犬のしつけはしなければいけないのか?
今更ながら、”犬にしつけは必要か?”という疑問がわいてきました。ドッグトレーナーという立場上、このサイトでも、飼い主さんへのしつけ相談でも言っているのが次のようなことです。
- 犬のしつけは飼い主の義務。
- 犬のしつけをしないと犬がわがままに育ってしまう。
- 犬のしつけをすれば、飼い主さんも犬も楽になる。
というようなことで、これらは決して間違っていないと思ってきました。いや、今でもそうは思っています。
しかし現実を見ると、散歩されている犬はほとんどの犬が飼い主を無視して勝手に歩いている。中には飼い主を引っ張っている犬もいる。
すれ違いざまに吠える犬、こちらを睨む犬もいる。
などなど、きちんとしたしつけをされている犬だろうという犬に会うことはあまりないように思います。
でも、そんな犬の飼い主さんたちがとても苦労しているかというと、そうでもないようです。それなりに、犬をかわいがり、犬も飼い主さんになついています。
ただし、一方ではしつけ相談にいらっしゃる犬の問題行動で困っている飼い主さんもいます。稀とは言え、犬を手離したい、という方さえいらっしゃいます。
やはり、犬にはきちんとしつけをした方が無難なのです。
しつけをしなくても問題ない犬もたくさんいる
現実的には、飼い主さんがろくにしつけをしていないと感じているのに、ほとんど問題行動のない、あるいは飼い主さんに問題行動だと感じさせることがない犬がほとんどではないでしょうか。
それには、いくつかの理由が考えられます。
- 飼い主さんの自然な犬の扱い方がうまい。
- 犬の先天的な性格がとてもよい。
- 犬の問題行動を飼い主が問題だと感じてない。
と言うようなことではないかと思います。それぞれにもう少し説明を加えてみましょう。
飼い主さんの自然な犬の扱い方がうまい。
飼い主さんの犬の扱い方が、無意識のうちに犬との主従関係を構築するような行動になっている。そういう飼い主さんもけっこういると思います。
飼い主さん自身の自然な犬の扱いが、飼い主さんはしつけをしているつもりはなくても、事実上しつけをしているのと同等の効果がある行動となっている、ということです
例えば、次のような犬の扱いです。
- オスワリ、マテを特にしつけと意識せずに、日常的によく行っている。
- 散歩でただ犬を歩かせるだけではなく、犬に声をかけながら、犬が常に飼い主さんを意識するような行動をしている。
- 室内でも、よく犬に声をかけて、犬が飼い主さんの存在を常に意識するような行動をしている。
- 犬のブラッシングなどを日常的に行い、犬とのスキンシップを日常的にしている。
などなどほかにもあるでしょう。ただし、こういった行動を飼い主さんがしたら必ず犬との信頼関係が出来て、問題行動を起こさないようになるかと言うと、そうではありません。
飼い主さんの行動を受け入れる素質がある程度は犬にあることも必要でしょう。
犬の先天的な性格がとてもよい。
これは犬自身の持っている先天的な性格が温厚で人を受け入れやすいというような、簡単に言えばとても良い性格である場合、ということです。
そんな犬であれば、飼い主さんの扱いが今一つでも、大きな問題行動はおこさない確率は高くなるでしょう。また、もともとあまり吠えたりしない犬もいます。そういった、たまたま犬がそういった性格であった場合は、飼い主さんの扱いを多少寛容に受け入れてくれる場合もあるかもしれませんね。したがって、特にしつけなんかされなくても、飼い主さんを困らせるような行動をしない、そんなおりこうさんな犬もいるでしょう。
犬の問題行動を飼い主が問題だと感じてない。
周りの人から見れば、問題行動だと思うようなことをしている犬でも、その犬の飼い主さん自身は全くそう感じていない。したがって結果として飼い主にと手は愛犬が問題犬だとは思っていない。ということです。
こういったケースは少なからずあるように思います。例えば、次のような例です。
- 犬が、やたらと吠えても全く飼い主は気にしない。
- 散歩で犬が周りの迷惑なところに居座っても、かわいそうだからと、無理に犬をリードで動かそうとしない。
- 他人の家の玄関先などにおしっこを平気でさせてしまう。
- ドッグランで他の犬を執拗に追いかけたり、マウンティングても気にしない。
などなど、その犬の行動がまわりの人は気になっても、犬の飼い主さん自身は全く気にしない、ということです。具体的にそれぞれの飼い主さんの場合の飼い主さんの考え方はこんな感じでしょうか。
犬が吠えることを気にしない
犬が吠える、ということに対しては「犬は吠えるもの、吠えて当たり前」と思っている。
散歩で犬の動きに従って飼い主がついていく
散歩では犬が行きたいところへ歩かせないとかわいそう。犬が自分から動かないのだから無理にリードで引っ張ったらかわいそう。
犬が所かまわずおしっこをする
犬が散歩で臭いを嗅ぎまわりおしっこをするのは「犬の仕事」だからどこでも犬がおしっこをして当たり前と思っている。
ドッグランで犬を好き勝手にさせる
ドッグランでの他の犬とのかかわりは、すべて犬同士の遊びであり犬のためである、と思っている。
しつけをされない犬の問題はなんだろう?
ということで、現実的に犬のしつけに本格的には取り組まなくても、問題ない犬、あるいは問題ないと思われている犬は、世の中にはたくさんいるのです。
ここで実際に問題行動を起こさない犬、つまり飼い主さんの犬の扱いがうまい場合、また犬がおりこうさんな場合、は問題ないでしょう。
特に本格的なしつけをしなくても、犬と一緒に楽しく生活して、まわりの人たちに迷惑をかけることもないでしょう。
問題は、まさに犬の問題行動を問題行動と認識しない飼い主さんの場合です。
でも、ほとんどの場合、そういった問題行動がある犬も、たとえその犬が3歳でも、5歳でも、適切なしつけトレーニングによって、それを治していく、つまり問題行動をさせないようにしていくことは出来るのです。
でも、そんな飼い主さんの場合、よっぽど犬の問題行動が悪化しない限り、そんなことをしようとは思わない、これも問題かもしれません。
その結果、その飼い主と犬の周りの人や犬、散歩のコース周辺の住民、出会う犬たちとその飼い主さんが迷惑する、ということになってしまうのです。
犬の行動が問題だと感じる気遣いと、そうなった場合の対処をすること、これが犬を飼う人には最低限必要なのではないでしょうか。
あえてしつけはしなくていいかも。でもやっぱりした方が無難!
ということで、犬のしつけは必要か?しなくても良いのか?という疑問に対しての答えは?
ドッグトレーナーの立場から言えば、犬のしつけは必要、絶対にした方がいい、と言えます。
しかし、現実的な答えとしては、あえて本格的なしつけをしなくても犬が問題行動を起こさなければよい、ということにもなるのでしょうか。
でも前にも書いた通り、飼い主となる人には犬の行動が周りに迷惑をかけていないかどうか、ということを常に気にすることは必須だと思います。
もし、自分の愛犬が周りの人や犬になんらかの迷惑、不快感を抱かせていると感じたら、やはり本格的にそれを修正するためのしつけトレーニングをやるべきでしょう。
だから、初めからそうならないように、子犬のうちからある程度はしっかりとしつけトレーニングをしておくのが無難なのです。
そうすれば、その先の愛犬との10年以上の生活がより楽しく、飼い主さんもその愛犬もより安心して生活することが出来ると言っていいのではないでしょうか。
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