スキッパーキってどんな犬?
スキッパーキ、知らない方も多いかなとも思いますが、小型の少しいたずらっぽい顔と体形をした真っ黒い犬種です。最近はスキッパーキという呼び方で定着してきているように思いますが、シッパーキとも呼ばれていました。
スキッパーキの毛色は基本は黒の淡色ですが、まれにクリームやフォーンも生まれるとのことです。
このページでは、スキッパーキの写真は掲載していませんが、下のリンクから、グーグルの画像検索でスキッパーキでの検索結果がご覧いただけます。ご覧になってみてください。
JKCではスキッパーキとして登録されており、それもあってスキッパーキという名前で定着してきたのかもしれません。
スキッパーキの体重については、JKCでは「3kgから9kgの間。4kgから7kgの平均体重が理想的。体重が3kgより少ない犬や9kgを超える犬にはエクセレント評価は与えられない。」とされているように、小型の犬種です。
そのJKCでのスキッパーキの登録数は、若干の増減はあるものの、ほぼ年間で50頭前後ということで、あまり一般的になじみのある犬種ではないかもしれません。
ただ、JKC全体の登録頭数が減少する中で、スキッパーキの登録数は、絶対数では少ないものの、常に一定数が登録される犬種です。
▼スキッパーキ登録数順位 登録数 JKC総登録数
- 2015年 77位 43頭 JKC総登録数:301605頭
- 2010年 79位 47頭 JKC総登録数:392958頭
- 2005年 88位 48頭 JKC総登録数:554151頭
- 2000年 97位 33頭 JKC総登録数:447978頭
※下のグラフのブルーのJKC総登録数は、表示の都合上実際の数字の1/5000となっています。
*データはJKCの公開データからの引用です。
見た目も、少し小悪魔的な魅力があり、もっと人気が出ても良いと思う人もいるでしょう。ただ、小さくても一般の愛玩犬感覚で飼える犬種ではありません。行動力もあり、活発なうえに、飼い主以外の人間には距離を置く部分もあるので、それなりのしっかりとしたしつけが必要であり、その点ではジャックラッセルテリアと少し共通する部分もあるかもしれません。
スキッパーキを迎える際のご注意
ペット・トライアングルでも一時期、この犬種を扱って何頭かのスキッパーキの子犬を送り出しました。スキッパーキの子犬は、真っ黒で小さくて、とてもかわいいです。しかし、上記のしつけの面、飼い方なども含めて、その可愛さだけで迎えてしまうと大変な犬種でもあるのです。
そして、スキッパーを迎えようとする場合のもう一つの問題が、血縁の問題です。
これは、登録数の少ない犬種全般に言えることなのですが、登録数が少ないということは、繁殖するブリーダーが少ない、つまり交配できる犬が少ない、特定の犬しか交配できない、生まれてくる子犬はみんな近親関係となる、ということになります。
従って、近親の血がどんどん濃くなる傾向が避けられず、いわゆる近親交配に限りなく近くなっていくことになります。当然、近親交配による心身の悪影響のリスクも高くなります。
もちろん、それを避けるために、海外から同じ犬種の新しい血を入れていけば、そういったことも少なくなりますが、登録数が少ない犬種の場合、よほどその犬種に入れ込んでいるブリーダーではないと、そういったこともしなくなってしまいます。
現在のスキッパーキの状況がどうだかわかりませんが、スキッパーキを迎える場合は、どういう血統で、どういう犬が交配に使われているかをよく確認した方が無難でしょう。
ただ、難しいのはブリーダーが血統書を都合のよい内容でも申請できるので、必ずしも血統書だけでは確認できない、つまりブリーダーが都合の良いように騙せてしまえる、ということです。
スキッパーキはしっかりとした心構えと、適切な飼い方・しつけ方を行えれば、飼い主さんにとってはとてもあわいく、たのもしいパートナー犬となる犬種です。しかし、迎えるときは、よく確認してください。難しいかもしれませんが。
