50年ぶりの新設、岡山理科大学獣医学部
いまだにテレビで毎日のように報道されている「加計(かけ)問題」ですが、すでに2018年4月には学校法人加計学園の岡山理科大学獣医学部として愛媛県今治市に開校しています。
この問題では長きにわたって新設されていない獣医科大学がなぜ今新設されるのか、という根本的な議論というよりも、新設に際しての経緯(首相がかかわっているのか)、という点に焦点が集まっているようです。
実際にその点がどうなのかは、はっきりしていませんが、現実として獣医科大学の新設が50年以上も規制されてきたのは確かなようです。
そして、2018年4月にその規制を破るかのように新たに岡山理科大学に獣医学部が新設されたのもすでに事実となっています。
すでに入学して獣医学の勉強を始めている学生がいるということで、既成事実とは言え、学生たちに何の責任があるわけもなく、むしろ既成の獣医師とは違う、新設された獣医学部の価値があると感じさせてくれるような将来を期待したいと思います。
ちなみに、岡山理科大学獣医学部は日本で17校目の獣医科大学となります。
既存の16校を含めた現時点での獣医科系の大学は下記の通りです。
既存の獣医科大学
- 国立 帯広畜産大学 北海道:単年度定員40名
- 国立 北海道大学 北海道:単年度定員40名
- 国立 岩手大学 東北:単年度定員30名
- 国立 東京大学 関東:同30名
- 国立 東京農工大学 関東:単年度定員35名
- 国立 岐阜大学 中部:単年度定員30名
- 国立 鳥取大学 中国:単年度定員35名
- 国立 山口大学 中国:単年度定員30名
- 国立 鹿児島大学 九州:単年度定員30名
- 国立 宮崎大学 九州:同30名
- 公立 大阪府立大学 近畿:単年度定員40名
- 私立 酪農学園大学 北海道:単年度定員120名
- 私立 北里大学 東北:単年度定員120名
- 私立 麻布大学 関東:単年度定員120名
- 私立 日本大学 関東:単年度定員120名
- 私立 日本獣医生命科学大学 関東:単年度定員80名
- 私立 岡山理科大学 四国:単年度定員140名
今までは北海道から九州までの中で、四国だけがありませんでしたが岡山理科大学獣医学部の新設で四国にも獣医科大学ができたことになります。ただし、それがいいのかどうかは別の問題ですが。
なぜ今まで獣医科大学は新設されなかったのか?
ではなんで今まで、実際には今でも、獣医科大学の新設が規制されてきたのでしょうか。
調べた限りでは、要は次の一点がその理由です。
獣医師の数は不足していない
これは日本獣医師会が強く主張している理由であり、文科省や農水省もこれに同調している、ということのようです。
つまり、この50年のあいだ、そしてこれからも現在の獣医師の数で獣医師は不足していない、これ以上獣医師を増やす必要はない、ということです。
単純明快で分かりやすい、と言えるのか、でも本当にそうなのか、それでいいのか、という議論もあるように思います。
今まで獣医科系の学部がある大学は16校、合計の定員は930名でした。
この数字が過去、現在、そして将来も最も適した人数だという考え方でしょうか。
しかし、岡山大学の獣医学部新設で定員は140名増えて1070名となります。つまり15%増という比率としては決して小さい数字ではないように思われます。
だから協力に反対していたと考えれば筋が通りますが・・・。
この理由が適正なのかどうかはわかりませんが、悪く見れば既存の獣医師会が既得権益を守るためではないか、という見方があることも事実でしょう。
どこの大学も獣医科系の学部は難関で倍率も高く、定員割れになることはないようなので、獣医師の数が上の定員に対して不足する、ということもないでしょうからね。
しかし、よく調べてみるとこの規制にも問題点はあるようです。
獣医学部の実際の入学者数は大幅に多い?
