ドゴ・アルヘンティーノ、イギリスでは土佐犬と同様危険犬種に指定されている
ドゴ・アルヘンティーノと聞いても、ピンとくる人は少ないかもしれません。
でも、このサイトを見ている人であれば知っている方も多いかも。
ドゴ・アルヘンティーノというのは、アルゼンチン原産の大型の猟犬の犬種名でJKCにも登録されています。
先日、「土佐犬、とは言え日本犬の純血ではない世界レベルの闘犬の血統」という記事を書いたときに闘犬を禁止している国などを調べている中で、このドゴ・アルヘンティーノという犬種名を久しぶりに見たので、改めて調べてみることにしました。
僕は以前、KCジャパン、正式には日本社会福祉愛犬協会というのですが、そこで犬の展覧会のお手伝いを何度かしたことがありました。
KCジャパンは、JKCと同様犬の血統書を発行する団体ですが、JKCに比べればかなりマイナー感があるのは否めません。僕もそうでしたが、以前KCジャパンの会長さんにブリーダーの紹介、また会長さん自身が繁殖していた犬などの関係で、お世話になり、そご縁でKCジャパンの犬の展覧会のお手伝いをしたのです。KCジャパン自体は、それまでのイメージとは全く違い、当時のその会長さんはとても真剣に犬のことを考えておられたので、イメージは全く変わったのを覚えています。
さて話が少しそれてしまいましたが、そのKCジャパンの犬の展覧会では、いろいろな犬種が参加して順位を競っていたのですが、その中に必ずドゴ・アルヘンティーノがいました。
基本的には飼い主で従順そうで大人しく見える犬でしたが、他の犬が何気なく近づいてしまった時に、ものすごい勢いで吠えかかっていったのがこのドゴ・アルヘンティーノで、ハンドラーが必至で犬を抑えていました。
そういったことから、どちらかというと、怖い犬の部類というイメージがありましたが、展覧会では、けっこう優秀な成績だったように記憶しています。
それ以来、ドゴ・アルヘンティーノという犬を見る機会もなく、犬種名も耳にする機会もなかったのですが前述の通り、土佐犬や闘犬について調べている中で、イギリスで危険犬種として繁殖や販売が禁止されている4犬種の中に、このドゴ・アルヘンティーノという名前があったので久しぶりにこの犬のことを思い出したのです。
ちなみに、イギリスで危険犬種とされている4犬種とは次の犬種です。
- アメリカン・プット・ブル・テリア
- ドゴ・アルヘンティーノ
- ブラジリアン・ガードドッグ
- 土佐犬
そうそうたる闘犬の名前の中にドゴ・アルヘンティーノの名前が連なっているのです。
やはり怖い犬、というのは必ずしも間違いではなさそうですね。
でも、このドゴ・アルヘンティーノは闘犬ではないのです。
ドゴ・アルヘンティーノはイギリスの危険犬種にも指定されている
もともとこのドゴ・アルヘンティーノは闘犬として作ろうとされていたようです。
アントニオ・ノーレス・マルティネスという有名な医者だった方と言われる人が、彼が持っていた数種類の純血種と「コルド バ原産の旧来の闘犬」を交配することにより、作られたのが、このドゴ・アルヘンティーノです。
ドゴ・アルヘンティーノという犬種名は、1928年にこのアントニオ・ノーレス・マルティネス博士によって命名されたそうです。
ちなみに、ドゴ・アルヘンティーノという新犬種の誕生に際して交配に使われた犬種は、マスティフ、ブルドッグ、ブル・テリアなどの闘犬種、また毛色を白くするためにグレートピレニーズも使われたと言われています。
グレートピレニーズは別にして、それ以外の闘犬種は日本を代表する闘犬種であり、イギリスの危険4犬種にも指定されている土佐犬を作るために使われた闘犬種と同じような犬種の血が、ドゴ・アルヘンティーノにも入っている、ということです。
ちなみに、イギリスの危険4犬種は同じような血が入っているせいか、見た目はとても似ているようにも見えますよね。
ドゴ・アルヘンティーノ
アメリカンピットブルテリア
ブラジリアンガードドッグ
土佐犬
ドゴ・アルヘンティーノ、見た目からも、闘犬の血が入っているのがわかります。
しかし、ドゴ・アルヘンティーノは闘犬として作ろうとされたのですが、結果的には闘犬ではなく、狩猟犬として活躍することになったようです。
ドゴ・アルヘンティーノは闘犬の血を持つ最強の猟犬
ドゴ・アルヘンティーノは単なる闘犬にするには(と言うと語弊があるかもしれませんが)もったいないような能力があったようで、その能力から狩猟犬として活躍する犬種になったのです。
狩猟犬と言っても、ただの狩猟犬ではありません。
狩猟の対象となるのは、大型の動物です。
その対象の中には、あのピューマもいたそうです。
ということは、その闘争能力は、並みの闘犬以上だったのかもしれません。
まさに、闘犬の血を持つ最強の狩猟犬、と言っていいのかもしれませんね。
しかし、このドゴ・アルヘンティーノ、単に強いだけではなく、主人に対してはとても服従心の高い犬だとも言われています。
確かに、以前のkcジャパンの展覧会で見たドゴ・アルヘンティーノは、他の犬にかまわれた時に一度だけ、猛然と吠えかかっていきましたが、それは一度だけで、通常はとてもおとなしく、ハンドラーの指示に的確に従っていました。
JKCのも登録されていますが、そのJKCのサイトでのドゴ・アルヘンティーノの性格は次のように書かれています。
陽気で、素直で、控えめかつ友好的である。激しく吠えたてることはなく、常に力強さを感じさせる。決して攻撃的でなく、この特徴は厳重に守られる。支配力 を誇示するため、絶えず同性間でなわばり争いがおき、特に牡において顕著な習性である。狩猟では、賢く、静かで、勇敢である。
JKCサイトのドゴ・アルヘンティーノ – DOGO ARGENTINOのページからの引用です。
とはいえ、誰でも簡単に飼える犬種ではないことは間違いありません。
しっかりとした服従心を持たせるには、適切かつ確実なしつけトレーニングが必須となるでしょう。
単にかっこいいから、というような理由で飼ってほしくないし、飼える犬種ではない、ということを知っておく必要があるでしょう。
でも、確かにとても魅力のある犬種ではありますよね。
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