ペット関連の仕事は動物取扱業の登録が義務付けられている
今日のテーマは、一般の方にはあまり関係ないかもしれません。ペット関連の仕事をしている場合に必要となる講習についてです。
現在、ペット関連の仕事をする場合、必ず、動物取扱業の登録を受けることが必要です。これは、法律で義務付けられています。
これは、2006年6月1日に施行された、改正動物愛護法によるものです。これにより、動物取引にかかわっている広範囲の人々に、「動物取扱業」登録が義務づけられました。
登録には動物取扱責任者が必要であり、動物取扱責任者になるには6か月以上の実務経験、または該当する業務に関する知識が有していると判断されるもの、具体的には動物関連の学校、学科を卒業している、または動物関連の資格を有していることが必要となるります。
さらに、登録に際して施設などがある場合は、該当自治体の動物担当部門による現場審査などもあります。
それ以前は、誰でも、申請さえすれば、例えば子犬のネット販売サイトを作り、犬を売ることが出来ましたが、2006年の改正動物愛護法の施行後は、申請して登録されなければ出来なくなったのです。
さらに2013年の同法の改正では、当初は動物取扱業は営利目的のものが基本で定められていたものを、営利目的の場合は第1種動物取扱業とされ、営利目的ではない場合は第2種動物取扱業として新たに規定されるようになりました。したがって、営利目的ではない、ボランティア、無償での動物の保管や訓練、例えば動物愛護団体のシェルターなども、登録が必要となりました。
ここでは、第1種動物取扱業について書いています。
第1種動物取扱業は、次のように区分されています。
- 販売
- 保管
- 貸出し
- 訓練
- 展示
- 競りあっせん
- 譲受飼養
このうち1~5は、この東麓の義務付けが開始された当初からありましたが、その後、6の「競りあっせん」、7の「譲受飼養」が追加されました。
でも一般の方はこれを見てもどういうものが対象かが分かりにくいかもしれませんね。
簡単に説明しておきましょう。
販売
これは比較的わかりやすいでしょう。販売、つまりペットの販売です。対象となるのは基本はペットショップということになります。
ペットショップのような一般消費者へ直接販売するのみならず、業者への卸売りや、取次や代理も対象となります。したがって、いわゆるブリーダーも販売の登録が必要となります。
また、一般の方が個人で犬を販売、例えば子犬が生まれてその子犬を有償で譲る=販売する場合も、年2回以上もしくは年2匹以上取り扱う場合には対象となるので、その場合もこの動物取扱業の販売の登録が必要となります。
ペットショップも、実店舗を構えているショップだけでなく、インターネットでの販売も当然ながら対象となります。
ペット・トライアングルでは、現在積極的な子犬の販売は行っていませんが、お客様からのご要望があれば、直接販売することもあるので、実店舗のラブドッグ店で販売の登録も受けています。
保管
保管、つまりペットを有償でお預かりする場合に必要な登録となります。
これはペットホテルは当然対象となりますが、犬の美容室、トリミングサロンのような、一時的にお預かりして、カットやシャンプーをする場合も対象となります。
また、ペットシッターのように保管してお預かりすることがなくても、一時的に飼い主の代理として世話をする場合も対象となります。
ペットショップでも、ペットホテルやトリミングを行っている場合は、販売に加えて、保険の登録も別途必要となるのです。
ペット・トライアングルのラブドッグ店はメインがペットホテルとトリミングなので、当然、この保管の登録も行っています。
貸出し
貸出し、というのはあまり一般の方にはなじみがないかもしれませんね。でも最近はペットのレンタルなんて言うのもあるようだから、そのイメージを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
当然、そういったペットのレンタルは対象となりますが、それだけではありません。
例えば、有名なところではソフトバンクのCMのお父さん犬。テレビや映画などにも犬だけでなく、いろいろな動物が登場してきます。こういった、いわばタレント業を行う動物、あるいは撮影のモデルになるような動物を貸し出している、動物派遣業者も、この対象となります。
あるいは、ブリーダーに繁殖用として犬を貸し出す業者もいます。こういった業者もこの対象となるのです。つまり、犬を有償で貸し出す場合は、この貸出しの登録が必要になるということです。
訓練
これはわかりやすいですね。犬であれば、訓練士が対象となります。これは、訓練のための施設がない、出張訓練の場合も必要になります。
ペット・トライアングルのラブドッグ店でも当然ながらこの区分でも登録をしています。
展示
展示、と言ってもすぐにピンとこないかもしれません。
動物を展示する、つまり動物園や水族館が代表的なものですね。これは施設がない、移動式のものも含まれます。サーカスもこの区分での登録が必要となります。
また、展示とは少し違うと思うのですが、乗馬クラブなどもこの区分での登録が必要となるよです。
さらに、アニマルセラピーのような動物とのふれあいをさせる場合も展示に該当するようです。
競りあっせん
