようになったのです。

そして1972年になって、元となるイギリスのスタッフォードシャーブルテリアとはっきりと区別させるために、犬種名をアメリカンスタッフォードシャーテリアという名前に変更されたのです。

つまり、アメリカンスタッフォードシャーテリアは、闘犬の気質を取り除く努力をしたことにより、AKCにも公認された犬種なのです。

闘犬として残ったアメリカンピットブルテリア

一方、UKCを作ってまでアメリカンピットブルテリアを独立した犬種として確立したブリーダーの中には、あえてAKCにスタッフォードシャー・テリアとして登録せず、闘犬として極めて優秀なこの犬種の血を残そうとするグループもいたのです。

もちろん、背景には公には禁止されても、裏あるいは闇の世界では相変わらず闘犬が一定の人気も保っていたこともあるかと思います。

したがって、その後もアメリカンピットブルテリアは闘犬としての道を進むことになったのです。

またアメリカンピットブルテリアは、その強さゆえに、強力な番犬、ガード犬としても飼われたようで、そういった犬はより攻撃性を強くされるようにもされたようです。

しかし、アメリカンピットブルテリアのブリーダーもやはり時代の流れには逆らえず、その後ショードッグとして、また家庭でも飼える犬として、アメリカンピットブルテリアの名前で、闘犬としての攻撃的な気質を取り除く努力がされた犬も出てきました。

そして現在では、闘犬タイプとは別に、ショータイプ、そして家庭犬タイプと言われるブリータイプ(ブリースタイルとも言われているようです)という一般の家庭でも飼うことができるアメリカンピットブルテリアが多く存在するのです。

ただし、相変わらずアメリカンピットブルテリアという名前ではJKCでもAKCでも公認はされていません。

アメリカでは、同じ犬をAKCにはアメリカンスタッフォードシャーテリアとして登録してUKCではアメリカンピットブルテリアとして登録するブリーダーもいるとのことです。

日本では、KCジャパン(日本社会福祉愛犬協会)では、アメリカンピットブルテリアとしての血統書が発行されます。

このようにアメリカンピットブルテリアは、長く闘犬としての道を歩んできましたが、現在では家庭でも飼える気質になった、ショータイプ、ブリータイプがほとんどです。

それでも、やはり普通の犬を飼うような感覚で、この犬種を飼うのはお勧めできません。

ただし、アメリカンピットブルテリアという犬を十分に理解したうえで、この犬を飼うしっかりとした心構え、適切な飼育環境、しっかりとしたしつけができる方であれば、最高、最強のパートナーとなってくれるでしょう。

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