犬にかかわる日本のことわざ・慣用句を調べてみました。
ことわざにはよく動物が出てきますよね。
そしてけっこう犬にかかわることわざや慣用句も見たり聞いたりします。
ということで、犬にかかわることわざや慣用句を調べてみました。
けっこう知らないものもあり、勉強になったのです。
とりあえず、今回調べたものをリストアップしてみました。
もっと調べればありそうですが、これだけでも勉強になりました。
良く知っていた「犬も歩けば棒に当たる」ということわざも、2つの意味があったとは知らなかった。
ご興味があれば、参考にしてみてください。簡単にしか、説明していませんが。
- 一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ【故】
- 犬が西向きゃ尾は東【故】
- 犬の遠吠え【慣】
- 犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ【故】
- 犬骨折って鷹の餌食【故】
- 犬も歩けば棒に当たる【故】
- 犬も食わない【慣】
- 夫婦喧嘩は犬も食わぬ【故】
- 犬も朋輩鷹も朋輩【故】
- 尾を振る犬は叩かれず【故】
- 飼い犬に手を嚙まれる【故】
- 垣堅くして犬入らず【故】
- 犬猿の仲【慣】
- 犬馬の心【故】
- 犬馬の労【故】
- 蜀犬日に吠ゆ【故】
- 煩悩の犬は追えども去らず【故】
ではそれぞれどんな意味なのかご紹介していきたいと思います。
一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ
いっけんかげにほゆればひゃっけんこえにほゆ
1頭の犬が何かの影を見て吠えると、その声を聞いたそのあたりにいる他のたくさんの犬も、その声につられて吠え始める、ということ。
確かに、ペットホテルやトリミングの犬たちも1頭が吠えると奥にいる犬たちが吠えたりすることがあります。
要するに誰か一人がいいかげん、適当に言ったことが、それを聞いた人たちがその真偽も確かめずに、それをまたいろいろな人に言いふらすこと、である。
要するに近教の内容なうわさ話があっという間に広がってしまうということですね。
類似のことわざ
- 一犬影に吠ゆれば万犬声に吠ゆ
- 一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う
- 一人虚を伝うれば万人実を伝う
- 一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う
- 一犬実を吠ゆれば万犬虚を吠ゆる
- 一鶏鳴けば万鶏歌う
- 一犬誤って百犬吠える
犬が西向きゃ尾は東
いぬがにしむきゃおはひがし
犬が意志をむけば頭が西側なので尻尾は東側になる、ということ。
要するに、当たり前のこと、当然のこと、ということのたとえですね。
類似のことわざ
- 兄貴俺より年ゃ上だ
- 何処の鳥も黒い
- 親父は俺より年が上
- 犬が東向けば尾が西向く
- 雨の降る日は天気が悪い
- 犬の子は犬
犬の遠吠え
いぬのとおぼえ
臆病な犬、弱い犬が、相手から遠いところで虚勢を張って吠える、ということ。
臆病者が、本人のいないような陰で威張言いたいことを言っている、ということです。
類似のことわざ
- 能無しの口叩き
犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
いぬはみっかかえばさんねんおんをわすれぬ
犬はたった3日でも餌をくれたりして面倒を見てくれた人は、そのことを3年は忘れない、ということ。
犬でさえそうなのだから、人間は誰かに恩を受けたことを決して忘れてはいけない、という戒めです。
類似のことわざ
- 犬はその主を知る
- 犬は三日の恩を三年忘れず
- 猫は三年の恩を三日で忘れる
- 犬も三日飼えばその主を忘れぬ
- 飼い飼う犬も主を知る
犬骨折って鷹の餌食
いぬほねおってたかのえじき
犬が苦労しながら一生懸命に追い出した獲物を上空にいる鷹に横取りされてしまった、ということ。
最初に見た時は、犬が骨を折ってしまったために鷹の餌食になってしまったということかと思ったら、それは違っていました。
骨折ってとは、苦労して、という意味のようです。
要するに、苦労して手に入れたものを他の人に奪われてしまい、その苦労が無駄になってしまうことです。
類似のことわざ
- 大骨折って鷹に取られた
- 犬が追出した鶉を鷹が捕る
- 鳶に油揚げをさらわれる
