犬に体罰は絶対NGなのは当たり前!でも・・・

犬への体罰はすべきではない、それはその通りです

少し前に「噛み癖のついた犬を治すには」 という記事を投稿しました。

その中で、NHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀 “ワンちゃんスペシャル” 」の中で紹介されていた、本格的な噛み癖がついて犬を矯正する中村訓練士についてについても書きました。

その訓練方法に対しての異論だと思われる記事が目に留まりました。

僕はこの記事が主張する内容は全くその通りだと思うし、間違ってないと思います。でも、この中村訓練士に対する異論のようなところには、少し違和感を感じました。それは後述します。

記事を要約すると次のような内容です。

  • 犬の問題行動を体罰で対処することに行動学関係の獣医師の多くが疑問を感じ、体罰は犬と飼い主の関係を崩壊させる。
  • 犬の問題行動は、身体の病気と同じように「予防と早期治療」で解決すべき。
  • 予防できなかった場合は重症化する前に専門家に相談すべき。
  • 犬の問題行動の対処は、犬を変えること以上に飼い主の犬への接し方や飼育方法を変えることが必要。

犬の問題行動を体罰で直そうとするのはやってはいけない、全くその通りだと思います。ほとんどの犬に対しては。

犬に問題行動を起こさせない、つまり問題行動の「予防」のために適切な飼い方・しつけ方が重要なのも確かです。だから、このサイトでも少しでも多くの飼い主さんがそのことについてもっと考えてほしいと思い、そのアドバイスになるようなことを書いています。

噛み癖も、重症化する前であれば、確かに普通のトレーニングで治すことは出来ます。だから、無料でのしつけ相談もして家庭犬としての基本のしつけトレーニングをしています。

犬の問題行動の対処は、犬だけでなく、飼い主さんの考え方、そして飼い方・しつけ方が大きく影響します。だから、このサイドでも犬のしつけ方だけでなく、飼い主さんの犬を飼う心構えや飼い方をいたるところで書いています。

つまりこの記事の内容のほとんどは、ペット・トライアングルが主張する内容と同じであり、間違ったことを言っているとは思いません。

おそらく、NHKで紹介された中村訓練士もそんなことは百も承知だと思います。

が、しかし、です。

世の中には手遅れになった犬もいるのです。

でも、本格的に噛み癖がついてしまった犬は実際に存在します。これらの犬も、もし飼い主さんが適切な飼い方・しつけ方をしていれば、またもっと早く相談していれば、「体罰を受けるような対処」を受けずに済んだでしょう。

でも、だからと言って飼い主さんに悪気があったわけでもないでしょう。決してこんな犬にしたかったわけではないはずです。でも、一般的に真剣に犬のしつけに取り組んでいる、あるいは本当に適切な飼い方・しつけ方をしている飼い主さんは、感触としてはごく一部であるような感触もあります。

それでも犬の性格に大きな問題がなければ、なんとかなってしまっているのが現状ではないでしょうか。

ところが、稀に犬自体の性格に大きな問題がある場合もあります。これは、交配する犬の性格が気質が荒いなどの遺伝的な要因や生まれた子犬の育て方の問題=ブリーダーの問題、
が大きな要因になっていると推測します。

そんな犬の場合、適当な飼い方で、しつけもしなければ、極度に噛み癖の強い犬になってしまうことがあるのです。

深刻な噛み癖の付いた犬は普通の対処では治せない

このような深刻な噛み癖のついた犬には、まず普通のしつけトレーニングは出来ません。

しつけトレーニングの前に、まずは噛まなくさせる、犬に普通に触れるようになることが必要です。そして、それにはとんでもない労力と時間が必要なのです。

僕にはそんなことは出来ないし、普通のドッグトレーナーにはできないでしょう。その犬専門に数か月以上の年月をかけてじっくりと取り組まない限りは。

でもそれをやっているのが、NHKで紹介された中村訓練士なのです。

確かに、僕も犬に対する体罰をしているところを見て、こんなことしていいのか、と思いました。

でも、そんな中村訓練士でも少し改善の兆候が見られるようになるのが数か月以上かかる場合もあるようで、つまりそんなことまでしないと、こういった深刻な犬の噛み癖は治せないんだ、ということだと実感しました。

普通の犬は体罰なんて使わなくても、それなりに問題行動の対処は出来ると思います。でも、犬の対処は出来ても、それ以上に難しいのが、飼い主さんにその方法を伝えること、実行してもらうなのです。

ほとんどの犬は、しつけるのは簡単です。でも、それを飼い主さんに維持してもらえるような飼い方・しつけ方をしてもらうのが、とても大変だということがドッグトレーナーになって最も実感したことです。

中村訓練士が扱っているような犬はごく一部の極度に深刻な問題行動のある犬で、それに対する方法は普通の方法では対処できないのです。それでも、長い時間をかけてそんな犬をご家族のもとに戻せるようにしているのが中村訓練士です。そういう意味で、僕は中村訓練士の犬に対する対処方法を否定しません。

生涯噛み犬で終わるのか、叩かれて矯正されて可愛がられるのか

もし、愛犬に本格的で深刻な噛み癖がついてしまったらどうするでしょうか。

「予防」のための適切な飼い方・しつけ方で防げたかもしれない、またもっと早く「早期治療」となる対策を専門家に相談して対処していれば防げたかもしれない、と後悔しても後の祭りです。

その深刻度によっては、保健所に引き取ってもらう、または安楽死させる、という選択肢さえ検討の対象になってしまうかもしれません。

そんな中で、中村訓練士のところへ預けて、噛み癖を矯正して普通に飼える犬にしてもらう、という選択をした飼い主さんがいるということです。たとえ叩かれて矯正されたとしても、結果としてその犬たちは家族のもとへ普通に可愛がられる犬として戻れるならば、その方が犬にとっても飼い主さんにとっても幸せなことではないでしょうか。

このような場合に関しては、体罰という対処方法が決して犬と飼い主の関係を崩壊させるのではなく、逆に崩壊していた犬と飼い主との関係を修復しているのではないか、と僕は思います。

基本は、犬に対して叩くなどの体罰を行うのは絶対にダメです。でも、ごく一部のケースではそれが犬と飼い主さんの幸せになることもあるんだ、ということをNHKのこの番組から、僕は教えられたように感じています。ただし、自分では絶対にできないし、やろうと思わないけど。

人間の子供の教育に対しても、体罰の問題が議論になっているくらいですから、犬に関しても、いろいろな意見があるでしょう。

でも最も大切なのは、結果として、犬が幸せになれるようにさせられるか、ということではないでしょうか。

こうあるべき、こうするべきではない、という正論は確かにあると思います。

でも、世の中すべて正論の通りにすれば、物事が解決する、というわけではないように思います。大事なのは、結果がいいか悪いか、だと思っています。

そういう意味で、僕は中村訓練士のやり方を積極的に肯定はしませんが、決して否定もしません。

と言って、僕は犬のトレーニングで犬を叩くようなことは絶対にしませんけどね。そうせざるを得ないような犬は、僕の力では扱いませんから。力不足で申し訳ないです。

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