子犬はいつから成犬になるのか?
小さくて可愛かった子犬も、日に日に大きくなり、生後半年にもなれば、かなり成犬に近い大きさになってきます。でも生後半年ではまだ成犬とは言えません。体は大きくなってもまだ子犬です。では、子犬はいつから成犬になるのでしょうか?
日本では、2018年時点では、20歳になると成人となります。でも今18歳成人への変更論議が高まっているようです。ヨーロッパは18歳成人が主流なようです。ちなみに、プエルトリコは14歳で成人だそうです。日本で言えば中学2年生で成人?
と犬の話題からそれてしまいましたが、要するに人間の場合は、法律でいつから成人になるのかが、はっきりと定められています。それが良いか悪いかは別にして。
犬は、何歳から成犬というのは定められていません。当たり前といえば当たり前ですが、人間と同じように、人間の都合で勝手に決めようと思えば決められそうですけどね。
それはともかく、実際のところは子犬から成犬になるのはいつなのか、一般的には次のように言われています。
犬が成犬になる年齢
- 小型犬=生後1年
- 中~大型犬=生後2~3年
一般的には生後1年たてば成犬である、という言われ方が多いようですが、犬の場合、大きさによって違い、小型犬の場合が生後1年ぐらい、中型~大型になると、2~3年で成犬になるといわれています。
超大型犬の場合、5歳まで体が成長していた、という例もあります。
成犬になるということに関しては、体が大人になることとともに、精神的に大人になる、とう見方もあります。
これについては、大きさだけでなく、性別での違いもよく言われています。
例えば、中型~大型犬では、メスの場合、精神的には2歳ぐらいで成犬になるのに対して、オスの場合は、3歳ぐらいでやっと精神的に大人になってくるといわれています。
ただ、人間でも個人個人で、けっこう心身の成長の仕方が違うということもあると思い、同じように、というか、犬の場合はより犬種が多岐多様になっていることも有り、大きさに加えて、犬種的、また、個々の違いもあるかもしれませんね。
でもあまり細かいことを考えても意味がないので、やはり大雑把に、小型犬は1年、中型~大型犬は2~3年、ということでよいのではないでしょうか。
犬が成犬になったから特別扱いを変えることはほとんどありません。強いて言えば、ペットフードでしょうか。
ペットフードなどには、1歳までとか、1歳から6歳までなどと標記されています。これも子犬、成犬でのペットフードの質の違いを考慮したものです。子犬用は、成長を促進するために栄養価が高く、成犬用は体型を維持するために、適度な栄養価に押さえるなどの違いです。でも、使い方としては、必ずしもその年齢にこだわる必要はなく、子犬でも肥満気味になったら、成犬用のドッグフードに切り替える、成犬でも運動量が多ければ、子犬用も使う、などの対応をしているブリーダーや訓練士もいます。
そのほかでは、飼い方を変える必要はないし、しつけトレーニングの方法が変わるわけでもないし、成犬になったから特別何かをするということもありません。
ただ、子犬から成犬になることで、犬の本能的な部分が強くなってくると言われています。例えば、子犬の時は無邪気な甘噛みだった、またおもちゃを噛ませて無邪気に遊んでいたのが、いつしかそれが攻撃本能を刺激して、本気噛みになってしまう、というようなこともあります。
そういう意味で子犬の時期の飼い方、しつけ方、など犬との接し方、扱い方が大事だということです。
ほとんどの犬は成犬になってからしつけのやり直しは出来ますが、本気噛みを覚えた犬の場合、それがとても難しくなる場合があるのです。
逆に子犬の時期にしっかりと適切なしつけトレーニングをしておけば、成犬になってからの犬との生活がとても楽に、そして楽しくなる、ということです。
それにしても生後1~3年ぐらいで犬は成犬になってしまうんですね。人間は成人になるのに20年近くかかるのに。犬の寿命は15年ぐらいなので、員は人間の5倍ぐらいのスピードで年を取ることになります。
でも、犬の最初の1年は人間の20年ぐらいに相当することになり、成長がとても速い、ということになりますね。だから、ほとんどの場合小さな子犬で飼い始めた犬も、すぐに飼い主の実質的な年齢を追い越してしまうのですね。
犬はいつから老犬になるのでしょうか
最近は、老犬、シニア犬、高齢犬、などという言葉をよく聞くようになってきました。少し前までは、あまり聞かなかったように思います。
理由は、最近の犬の寿命が以前に比べてかなり伸びている、つまり天寿に近い寿命まで生きられる犬が増えたということではないでしょうか。
以前、といっても20~30年くらい前までは、多くの犬がフィラリアなどの病気で老犬と言われる前に亡くなってしまっていたのです。
現在は、予防接種もほとんどの飼い主さんが受けるようになり、獣医学の進歩、予防のための予防薬も手軽に与えやすくなっていて、以前に比べてフィラリアなどの病気で亡くなる犬が格段に少なくなっています。
また、以前は犬は外で飼うのが常識でしたが、現在は、室内で飼うのが当たり前の時代です。犬にとっての生活環境も格段によくなっています。
こういった理由によって、犬も本来生きるべき年齢まで生きてくれる犬が増えているのです。
では、老犬と呼ばれるのはいつからなのでしょうか?
