ペットに対する社会の変化

先日、回覧板で写真のような回覧がありました。

「日ごろから備えよう!ペットの防災対策」とのタイトルで災害の時にペットのことであわてないような準備をしておこう、という内容です。

ペットに対する社会的な意識もだいぶ強くなってきているんだな、と感じました。

こんなペットに対する啓発的な案内が回覧板で回ってくるようになってきたのは、とても良いことだと思います。

そして、この内容は実際に愛犬を災害時に守るためにも、とても重要なことが書かれています。

その内容は、まさにこのペット・トライアングルのサイトでも推奨していることです。

  • 基本的なしつけをしっかりとすること。
  • ケージの中で問題なく過ごせるようにさせること。
  • トイレは決まったところでさせること。

これらのしつけは、決して難しいことではありません。

でも、これをきちんと犬に教えている飼い主さんは実際にどのくらいいらっしゃるでしょうか。

犬は教えられれば、きちんと覚えます。

でも飼い主さんが教えなければ、犬は自分勝手な行動を取るようになるだけです。

そうなると、災害の時に、犬にとってはとても困ることになってしまうのです。

災害時にいかに愛犬を守るか、そして守れるのは飼い主となる人間です。

今からでも決して遅くないので、もし上の3つのことをしっかりと教えられていない飼い主さんは、愛犬のために今から頑張ってみてはどうでしょうか。

では、災害と犬について、もう少し考えてみたいと思います。

災害時に愛犬をどうする?

私たちの住んでいる日本は、現在、世界有数の先進国と言われる国の一つとなり、常に最先端の科学技術を競う国である、と言っても間違いではないでしょう。

しかしまた、先進国と言われる国の中では、自然災害の危険性でもトップを争う国ではないでしょうか。

古くは関東大震災、1995年の阪神淡路大震災、そしてまだ記憶に新しい2011年の3.11東日本大震災+大津波、そして2016年の熊本大地震など、日本は地震大国でもあります。そして今後、東京近郊、南海トラフなど、大規模な地震はいつ起きても不思議ではないと言われています。

さらには御嶽山、口永良部島、箱根、浅間山、そして阿蘇山などの火山活動も活発な火山大国でもあるのです。

それだけではありません。最近は異常気象と言われるような記録的な豪雨や突風による大災害も多く発生しています。

多くの犠牲者を出した土砂災害、河川の堤防が決壊しての大水害、そして各地での突風、竜巻被害などなど、自然災害は時期や場所を問わず発生しています。

でも、ほとんどの人は実際に自分がその災害に遭遇するなんて思ってない、というか可能性はあると思っても、現実的に考えられていないのが実情なのではないでしょうか。

かくいう僕も、そうかもしれません。でも現実は、日本のどこにいても、いつ大きな自然災害に巻き込まれるかわからない、と言って間違いないでしょう。

こういった災害時、何といっても最優先は人命です。人の命を守ることが、無条件に最優先であることは当然です。

でも、ペットを飼っている方にとっては、家族同様のペットの命も大事です。

東日本大震災後も、これは自然災害というよりも、自然災害をきっかけとした人災と言える原発の放射能汚染問題などで、残されたペットが話題になりました。

また2015年の茨城県常総市では鬼怒川の堤防決壊により湖のようになった町の屋根から、犬とともに屋根に避難していた方が、犬と一緒に自衛隊のヘリコプターで救出されていました。

家族同様のペット、また普段から可愛がっているペット、それがたとえ金魚でも亀でも、助けられるものなら絶対に助けたいと思うのは、飼い主であれば当然です。

ましてそれが、家族同様に暮らしている犬や猫であれば、よりその気持ちも強くなるでしょう。

災害に遭遇することはめったにないのかもしれません。でも繰り返しますが、今の日本、いつどこで災害に会っても不思議ではないのも事実なのです。

災害に巻き込まれ、その時になって愛犬を守ろうとしても、守れる確率は極めて低くなってしまうでしょう。

でも日ごろから、愛犬に対しての基本的なしつけ、ケージ飼い、トイレのしつけをしておけば、愛犬を守れる確率は格段に上がります。

災害時は人命最優先、それを踏まえて

実際に日本でペットを飼っている家庭の比率は30%程度と言われています。

多くなったとはいえ、ペットとは縁のない人が3分の2以上を占めています。

さらに、ペットを飼っている方の中でも、ペットに対してそこまで思い入れの強くない方もいるでしょう。

そうなると、飼い主にとってはかけがえのない愛犬も、世間一般の大多数の人から見れば、ただの犬、単なる動物と見られてしまう可能性が高い、という現実も知っておく必要があると思います。

