ワクチン接種は人工的に免疫を与える方法です。
【この記事は2004年時点での犬のワクチンに関しての情報です。現時点と違う点もあるかもしれないということをお了承願います。】
私たちヒトも赤ちゃんのころから月齢、年齢により各種のワクチンを接種し感染症を予防しています。犬も同様でワクチン接種により命にかかわる感染症から守っています。ワクチンの効果は目に見張るものがありますが、その一方ワクチン接種による副作用(副反応)がヒトと同様にあることも認識しておかなくてはいけません家族の一人が受ける予防接種ですから、獣医さんに言われるままに受けるのではなく、飼い主の皆さんも知識や情報を得て愛犬のための最良の方法を考えてみましょう。
ワクチンで予防できる病気
■狂犬病
発症すると必ず死亡する恐ろしい病気です。人間にも伝染します。 日本では過去の病気ですが、海外では依然として発生しています。症状は怒りっぽく何にでも噛み付くようになり、のどの筋肉が麻痺するため昏睡状態に陥り、最終的には死亡します。飼い犬がヒトやほかの犬に噛んでしまった時は、獣医さんで約1ヶ月間1週間ごとに検診を受け狂犬病に感染していないことを証明しなくてはなりません。これは狂犬病の予防接種をしている場合で、もしも接種していない場合は噛んだ犬は安楽死を免れません。
■犬ジステンバー
予防接種により数は少なくなっているとはいえ、現在でも周期的に発生しているウィルス感染率、死亡率の大変高い病気です。ジステンバーウィルスによる接触または飛沫感染で3~6日の潜伏期間の後、発熱・目やに・鼻水・くしゃみ・元気消失・下痢・運動障害があらわれたり・脳を冒されたりします。
■イヌ伝染性肝炎
アデノウィルス型の経口感染により特に幼齢期に発症し、突然死の原因となる病気です。発熱・腹痛・下痢・嘔吐・扁桃腺の腫れ・眼球の白濁などが起こる。
■犬パルボウィルス感染症
経口感染による伝染力の強い恐ろしい病気です。下痢・嘔吐・発熱・脱水などの腸炎型、突然呼吸困難になり急死する心筋炎型があります。
■犬パラインフルエンザ
パラインフルエンザ型ウィルスにより呼吸器症状出ます。この病気単独でそれほど死亡率は高くなく、ほとんどの場合軽く自然と直ります咳き・鼻水などの症状が現れます。
■犬伝染性喉頭気管炎
この病気単独ではあまり死亡率は高くはありません。ほかのウィルスとの合併症により死亡率も高くなる伝染病です。
■犬レプトスピラ
レプトスピラという螺旋状の細菌が、ネズミの尿などから犬やヒトに移る病気です。この細菌は水の中では長く生きるので、池、下水、汚れた川に犬が入り、粘膜や傷のある皮膚を通して感染します。嘔吐・高熱・食欲低下から肝障害や腎障害、横断・痙攣・昏睡・血便などで、早期診断で抗生物質で治療可能な病気です。でも、症状が進むと尿毒症となり数日で死亡することもあります。動物からヒトに伝染するため愛犬が診断されたら食器などの消毒、糞尿の処理方法に注意が必要です。
■コロナウィルス
コロナウィルスの経口感染により、下痢・嘔吐の症状が出ます。幼少の弱っている犬がパルボウィルスと同時に感染すると重症になるようです。
☆ 狂犬病、犬ジステンバー、犬パルボウィルス、犬伝染性肝炎は発病したら治療法がありません。
ワクチンについて
■移行抗体
生まれてまもない赤ちゃんに初乳を飲ませることで、赤ちゃんはお母さんから抗体を受け取り〔移行抗体〕、抵抗力がつき感染症にかかりにくいという事を聞いたことがあるでしょう。子犬も抵抗力の弱い生まれたばかりの子犬は、移行抗体によって感染症から身を守ります。移行抗体は数週~4ヶ月ほど残りますが、この移行抗体がある時期にワクチンをしても免疫は得られません。そのため移行抗体がなくなる 2~4ヶ月の間に2~3回ワクチンを接種します。このワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンが一般的に使用されています。
■生ワクチン
生きた病原体の毒素を弱くしたものを使用するワクチンです。長所は免疫力が持続されやすいことと言われています。短所としては弱くなったとはいえ、その毒素の持つ本来の症状が出ることがある、また、強い毒に突然戻ることもある、ということです。
■不活化ワクチン
死滅した病原体を使用するワクチンです。長所は、その病原体による疾患の症状が現れることがほとんどないということです。短所は、免疫の持続性が短いことです。従って、このタイプのワクチン(狂犬病など)は必ず1年に1回は接種する必要があります。
■ブースター効果
ワクチンは時間とともに免疫は弱くなります。そこで免疫が完全になくなる前にもう1度ワクチン接種をすることにより免疫を増強し持続期間を長くします。このため免疫を持たない子犬の場合では、初回接種から3週~4週間後に 2回目の接種をします。(獣医さんの判断によっては3回目を接種する場合もあります。)その後は一般的には1年に1回の接種が普通です。
でも,本当に1年に1回の接種が必要なのでしょうか?