スキッパーキの尻尾について
さて、スキッパーキの特徴のひとつとして、尻尾がない、という点がありました。しかし、最近はスキッパーキも、普通に尻尾を残されている個体が多いようです。
もともとスキッパーキには、普通に立派な尻尾があります。しかし、もともと生まれてすぐに断尾をする習慣のある犬種なので、スキッパーキには尻尾がない個体が多かったのです。
スキッパーキは、尻尾のない子犬が産まれることも多いというようなことも書かれているサイトがありますが、それは個人的には間違っていると思っています。実際に、尻尾のないスキッパーキが生まれたという話は聞いたこともないですし、もし、実際に尻尾のないスキッパーキが生まれたとしたら、ものすごく貴重なスキッパーキなので、とても大切にされる、また売られるとしたら、とても高額になるでしょう。
しかも、日本では極端に登録数も少ないので、そういったいわゆる奇形的なスキッパーキが生まれる確率はかなり少ないと考えられ、例えそういったスキッパーキが生まれたとしたら、それは近親交配による問題と考えるのが自然であるように思います。
現実的には生まれつき尻尾のないスキッパーキが生まれることはまずないでしょう。もし、そういうことを言うブリーダーがいたとしたら、そのブリーダーからはスキッパーキを迎えるのは避けた方が無難かもしれませんね。
スキッパーキは本来、とても見た目もかわいく、しつけさえしっかりと行えば、とてもかわいいパートナーになってくれる犬種だと思っています。だからこそ、血縁の問題などもしっかりと回避して、心身ともに問題のないスキッパーキを繁殖するブリーダーが増えて、もっとたくさんの人に認知されて、より多くに人に飼われるようになってほしい犬種のひとつがスキッパーキです。
スキッパーキの名前の由来、歴史
さて、スキッパーキという名前、ちょっとおもしろい名前ですが、その由来については、種に2つの説があるようです。ただし、スキッパーキの起源は現在のベルギーということで一致しています。
ベルギーでは2つの言語が使用されています。ひとつはフランス語、もうひとつはオランダ語またはフラマン語と呼ばれる言語です。
そのフラマン語でスキッパーキ(schipperke)とは、「小さな船乗り」を意味するそうです。そして実際にスキッパーキはオランダとベルギーを行き来する船乗りが連れてきた犬、と言われていて、そこからこの説が生まれてきたようです。
もひとつの説は、やはりベルギーの方言で、“Shapocke” または “Scheperke”という言葉があり、これは「小さな羊飼い」を意味するとのことです。もともとスキッパーキは、ベルギーの小型の牧羊犬だったとのことで、これが名前の由来だというものです。
現在、どちらかというと後者の「小さな羊飼い」説が有力なようです。
名前の由来はともかく、スキッパーキはベルギーを起源としてベルギーで育った犬種であることは確かなようです。そのベルギーでは、特に靴屋に人気のあった犬種とのことで、靴屋の技術を競うために、スキッパーキに彼らの作った真鍮製の首輪を身に付けさせて、協議を行っていたりしたそうです。
そして、そのころすでにスキッパーキは断尾をする習慣があったとも言われています。
また、スキッパーキはネズミなどの小型の害獣駆除にも使われるベルギーの庶民に人気の犬種でした。
そのスキッパーキがあるドッグショーでベルギーの王妃のお気に入りとなり、ベルギーの王室は、そしてさらにそこからイギリス、アメリカへと紹介されていったようです。
日本では、1970年前後ぐらいにはスキッパーキが輸入されているようです。以外に古くから日本に入ってきているようですが、どうして今一つ人気にならなかったのでしょうか。小さくてかわいく、見た目だけでも人気になりそうなのに、そこが少し謎ですね。
でも、その謎めいた、また少し小悪魔的なところがスキッパーキの魅力でもあるのかもしれませんね。
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