犬と人間との歴史は一万年。でも愛玩犬の歴史はたった200年?

犬と人間との歴史は一万年

人間が犬と一緒に暮らし始めたのは、およそ1万年前と言われています。

犬は、猫とは違い、人間が人為的に共生を始めた唯一の動物なのです。

犬は、人間がオオカミから作った人為的に作られた動物だと言っていいでしょう。

現在、その種類は数百にも及ぶと言われ、大きさ、形、色、毛質などは、同じ犬とは思えないほど、たくさんの種類の犬が存在しています。

これらすべての犬種は、人間が何らかの目的のために作られた犬種なのです。

現在の犬は、一般的にはペットとして、愛玩動物として家庭の中に暮らしている犬がほとんどでしょう。特に日本では。

しかし、もともとは人間に役立つ動物として、犬は人間に作られました。

古くは、新石器時代のサハラ砂漠の壁面に、人間とともに牛を狩る巻尾の動物、すなわち犬と推測される動物が描かれているとのことです。

この時代にはすでに、犬は人間の狩猟のパートナーとして、人間と共生していたようです。

古代エジプトでは、犬は、神聖な動物として扱われていたようです。

そのため、古代エジプトの墓からは、人間とともに犬も一緒に埋葬されていました。

ということは、この時代には飼い主が死ぬと犬も死なせられてしまう、ということだったのでしょうか。

でも、それくらい人間にとっては、貴重な動物だったということかもしれません。

ローマ時代になると、狩猟だけでなく、他の目的にも犬が使われるようになってきました。

狩猟犬、牧羊犬のほかに闘犬もこの時代に生まれたと考えられているようです。

その後、ルネサンス時代に入ると、人間社会の文化の発達とともに、犬も多種多様な目的のために新しい犬種が作られていったようです。

フランスでは15世紀には狩猟が上流階級のブームとなり、狩猟犬が貴重な存在として扱われていました。

また、この時代になると、絵画にもしばしば犬が描かれるようになってきました。

でも、まだこの時代あたりでは、犬は、使役動物としての存在でしかなかったようです。

ぺっととしての犬の誕生は17世紀以

17世紀以降、ヨーロッパ、イギリスなどでは、さらに品種が細かく分かれていったようです。

今までの使役動物としての犬から、この時代になって初めて観賞用の犬、つまりペットとしての犬が作り出されたようです。

つまり、現在人気となっている小型の愛玩犬は、この時代が始まり、ということになります。

人間と犬との共生は1万年ですが、ペットとしての犬の存在は、まだ200年ほどしかない、ということになるのです。

イギリスの歴史家キース・トーマスによると、ペットには3つの特徴を持って区別されていたとのことです。

  1. 家の中に入れる。
  2. 個々に名前が付けられる。
  3. けっして人間の食用としない。

3番目の食用としない、ということは、犬も食用にされていたのでしょうか。

今でも韓国などでは、犬を食用としているようなので、そうなんでしょうね。

1番目の家の中に入れる。ということは、外飼いの犬は、ペットとしての扱いではなかったのでしょうか。

日本でも、少し前までは、犬は、番犬として外で飼うのが当たり前の時代でしたがらね。

犬を室内で飼うのが一般的になったのは、比較的最近のことだと思います。

ということは、日本でのペットとしての犬の歴史は、まだ数十年もない、ということでしょうか。

現在犬は、新たな役割を持って働く犬も誕生している

狩猟犬として誕生し、牧羊犬、闘犬などの役目を負わされた犬が、その後、いろいろな役目を持つようになり、今はペットとしての地位を大きくしています。

でも、それだけではなく、犬は新しい役目も担うようになってきました。

有名なのが盲導犬。

聴導犬というのもいますね。

また、介助犬、セラピー犬など、障害を持った人や、高齢の人を助ける役目を持つ犬も今では多く見られます。

そして、最近では、麻薬探知犬のように、犬の鋭い嗅覚を使っての仕事も担っています。

さらに今、新型コロナという世界を席巻する感染病を発見するための、新型コロナ探知犬という、病気を発見するために活躍する犬もいるのです。

このように、犬は1万年の人間との歴史の中で、ごく最近、ペットとしての地位を得てくるとともに、新たな人間のための働く動物としての役割も担うようになってきました。

犬は人間なしで生きることが出来ない動物です。

これから先、犬と人間はどんな形で一緒に暮らしていくのでしょうか。

人間がいろいろなストレスを抱えやすいこの時代、犬は人間のストレスを解消してくれる、癒しの存在として、今後よりその存在を強くしていくものと思います。

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