太宰治の畜犬談

太宰治と言えば、知らない人はいないんじゃないかと思うくらい、有名な作家さんでしょう。

「走れメロス」は教科書で読んだ方も多いのではないでしょうか。僕も教科書で読んだのか、記憶は定かではありませんが読んだ記憶はあります。

また、有名なのは「人間失格」でしょうか。僕も本の名前ぐらいは知っています。読んだことはありませんが・・・。実際読んだ記憶があるのは「走れメロス」だけです。

というように実際の小説はほとんど読んでなくても、名前は知っているという方も少なくないかもしれません。

今更ながら調べてみると、太宰治さんというのはかなり個性的な人物だったようですね。今生きていたら週刊誌のネタにされるようなことだらけの人生というか・・・。

妻子がありながら、愛人に子供を生ませ、38歳という年齢でその愛人とは別の愛人と玉川上水で入水自殺、という・・・。

昔の作家は、個性の強い人が多かったようで、今でも昔ほどではないにしろ、そういう傾向はあるのかもしれませんね。

さて、そんな太宰治さんが書いた策人の中に「畜犬談」という短編焼成つがあることをご存知でしょうか。

僕もたまたま犬にかかわる小説がないか調べていて見つけました。

畜犬談、という題名、そして太宰治、ということであまり積極的に読みたいとは思いませんでしたが、短編ということで読んでみました。

僕はAmazon Kindle で無料で読めたのですが、ネットで見たら青空文庫というサイトで読めるんですね。

▼「畜犬談 ―伊馬鵜平君に与える―太宰治」

この話が実話なのかどうかはわかりませんが、太宰治の経歴などを見てみると、実話的なものではないのかな、と思われますが、わかりません。

もし、興味があれば読んでいただきたいと思いますが、犬好きの方が読み始めると、最初は少し、「えっ」て感じかもしれません。

でも、読み進めていくと、そして最後まで読むと・・・。まぁ、読んでみてください。

以下、ネタバレになるかもしれませんのでご了承ください。

畜犬談のあらすじ

舞台となるのは山梨県。

作品の出だしがいきなり、

私は、犬については自信がある。

なんの自信かと言えば、

いつの日か、かならず喰(く)いつかれるであろうという自信である。

で始まるのです。そして、

犬は猛獣である」と断定して、犬がどれだけ恐ろしい動物なのか、ということが語られていく。

さらに友人が犬に噛まれたことによって、

私の畜犬に対する日ごろの憎悪は、その極点に達した。青い焔(ほのお)が燃え上るほどの、思いつめたる憎悪」を犬に抱くようになったのである。

そして犬から身を守るために考え出した策が、

私は、とにかく、犬に出逢うと、満面に微笑を湛たたえて、いささかも害心のないことを示すことにした」という、犬に対して自分が敵意のないこと、自分は優しい人間だ、と感じさせるようにしようする、少し笑えるような方法である。

しかしその対策は功を奏したようで、犬に噛まれる良ようなことはなく、むしろ主人公の意に反して、「私は、犬に好かれてしまったのである。

さらに、そのうち1頭の小犬が、家まで付いてくるようになり、家に居座ってしまう。仕方なしに、その犬を「ポチ」と呼ぶようになり、

縁の下に寝床を作ってやったし、食い物も乳幼児むきに軟らかく煮て与えてやったし、蚤取粉のみとりこなどからだに振りかけて」あげるようになる。

ポチとの生活が続く中、主人公夫婦が東京へ引っ越すことが決まり、それを機会にポチを山梨に置いていくことに決める。と同時に、ポチが皮膚病になり、その見た目と匂いから・・・。

というような内容である。

結局主人公は犬が嫌いなのか、好きなのか

主人公の「私」は、冒頭から犬に対して強い口調で嫌いであることを主張しています。

その口調は基本的には最後まで変わらない、ようですが、次第に犬に対する気持ちが微妙に変化しているのが感じられます。

憎悪から愛情へ、というほど明確なものではありませんが、憎悪しながらも愛情が芽生えてくる、という感じでしょうか。

そのあたりの表現は、凄いと思います。

人それぞれ感じ方は違うかもしれませんが、これが太宰治なのでしょうか。

この畜犬談を読んでみて、少しばかり、太宰治さんのほかの作品も読んでみようかな、という気持ちが起きてきました。

実際に読むかどうかはわかりませんが。

また、この畜犬談を読むうちに、これはまさに良くある、

犬嫌いなお父さんが、実際に犬を飼い始めたら一番一生懸命に世話をするようになった

といういくつかの例を思い出しました。

こういった例のお父さんたちも、畜犬談の「私」ほどではないにしろ、それに近いような気持ちで犬を迎えていたのかもしれませんね。

でも、実際に犬を迎えたら、いやいやながらも世話をして、そのうちに、その犬に対する愛情が芽生えてきてしまう、というような。

犬好きの人間がこの作品を読み始めると、最初と最後の方では、「なんだこの作品は、」と少し不愉快な気持ちになる部分もありますが、そこを我慢して、最後まで読んでみてほしいと思います。

最後の方の肉を与えるところは、たまたま、なのか、もしかしたら、「私」は無意識にそうなるようにしていたのではないか、とも思えるような気がします。

始めて飼った犬が「ポチ」だった

以下は個人的な余談です。

今時、ポチという名前を愛犬に付ける飼い主はほとんどいないかと思いますが、僕が初めて飼った雑種の犬は「ポチ」と名付けました。

2~3年ぐらいで死んでしまいした。当時聞いたのは、心臓に寄生虫が、というようなことでした。フィラリアだったのだと思います。

今はフィラリアも予防薬さえ飲ませていれば、ほとんど心配なくなっていますが、当時はそんなものはありませんでした。

死んだのは僕が小学校3年の時でした。ポチが死んで泣きじゃくりました。そのため、学校でもからかわれました。

たまたまポチという名前が出てきて、それを思い出しました。

今だったら、もっと長生きさせてあげられたのに・・・。

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