もちろん冒頭に書いたように、以前に比べれば、犬や猫などに対する見方はだいぶ変わってきて、動物愛護の考え方もより広く深く社会に浸透してきているとは思います。

また、犬を飼う人も以前のような番犬としてではなく、一緒に暮らす家族の一員として飼う方がほとんどになってきていると思います。

そういったことから、災害時に犬や猫などのペットを救済する団体、ボランティアの人たちがたくさんのペットたちを救ってあげてくれるようにもなってきました。

それでも、まだまだそうでない部分があるのは現実です。

ましてや災害時ともなれば、人命が最優先されるのは当然であり、また避難所などでも、まずは被害にあわれた人たち、避難所での寝泊りを余儀なくされる方たちの安全、快適性が最優先されるのが当然です。

そこで、そういったことも含めて、ペットの中でもここでは犬に絞って、災害の時どうするか、またそういった災害もあることを考えて、普段からどのように犬の飼育管理、しつけを行っておくべきかを考えてみたいと思います。

ただし、人間の生活もそうですが、これをしておけば災害にあっても万全、という対策はありません。ましてや、ペットに対しては、より不確定要素が多くなります。こうしておけばよい、ということをしても結果的に逆効果だったりすることもあるでしょう。災害の状況によっても対処は変わります。最後は、飼い主さんがどのように考え、判断するか、ということになります。

災害時に確実に犬を助けられる方法はありません

まず始めに断っておきますが、この飼い方・しつけ方をしていれば、災害時でも万全、災害時にこうすれば犬を確実に助けられるという方法はありません。

どんなにしっかりとしつけられた犬でも、災害に巻き込まれれば、その命は保証されません。

人間が、どんなに災害時の対策を考え、実行しても、必ず被害が出てしまうように、ましてやペットとしての犬は、人間以上に災害時に犠牲になってしまう確率は高いでしょう。

災害の種類、非難の方法など、状況によって結果的に、こうしておけばよかった、ということが多いかもしれません。

こうするのが良いだろうと思ってしたことが、逆の結果を招くこともあるかもしれません。

犬を一緒に避難させられないこともあるでしょう。

そんな時に犬を放してあげておけばよかった、と後悔することもあるかもしれません。

でも逆に、放してしまったために犠牲になってしまった、ということもあるでしょう。

これは、どうすればよいのか、その場で判断できることではありません。

それでも、その場で飼い主さんが少しでも犬のため、と思ってした行動ですから、それは、仕方のないことだと思います。

ただ、こういうしつけをしておいた方が、いざという時に愛犬を守れる確率が高くなるということはあると思います。

基本的なしつけが出来ていなくても、まずは大事なことがあります。そこについて書いてみたいと思います。

攻撃性のない犬に育てる

まず第一には、攻撃性のない、つまり人や他の犬に対して噛んだりすることのない犬に育てること、これがとても大切です。

人に対して攻撃性のある、具体的には噛んだりするような犬の場合、レスキューの人が助けようとしても確保できないかもしれません。

2015年の鬼怒川堤防決壊時の時のように、屋根に取り残された場合、攻撃性のある犬であれば、救助がとても困難になってしまいます。

もし犬を確保できて避難所に犬を連れていかれたとしても、攻撃性のある犬だと周囲の人に迷惑をかけることになりかねません。

また、避難所には連れていかれずに、ペットレスキューのようなボランティア団体に預ける場合も、攻撃性を持った犬は、扱いがとても大変になります。

どんなケースであっても、攻撃性のある犬の場合、噛み癖のある犬の場合、その扱いはとても難しくなるでしょう。

噛む犬というと柴犬などの日本犬や、コーギー、またジャックラッセルテリアなどが犬種として思い浮かびやすいと思います。

もちろん、これらの犬種はより注意が必要ですが、実際に噛み癖でお困りの犬は、トイプードルやチワワ、ダックスフンドなど、愛玩犬で人気があり、飼われている数の多い犬種が、数としてはけっこう多いのです。

大型犬はもちろんですが、小さな愛玩犬でも、こういった観点からもしっかりと人間に対する服従性を高めるような飼い方・しつけ方が重要だと考えます。

攻撃性のある犬については、遺伝的な要素もあるので、どんなブリーダーがどのような考え方で交配する犬を選び繁殖したのか、また生まれた子犬をどのように扱ってきたかも重要なポイントとなります。

また、生まれつきの気性に問題なくても、飼い方・しつけ方によっては後天的に攻撃性を持つ犬にしてしまう場合もあります。

逆に先天的な気性の問題があっても、適切な飼い方・しつけ方で、それを修復出来る場合もあります。

普通の生活でもそうですが、特に災害時などでは、犬に攻撃性が全くないということが、愛犬守るためにもとても重要になるでしょう。

基本的なしつけが確実に出来るように育てる

基本的なしつけとは、オスワリ、マテ、オイデ、ハウスです。

「そのくらいのことなら、うちの犬も出来る」とおっしゃる方も多いかもしれません。

でも、いつでも、どこでも、確実に、即座に出来ますか?