一般的には、小型犬は9歳、大型犬は7歳くらいから、と言われています。
大型犬は、成犬になるのは小型犬より遅く、老犬になるのは小型犬より早い、つまり成犬の期間が小型犬よりも短いということですね。
そして、寿命も一般的に大型犬の方が短いと言われています。やはり大きな体が老化を早めているのでしょうか。
そこのところは、ここでは深く追及はしません。
さて、上に書いたように犬が老犬になるのは、小型犬は9歳、大型犬は7歳くらいからと言われていますが、実際の犬の心身の健康状態から見ると、「いつから成犬?」以上に、そのばらつきは大きいように思います。
人間でも、60歳前後になってくると、見た目でけっこう若く見える人もいれば、もっと高齢に見える人もいるでしょう。また、すでに介護が必要になってくる方もいらっしゃれば、まだまだ走ったり、スポーツをしている方もいらしゃいます。
これは犬も同じです。
10歳になっても、今までと全く変わりなく走り回っている犬もいれば、足腰が弱ってきている犬もいます。犬の年齢にこだわらずに、犬の状態にあった対応をしていく必要があるのは全く人間と同じです。
10歳を過ぎた犬でも元気に走り回っていれば、老犬扱いする必要はありません。それは15歳でも同じです。
ただし、飼い主さんは愛犬がその年齢になって来たときは、今まで以上に犬の状態に注意を払う、よく観察することが必要でしょう。
たとえ元気でも、確実に犬の体の老化は進んでいるはずですから。犬の年齢の進み方は人間の5倍です。成長も早い犬ですが、老化の進行も早い場合があります。犬の歩き方、食欲、呼んだ時の反応など、少しでも老化の兆しを感じるようになったら、特に注意して早めに対応できるようにしてあげましょう。
人間も犬も、ある程度の年齢以上になると、普段は元気でも、何かあったときのダメージが出やすい、大きくなりやすい、ということはあると思います。
元気でも、最初に書いた、老犬と言われる年齢を過ぎてきたら、少し心身の動きや、食事などにも注意をするようにしていったほうが良いと思います。
ただ、足腰が弱くなってきたから散歩を少なくする、というのではなく、むしろ意識して無理のない範囲で散歩して足腰を鍛える、というようにできなくなってきたことを年だからとあきらめずに、出来なくなってきたことをもう一度出来るようにさせてあげようという前向きな気持ちを飼い主さんには持ってほしいと思います。
ほかのページでも書いていますが、犬は人間の、特に飼い主さんの気持ちを鋭く察してしまいます。飼い主さんがあきらめれば、犬もあきらめてどんどん老化は進んでしまいます。
でも、飼い主さんが前向きであれば、犬も前向きになり老化の進行を遅くすることが出来るはずです。
子犬の時から将来のために
迎えたときは、小さな子犬でも、犬はどんどん成長していきます。
小型犬であれば、迎えてから1年で、成犬となります。そして、10年近くなればもう老犬と言われるようになってきます。
犬も今は20年ぐらい生きてくれる子もいます。それでも人間に比べれば、はるかに短い生涯です。
子犬の時に、その犬が年老いたときのために、といってもなかなか実感がわかないかもしれませんが、室内でのトイレの習慣、どこを触られても抵抗ないようにさせる、また洋服も抵抗なく着られるようにしておくなど、子犬の時からの飼い方・しつけ方で、その犬が老犬になったときに、どのよう過ごすことができるかが、大きく変わってくることもあります。
生後2ヶ月で迎えた子犬も、ほとんどの場合、数年後には、実質的な飼い主さんの年齢を超えてしまうことがほとんどです。
子犬の時期はあっという間に過ぎてしまいますが、老犬と言われる年齢になってからはまだまだ犬は頑張れます。
その時に、少しでも犬とそして飼い主さんが楽に過ごせるようにするためにどうすればいいのか、これも考えてみてほしいと思います。
成犬になってからでも、しつけトレーニングはできます。
でも、子犬の時にしっかりとしつけトレーニングを行なっていれば、その後の犬との長い生活が、より快適に、楽しくなるのは、間違いないと思います。
犬を全く自由に育てて、犬がやりたい放題に育てるのが良いのか、それとも子犬の時にしっかりとした飼育環境で基本的なしつけを行い、その後は問題行動を起こさないような犬として誰からも、いつまでも愛される犬にするかは、飼い主さんの考え方と行動次第です。
もちろん私たちは、全ての、犬を迎えたご家族に、後者であってほしいのです。
それが愛犬のために飼い主となる人間が出来ること、やるべきこと、ではないかと思います。
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