犬は肉食動物なのか?
もともと犬は肉食動物だと言われています。確かに草食動物ではないでしょう。肉食動物と草食動物の違いのひとつとして腸の長さの体長に対する比率があります。これを比べると、犬の場合、牛などの草食動物、人間に比べて短いようです。また、歯の形状の違いがあります。牛などの草食動物は臼歯だけで構成されていますが、肉食動物は臼歯もあるものの、草食動物にはない鋭い牙があり、尖った歯との組み合わせで構成されています。この観点からは、犬は肉食動物に近いことは確かです。
犬の腸の長さは?
犬の腸の長さは、体長(口から肛門まで)の5~6倍ぐらいです。それに対して人間は、10倍程度です。(ただし人間の場合の体長と言うのは身長ではなく、動物と同じように四つん這いになった時の口から肛門までの長さです。でないと動物と比較できませんからね。)では、身近な草食動物である馬はというと、人間と同じ10倍程度、牛は20倍ぐらいあるのです。確かに犬の腸は短いですね。では、本格的な肉食動物であるライオンやオオカミはどうかと言うと、体長の4倍ぐらいということです。またペットとして犬と双璧をなす猫はライオンと同じ、4倍程度です。
腸の長さから犬は肉食系雑食動物?
体の構造、腸の長さ、また歯の形状という観点からは、確かに肉食系であることは間違いないようです。しかし、本格的な肉食動物と比べると幾分長い、つまり雑食系にも近い、とも言えそうですね。同じ観点から見ると、猫はほぼ肉食動物である、ということになりそうです。つまり、犬は雑食系肉食動物あるいは肉食系雑食動物とも言えそうですね。でも、犬とペットの主流を争う猫は、犬よりも肉食系であるということも言えそうです。
肉食動物は肉だけ与えていればいいのか?
犬は肉食系というのは間違いないようです。さて、では本格的な肉食動物は肉だけ与えられれば良いのでしょうか?答えはNoですね。例えばライオンなどの肉食動物は、草食動物を獲物として捕らえます。そして食べるときは草食動物の内臓から食べるそうです。草食動物の内臓にはまだ消化していない植物があり、また草食動物自体に植物から得た栄養素がありますから、草食動物を食べることによって、植物から取るべき必要な栄養素を同時に摂取しているのです。
動物園のライオンの餌は?
野生のライオンは、草食動物の内臓なども食べることにより、植物由来の栄養素を取ることができます。でも、動物園のライオンは、肉の塊だけを与えられているのをテレビなどで見ます。実際には、肉の塊の中にビタミン剤などが仕込まれていて、栄養のバランスを取っているようです。当然にことながら、必要な栄養素は与える必要がありますからね。
日本犬は肉を食べてきたのか?
体の構造的なことから、犬は肉食系の動物であることは間違いないようです。でも古くから存在する日本犬は、肉を豊富に食べていたのか?という疑問があります。犬が人間と共存を始めたのは、3万年も昔とも言われています。日本では、9,000年前の旧石器時代には犬と人間が生活を共にしていた形跡も見つかっているそうです。もちろん、狩猟につかわれていた犬は、肉をがっつりと食べていたことでしょう。でも、日本人は農耕民族として発展してきました。当然、農村地帯でも犬は飼われていたことでしょう。そんな農村地帯で人間と一緒に暮らしていた犬は、肉を豊富に食べられたのでしょうか。
人間と共存するということは、食も共通するのでは?
猫は、どちらかというと農村などでも、ネズミなどの駆除目的で飼われることが多かったようで、肉食の本能をあまり失わずに現在に至っているのかもしれません。しかし、犬はより人間に従順であり、人間の生活により近い存在であったと推定されます。従って、そんな犬たちの食事も、人間が食べるものに近いものが与えられていたことが想像できます。ということは、多くの日本犬は、やはり穀物も主食に近い形で食べていたのではないでしょうか。つまり、日本犬も多くは雑食動物としての歴史を重ねてきたと推定されます。
欧米の犬は肉食系なのか?
人間を考えると、欧米系の人たちは、日本人に比べて肉食系だったのではないでしょうか。今でこそ、日本人の食事も欧米とほとんど変わらなくなってきました。しかし、欧米では、日本よりも狩猟が一般的であり、人間自体の食事も肉食系と言えるでしょう。従って、いわゆる洋犬は日本犬に比べて、肉食の度合いは強いのかもしれません。でも、欧米人も肉だけを食べていたわけではありません。当然、犬も人間が食べるいろいろなもの、野菜や果物、穀物なども与えられていたでしょう。結果として、現在の犬は、日本犬、洋犬を問わず、やはり雑食動物、と言っても良いのではないでしょうか。
犬は肉食系雑食動物!
犬の体は、確かにより肉食に適しています。しかし、純粋な肉食動物に比べると、穀物など植物系の食べ物にもより対応できるようにもなっています。また、現実的に犬は長く人間との共存の道をたどってきて、雑食である人間と同じような食生活にも対応できるようになっています。つまり、現在私たちと家族の一員として迎えている犬たちは、純粋に肉食というよりも、肉食系の雑食動物である、と言ってよいのではないでしょうか。
動物の肉以外の部位を食べ物として犬に与えるのはNGなのか?
犬が雑食動物だとしても、肉食系の体であることは間違いありません。しかし、ペットフードでの肉類に関して、よく指摘されることがあります。ペットフードの製造で使用される肉類は、本来の肉だけでなく、あるいは、本来の肉部分ではなく、骨や内臓、羽や被毛の部分も一緒に、あるいは肉を取り除かれた人間がいらない部分を粉砕して使われている、ということ、これが問題視されているようです。人間の食を考えると確かに、エーっという感じですね。でも野生の動物を考えたら、犬にとってはそんなことはどうでもよい、のかもしれません。毒にならないのであれば。むしろ、野生の肉食動物が草食動物の内臓や骨などからも必要な栄養素を取っているように、それらにも犬にとって必要な栄養素は入っているでしょうから、ペットフードの材料として必ずしも不適切とはいえないようにも思います。
穀物主体のドッグフードでも問題ない!?
では、犬は肉食系だから、穀物主体おドッグフードは犬にとって悪いフードなのでしょうか?現実的に人間との生活の中で、長く雑食的に生きてきた犬にとっては、穀物主体のドッグフードが問題あると考えるのは少し違和感があります。もちろん、体の構造的には肉食系なので、肉を主体がベターなのかもしれません。でも、だからと言って、穀物主体がNG、ダメだともいえないのではないでしょうか。たとえ、穀物主体であったとしてもそれが100%ということはないし、総合栄養食として販売されるドッグフードには犬が生きていくために必要な栄養素が含まれているはずです。したがって、そのドッグフードを食べて、十分な水分を取っていれば、犬にとって大きな問題はないと考えるのが合理的ではないかと思います。
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