実際の獣医師資格受験者数はここ10年ほどはだいたい1200~1300人ぐらいとのことで合格率は約80%ぐらいです。
つまり合格者は1000人前後となり、いわゆる浪人を考えても、新卒での受験者は930人よりかなり多いと推定されます。
これは、特に私立大学では、実際の定員以上に合格者を出し、実際に入学している人数も定員よりも多い人数が入学しているということが理由のようです。
そのため、こういった定員よりも入学者が多い大学では、適切に授業や実習が出来ていない学生もいるのではないかという声も聞かれるようです。
もともと、日本の獣医科系の大学は、海外に比べて学生に対する教員の比率が低いようでそこも問題視されているようです。
しかし、経営的な面から教員数を増やすには学生数も増やす必要があり、しかし、学生数は規制によって増やせない、という問題(?)もあるようです。
が、本来は現在の学生数に対して教員を増やすべきということが一部では言われています。
そんなことから私立大学でも、実際の入学者数を定員数に近づけるようにしようという動きもあるようです。
しかし、そうなると実質的な獣医師資格受験者数も減ることになり、合格率が変わらないとすれば、獣医師の数は減っていくことになります。
そういう意味では、岡山理科大学の獣医学部新設によって、その不足分を賄える、という考え方もあるのでしょうか。
獣医師の需給バランスは本当に取れているのか?
さて、「獣医師の数は不足していない」というのが獣医科大学の新設を規制している理由ですが、実際のところ、獣医師の需給バランスはとれているのでしょうか。
これについては必ずしも全面的に取れているとは言えないようです。
まず、地方によってのバラツキがあります。
四国で獣医科大学を新設しようというのも、それが一つの理由になっているようです。
もちろん、数少ない獣医科系の大学なので、たとえ地方の大学とはいえ、地元の学生だけではなく全国から学生は集まってくるようですが、それでも一定数の地元の学生がいて、地元で獣医師として働くというデータもあるようです。
もうひとつは、獣医師の分野でのバラツキです。
獣医師の分野では、いわゆるペットとなるような犬や猫といった小動物を扱う小動物臨床、また牛や豚などの家畜などを扱う大動物臨床、そして食品安全や動物福祉の確保、感染症対策などを対象とする公衆衛生の分野があります。
その中で最も人気があるのが犬や猫などの家庭のペットを扱う小動物臨床の分野です。
そういえば、うちの近くにもここ数年で新しい動物病院が数えるられるだけでも5~6件あります。全体の獣医師の数は増えていなくても、このようなペットのための動物病院は増えているというのが実感です。
それに対して、牛や豚などの家畜を扱う獣医師、また公衆衛生の分野の獣医師の数は十分ではないと言われているようです。
つまり、厳密な意味では獣医師は不足していない、とはいえないような地域や分野があるということではないでしょうか。
そしてペットを扱う獣医師については逆に過剰になってきているともいえるように思えます。
ただ、もともとどのくらいが適正なのか、という議論もあると思います。
また、バランスが取れていればいいのか、という議論もあるように思います。
獣医師もある意味では競争が必要なのでは?
実際に僕たちが接する身近な獣医師は、ペットを扱う獣医師です。
でも、その獣医師が全て優秀かと言えば、必ずしもそうではない、というのが現実的な印象です。
だから、動物病院選びはとても慎重にお粉必要があると考えています。
僕たち犬の飼い主にとって、愛犬の命を守ってくれる獣医師は神様のような存在です。本来は。
しかし、その獣医師の判断によっては助かる命も助からない、必要な処置をしてもらえない、逆に不必要な処置をされてしまう、と言ったことにもなりかねません。
また獣医師の全てが犬に対する適切な知識を持っているとも限らないのが現状です。
そして、前述のような入学者数が定員を上回っているような現状からか、ほとんど臨床経験がないような獣医師もいるようです。
そういう意味では、動物病院が増えて、動物病院間で競うようになれば、おのずと獣医師の質も上がってくるのではないでしょうか。
また、実際に獣医科大学でも、前述のような教員の数も含めて、教育の質が問題になっているとも言われています。
そういう意味では、獣医科大学を増やして、大学間の競争をによって各大学の教育の質を上げるということも検討すべきではないかとも思います。
獣医師の数を増やしたくないのであれば、獣医師資格の合格者数を増やさなければいい話ですからね。
でも、そうするとせっかく高い授業料を払って獣医科大学を卒業したのに、獣医になれない、という問題が出るという問題があるようです。
例えば、一時話題になった法科大学院と弁護士のように。
しかし、獣医科大学に入学できるような学生であれば、たとえ獣医師に慣れなくても就職に関しては普通の学部よりも有利な学生も多いのではないでしょうか。
やはり、ある意味での競争が特に日本の獣医師、そして獣医科大学にはあってもいいように思うのですが・・・。
いずれにしても、獣医さんは僕たち犬、そしてペットの飼い主としてはとても頼りにする存在です。
そういったことからも、信頼できる獣医師が増えてくれるような仕組みを作ってほしいと願います。
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