犬も歩けば棒に当たる
いぬもあるけばぼうにあたる
犬もうろうろと歩いていると棒に当たったり、誰かに棒で撃たれるような目にあうことがある、ということ。
これには2つの意味があるようです。
- 何かをしようとすれば思ってもいなかったような災難に会うことがある。
- 何か行動を起こせば思いもよらない幸運に巡り合うこともある。
犬と言えばこのことわざ、だと思いますが、僕は1の意味しか知りませんでした。今回調べてみて、初めて2の幸運に出会うこともある、という意味を知りました。
要するに、何もしなければ何も起こらない、何か行動すれば大変なこともあるけど、嬉しい結果になることもあるよ、ということでしょうか。
類似のことわざ
- 歩く足には泥がつく歩く
- 足には棒あたる
犬も食わない
いぬもくわない
何でも食べてしまうような犬でさえ食べないもの、ということ。
誰からも相手にされない、みんなから嫌われている、ということ。
夫婦喧嘩は犬も食わぬ
ふうふげんかはいぬもくわぬ
夫婦喧嘩は何でも食べる犬でも知らんぷりしている、ということ。
夫婦喧嘩なんてちょっとした些細なことが原因ですぐに仲直りするから、他人が口出しして仲裁したり心配する必要はない、放っておけ、ということ。
類似のことわざ
- 痴話喧嘩は犬も食わぬ
- 夫婦喧嘩と夏の餅は犬も食わぬ
- 夫婦喧嘩と夏の蕎麦は犬も食わない
犬も朋輩鷹も朋輩
いぬもほうばいたかもほうばい
鷹狩の時に犬も鷹も、同じ主人に仕えている者同士だ、ということ。
役割や身分、肩書が違っても、同じ職場、会社で働く同僚ならば、仲良く、助け合っていかなければいけない、ということ。
尾を振る犬は叩かれず
おをふるいぬはたたかれず
悪戯をしたような犬でも尻尾を振って近づいてくれば可愛いので叱ったりでいない、ということ。
従順な人、人柄のいい人に酷いことをする人はいない、誰からも親しまれる、ということ。
類似のことわざ
- 袖の下に回る子は可愛い
- 怒れる拳笑顔に当たらず
- 尾を振る犬は打つ手なし
- 窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
- 杖の下に回る犬は打たれぬ
- 杖の下から回す子は可愛い
- 逐って来る犬は打てぬ
- 飛ぶ鳥懐に入る時は狩人も助く
飼い犬に手を嚙まれる
かいいぬにてをかまれる
いつも世話をして可愛がっている犬に噛まれてしまう、ということ。
日ごろから目をかけて面倒を見てあげていた人に裏切られたり、ひどい仕打ちを受けたりすること。
類似のことわざ
- 後足で砂をかける
- 恩を仇で返す
- 陰に居て枝を折る
- 片屋貸して母屋取られる
- 獅子身中の虫
- 借家栄えて母屋倒れる
- 鉈を貸して山を伐られる
- 軒を貸して母屋を取られる
- 庇を貸して母屋を取られる
- 恩を知る者は少なく恩をきる者は多し
- 手飼いの犬に噛まれる
垣堅くして犬入らず
かきかたくしていぬいらず
垣根を堅牢にしておけば犬も入ってこない、ということ。
家庭内を健全にしておけば、外部からそれを乱すような者は入ってこない、ということ。
要するに、家庭内は常に健全にしておきなさい、ということでしょうか。
犬猿の仲
けんえんのなか
犬と猿は仲がとても悪い、ということ。
要するに、極めた仲の悪い関係にある、ということ。
でも、実際には仲良しの犬と猿もいますけどね。
類似のことわざ
- 犬と猿
- 犬と猫
- 犬猿もただならず
- 水と油
- 嫁と姑
- 氷炭相容れず
犬馬の心
けんばのこころ
犬や馬のように、主人となる人、目上の人に尽くす心、忠誠心のこと。
犬馬の労
けんばのろう
犬や馬のように、主人となる人、または他人に対して一生懸命力を尽くすこと。他人に対して自分の苦労をへりくだって言う言葉である。
類似のことわざ
- 汗馬の労
- 犬馬の労をとる
蜀犬日に吠ゆ
しょっけんひにほゆる
蜀というところは山地で雨が多く、ほとんど日の指さないところなので、たまに太陽が出て日が射すと犬が怪しんで吠える、ということ。
識見の狭い人が、賢人の言行に疑いをもつたとえとして使われる。つまり無知のために、あたりまえのことでも怪しいと思い、疑うことのたとえである。
煩悩の犬は追えども去らず
ぼんのうのいぬはおえどもさらず
犬が人にまといついて離れないように、煩悩、欲望が人から離れない、なくならない、というたとえである。
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