ブルテリアは愛嬌ある犬、それとも?

ブルテリアというと、「平成イヌ物語バウ」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういう方は、アニメのイメージと個性的な顔から、親しみやすいというか、コミカルというか、そんな愛嬌のあるイメージを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。

また反対に、ブルテリアという名前から、闘犬というまったく逆の怖い犬のイメージを抱く方もいるかもしれません。

しかし、実は両方とも当たっていると言えば、当たっているのかもしれません。

もともとブルテリアという犬種が作られた目的は、闘犬として優秀な犬を作る、ということでした。そこで、現在のブルドッグの元となるオールド・イングリッシュ・ブルドッグと数種のテリアを交配することにより、元となるブル・アンド・テリアが作られ、そこからさらに、ブルテリアが作られてきました。

したがって、闘犬というイメージがあって当然と言えば当然です。

しかし実際には、ブルテリアが作られていく過程で、イギリスで闘犬が禁止となり、ブルテリアを犬種として作っていく目的も、闘う犬から、家庭用の番犬、そしてショードッグとして外観にもこだわる犬種として作られてきました。

同時に、気質自体も闘犬としての攻撃性のある資質を取り除くことにも努力が払われ、飼い主に対して従順性の高い、家庭犬としての資質を持つ犬種として作られたのがブルテリアです。

そして、現在の形に至るまで、テリア系以外にも、スパニッシュ・ポインター、ダルメシアンなどの血も入れながら毛色、体型なども改良され、そういったなかで現在の個性的な愛嬌のある顔も作られてきたということです。

したがって、現在のブルテリアは家庭犬として普通に飼える犬種です。しかし、そうは言ってもいわゆる愛玩犬とは違います。

また、闘犬としての血も完全に消え去ったわけではありません。人に対しては従順でも
他の犬や動物などにたいしては、攻撃的な行動を取るようなブルテリアもいるので、そこは注意が必要です。

ただし、基本的に飼い主に対しては忠実で服従性が高い犬種なので、飼い主さんがしっかりとした心構えと適切な飼い方・しつけ方をすれば、頼もしい相棒になってくれることでしょう。

ブルテリアの歴史

ブルテリアの元となるブル・アンド・テリアは、闘犬系のテリアとまだ現役の闘犬だったころの現在と体型も気質も異なるブルドッグなどの交配により、より優秀な闘犬を目的に作られていました。

このブル・アンド・テリアが作られたのが、1930年代と言われています。

ブルテリアは、このブル・アンド・テリアからさらに改良して作られたのですが、ブル・アンド・テリアからは、ほかにも闘犬禁止後にもギャンブル闘犬とされたスタッフォードシャー・テリア系の犬がいて、アメリカン・ピットブルも、この流れから生まれた犬種です。

1935年にイギリスで闘犬が禁止されると、これらの犬種も闘犬とは違う目的での改良の努力がなされるようになるのです。

そしてブルテリアは早くから闘犬とは違い、ショードッグ、番犬、そして家庭犬とすることを目的として外観、性格が作られてきました。

当然他の犬種の血も入れながら改良が行われ、ブルテリアの独特の頭部の形は顔、そして白い色ベースのブルテリアもこの改良の過程で作り出されてきたものです。

また、小型化も行われ、現在ミニチュア・ブルテリアが存在しますが、それよりも小さいトイ・ブルテリアも作られたとのことです。

ただ、もともと可愛らしさが売りの愛玩犬ではないブルテリアのトイタイプは、人気が出なかったようです。

そして、ほぼ現在の形と性格になって1936年にAKCに登録され、その後もその独特の愛嬌のある容姿や性格によって、テレビや映画などにも使われる人気犬種となっていきました。

このようにもともとはその名前の通り闘犬として作られたブルテリアですが、現在のブルテリアは個性的で愛嬌ある犬種なのです。

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