これは後から追加されたものですが、いわゆる動物の競り市、オークションなどを主催する場合に必要となる登録です。
譲受飼養
譲受飼養の対象となるのは、いわゆる老犬ホームなどです。
老犬ホームは、一時的に犬を預かるというものと違い、その犬を有償で譲り受けてその生涯の世話をする、という形態です。したがって、保管の対象ともならず、また販売とも違うので、今まで登録の対象はなっていなかったようです。
しかし、現実的には動物取扱業の一つであることは間違いなく、この区分が追加されたのでしょう。
動物取扱業の登録には経験あるいは資格が必要
冒頭にも書いたように、このように動物関連に仕事をするには、営利目的である場合はもちろん、営利目的ではない場合でも、登録が必要になる場合があります。
正確に言えば、動物取扱業を登録するには、動物取扱責任者が必要であり、その動物取扱責任者になるには、
では、この動物取扱業の登録は誰でもできるのかというと、そうではありません。
冒頭でも書いたように、それぞれの業務での実務経験が、6か月以上ある、また実務経験がない場合は、該当する業務に関する知識が有していると判断されるもの、具体的には動物関連の学校、学科を卒業している、または動物関連の資格を有していることが必要となるのです。
生きている動物を扱う以上、それなりの経験、または知識が必要ということです。
したがって、もしこういった動物関連の仕事をしたい、例えばブリーダーになりたい、という場合は、こういった登録をすることが必要であり、もし実務経験が何もない、そういった学校にいったわけでもない、と言う場合は、動物関連の何らかの資格を取得することが必要になります。
では、動物関連の資格であれば何でもよいのか、というと必ずしもそうではないようです。
また、資格によって、登録できる区分も変わってくるので、確認が必要です。
基本は、全国どこでも共通だとは思うのですが、現実的には各自治体によって微妙に違っていたり、また担当者によって見解が違うなんてことも以前はありました。
例えば、東京都の場合には、下のリンク先のように、動物取扱責任者になるための要件が明記されています。
もし、動物取扱業の登録をしようと言う場合は、まずは地域の自治体の該当部門へ相談することが確実です。
動物取扱責任者は毎年、講習会の受講が義務付けられている
さて、タイトルの前置きが長くなってしまいましたが、動物取扱責任者に自分がなる、あるいは有資格者を雇えば、大きな問題がなければ、登録はできると思います。
でも、登録できたらそれで終わり、というわけではありません。
1回の登録での有効期限は5年となります。5年毎に更新が必要であり、都度、自治体担当者の現場確認があります。
また、登録された動物取扱責任者は、毎年1回以上、1回当たり3時間以上の動物取扱業の講習を受けることが法律で義務付けられています。
したがって、動物取扱責任者には、毎年、該当自治体の担当部門から講習会の案内が届き、複数ある講習会の中から、少なくともひとつに受講しなければいけないのです。
千葉県では、だいた秋から冬にかけての時期に行われています。
千葉県内の各保健所あるいは福祉センターがそれぞれ日程を変えて主催しているので、送られてきた案内に記載されている都合の良い日時と場所を選び、第3希望まで書いて郵送で返信します。今までは全て第一希望が通ってきましたが、層ではないっ場合もあるのでしょうか。それはわかりません。
近い場所で必ずしも都合の良い日時とは限らないので、少し遠めのところへ行ったこともあります。
今年は、市川文化センターというところへ行ってきました。
最寄り駅はJR総武線の本八幡駅で、僕が以前住んでいたところから近いところにあり、また、ほぼ正面にあるところが、以前の会社での勤務地でもあったので、土地としてはとても慣れているところです。
しかし、今回は、開通した外環高速道によって、場所によっては道路や景色が僕の知っていたものとは、全く違うものになっていました。と、これは関係ない話ですね。
話を元に戻しましょう。
では、この動物取扱責任者を対象にした講習会で何をやるのか、と言うと、主に動物愛護法の説明と動物関連団体の方を招いての講演です。
ちなみに今回は、次のようなテーマについての講習でした。
- 動物の愛護及び管理に関する法令等
- 使用施設及び動物の管理に関する方法
- 災害時におけるペットの救護対策
最初は主に動物愛護法の一部に関しての説明です。大事だとは思いますが、周りの人は、かなり睡魔と戦っている(負けている)人が多かったようです。と、人のことは言えませんが・・・。
後半の1時間半ぐらいは、「災害時におけるペットの救護対策」についてというテーマで、一般財団法人「ペット災害対策推進協会」の常務理事をされている岡崎留美さんという方の講演でした。
過去の災害、阪神淡路大震災から中越地震、東日本大震災、熊本地震や広島の豪雨災害などの時に行われた、災害時にペットがどう扱われたか、避難、救護されたかなどのお話をお聞きすることが出来て、これはとても有意義であったと思います。
これについては、別途、よろ詳細を報告したいと思っています。
ということで、動物取扱責任者として今年もしっかりと、法律に定められた講習会に参加して、研修修了証もいただいてきたのです。
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