欧米では接種回数を減らす方向にあります。ワクチンの持続期間の調査から3年ごとと毎年接種では効果が変わらないからです。先にも述べたように、生ワクチンの場合は、持続力が長く1年で効果がなくなることは少ないようです。従って、ワクチンの種類によっては、毎年受ける必要はないと言うことになります。
現在、日本ではいくつかの種類の混合ワクチンが一般的に使用されています。ワクチンのメーカーによっても同じ病気に対して、生ワクチンを使用している場合と不活化ワクチンを使用している場合もあるようです。しかし、5種混合ワクチンは現在ほとんど生ワクチンが使用されています。
混合ワクチンは種類が多ければ多いほど良い・・・?
2004年時点で、日本では2~9種【2021年現在10種類以上のものもあるようだ】の混合ワクチンが使用されています。ワクチンの種類は多ければ多いほど良いのでしょうか?もちろん、多いほど予防できる病気の種類が増えることは間違いありません。しかし、一方では、多ければ多いほど、犬にとっての負担が大きくなることも間違いありません。子犬、特に小型犬の予防接種では健康状態など慎重に確認することが必要となります。最初の予防接種が生後50日ぐらいですが、まだその時点では外へ散歩に連れて行く、ということはほとんどない、というより連れて行くべきではない、というのが正解かと思います。従って、管理さえ充分に注意すれば感染の機会はほとんどないはずです。そこで、予防の効果と子犬の負担の少なさから5種以下にしておく、という選択肢も充分に考えられます。特にネット通販でのブリーダーからの直送の場合は5種以下でも、その後の管理さえ問題なければ十分だと考えられます。もちろん、子犬が十分健康で体力がある、元気な状態であれば安全のため、7種以上の混合ワクチンを選択することも間違いではありませんが。ただし、ワクチンの種類が多いほど、次に述べる副作用が発生する可能性も大きくなることを充分に認識する必要があると言えます。
■副作用(副反応)
めったにあることではありませんが人間でも予防接種でアレルギーを起こす人がいるように、犬にもアレルギーを起こす犬がいます。また免疫をつけるための病原体で、実際に発症してしまう可能性もあります。そして場合によっては、深刻な事態を招くことがどの犬にも充分に可能性があります。特に小型犬の小さい時は子犬の体力も充分ではなく、影響が出やすくなります。深刻な事態にならなくても、いくらかのアレルギー反応を示す場合は多く、子犬の体にとって、負担になることは間違いありません。もちろん、予防接種は犬にとって深刻な病気を防ぐ、非常に有効な手段であることは間違いなく、必要なことですが、副作用があることも考えて、犬や、環境に応じて適切な種類、間隔で行うことが必要となります。また、予防接種の前後はおとなしくさせる必要があるでしょう。人間も同じですよね。参考までに、副作用として起こる一般的な症状を紹介します。1.局所の反応:注射部位に痛み、かゆみ、腫脹、発赤、腫瘍形成2.目の症状:目の周囲の腫脹、かゆみ、角膜の混濁3.軽度の全身症状:全身のかゆみ、発熱、精神的に過敏になる4.重度の全身症状(非常にまれです):虚脱、呼吸困難、激しい嘔吐、粘膜蒼白1,2,3は数分から数時間で発現しますが、4は接種中から1時間以内と非常に早く現れます。犬の体調のよいとき、健康チェックをうけてから、そして午前中に接種することお勧めします。
■混合ワクチンの種類と予防できる病気について
最後に混合ワクチンの内訳と予防できる病気を一覧表でお知らせします。
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