食事の時にオスワリやマテができるだけでは全く不十分です。

フードのあるなしにかかわらず、家の中でも、外でも、公園でも、他の犬がいても、いつでも、どこでも、確実に、そして指示を出したら即座に犬が反応するようにすることが重要です。

オスワリと指示したら座る、マテと指示したら、次の指示が出るまで動かない、オイデと指示したら、即座に近寄ってくる、ハウスと指示したらすぐにケージに入る、これだけでも、いつでも、どこでも、確実に、即座に出来れば、日常生活でも犬で苦労することはほとんどないと思いますが、ましてや災害時などにはより愛犬を守るために重要なポイントになるでしょう。

特に、災害時の場合は、ケージに抵抗なく入ることが出来て、そこで問題なく過ごすことが出来る、これがとても有効です。

ケージに入っておとなしく出来れば、避難所でも、近くにおいておけるケースが多くなるでしょうし、またボランティアなどに預けられる場合も、世話をする人たちはとても助かるでしょう。

これは普段の飼い方・しつけ方に大きく影響される要素です。

ハウスを与えられずに、家の中を自由にしていたり、ましてや庭を自由にしていた犬は、ケージに入れられること自体にストレスを感じて、吠えるなど、周りの人たちの迷惑になりかねません。

ケージの中で過ごすことが普通になっていれば、災害時にケージに入れられても犬はストレスがかかりにくく、ゆっくりと安心して休めるスペースが確保できるのです。

災害時には、たとえ普段のハウスではなくても、ケージの中で抵抗なく過ごせるようにあることが、犬のためにとても重要になるでしょう。

家以外の場所での寝泊りにも慣れておく

災害時の避難所生活などでは、普段の慣れた家とは違ったところで犬も生活せざるを得ないことになるでしょう。

また、普段世話をしている家族以外の人が、世話をせざるを得ない場合もあるでしょう。

そういったことにも対応できるように、犬を育てることも特に災害時には有効でしょう。

具体的には、単純なことで、旅行などに行く場合は、犬をペットホテルに預けるということです。

ペットホテルに預けることによって、家族以外の人に世話をしてもらうこと、そして家とは違った環境で寝泊りすることになります。

普段の生活の中で、ペットホテルに預けるという状況は年に何回もないかもしれません。

でも、機会があれば、また機会を作って、犬をペットホテルに預けて、家以外の環境や人での寝泊りに慣れておくと、万が一の災害時でも、犬がストレスを感じにくくなります。

これは、災害時ではなくても、例えば、病気やケガで動物病院に入院する、というような時にも、犬のストレスを軽減することになるでしょう。

ペットホテルではなくても、普段の家とは違う環境や家族以外の人に世話をしてもらうことへの抵抗感をなくすような機会があれば、積極的に利用されると良いのではないでしょうか。

また、こういった場合、ほとんどの場合、犬はケージの中での寝泊りになるでしょう。

従って、普段からハウスでの寝泊りが犬のとっての当たり前となるような飼い方・しつけ方がやはり重要になるのです。

確実に犬を助ける方法はないけれど

攻撃性のない、基本的なしつけが確実にできている、そして、自分の家以外の環境での寝泊り、家族以外の人から世話をされることに慣れていれば、災害時でも絶対に大丈夫か、といえば、それは違います。

どんなに判断力があっても、行動力があっても、人間でも、災害時には被害にあってしまいます。ましてや犬は、より不利な立場にあります。

ある意味では、運を天に任せるといったところもあるのは否めません。

しかし、少なくとも、

  • 噛むなどの攻撃性がない。
  • 基本的なしつけが、いつでも、どこでも、確実に、即座にできる。
  • 自宅以外の環境や家族以外のひとでも、寝泊りが出来、世話を受けらえる。

という犬に育てることによって、災害時に愛犬を守れる確率は各段に高くなるでしょう。

大規模な災害に会うということを、現実問題として意識することは、なかなか実感が持ちにくいのは事実だと思います。

しかし、実際に会われている方が、たくさんいらっしゃり、犠牲になった方も数多くいるのも事実です。

山であれ、海であり、都会であれ、田園地帯であれ、どこにいても、誰でも、災害に遭遇する可能性はあります。

そして、近い未来に確実に来ることも確かです。

実際に災害が起きた時に、人間の命は最優先なのは当然ですが、一緒に暮らす愛犬を守れるように飼い主である人間が普段から考えて行動することも大事ではないでしょうか。

愛するペット、愛犬がどんな時でも助かる可能性の高くなるような飼い方・しつけ方を今からでも見直して頂ければと思います。

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