今なぜ老犬介護?

老犬介護という言葉

老犬介護という言葉が使われ始めたのは、ごく最近でしょう。 なぜなのか?

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日本に限りませんが、ちょっと前(10~20年ぐらい前)には、世の中に老犬という存在が極めて少なかったのです。 ほとんどの犬は、高齢期を迎える前に、その生涯を閉じることが、ほとんどだったのです。

したがって、介護が必要となるような犬はいなかった、老犬期になるまで生きていられる犬がほとんどいなかった、といってもよいかもしれません。

野良犬はもちろん、飼い犬も同じでした。

高齢化が問題になるような犬が存在し始めたのは、最近になってからなのです。

ではなぜ、最近になって、急速に犬の寿命が述べてきたのでしょうか?

その理由は、大きくは3つあると思います。次の3つです。

・犬の住環境の変化
・犬の食生活の変化
・獣医学の進歩

それぞれについて考えてみることは、現在でも、愛犬と長く暮らしていくための参考になるかと思いますので、少し、考えてみたいと思います。

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犬の住環境の変化

日本でも、最近は室内で飼われる犬が増えてきました。これは、いわゆる室内犬と言われる犬種だけでなく、今まで外飼いが普通だった犬種でも、室内で飼われるケースも増えています。私たちも犬種、犬の大きさに関わらず、室内飼いを推奨しています。

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室内で飼われれば、当然のことながら、外の天候、気温などの影響を受けることは少なくなります。しかも、最近のご家庭では、ほとんどのご家庭にエアコンが備えられているので、犬も、年間を通して、快適な環境で過ごせることが多いと思います。

犬が生活していく上で、天候気候的に、体に悪影響を与える要因が少なくなったこと、これも、犬の寿命を伸ばしている要因のひとつでしょう。

室内飼いの犬にも、家の外で飼われる犬にに対してデメリットとなることもあります。

室内で暮らす犬は、環境の変化を受けにくい分、実際の環境の変化には弱くなっているのが現実です。

外飼いの犬であれば、少しぐら暑かったり、寒かったりしても、それほど犬自身の体調に影響は及ぼさないでしょう。

なぜなら、犬自身がそういう環境の中で暮らすことに対する抵抗力を持ち、また、犬の体も、その時期の環境に対応できるよう、毛が抜けたり、ふさふさになったりなど、環境に対応する能力を持っているからです。

しかし、子犬のころから室内で育った犬は、たとえそれが大きなジャーマンシェパードだとしても、暑い夏に外へ出れば、熱中症になりやすく、また、寒さに対する抵抗力も、弱くなっています。

また、室内で暮らせば、自然のものより、人間によって加工されたものに接することが多くなるでしょう。たとえば、室内の壁や床、絨毯などもそうです。最近は、そういった材料にも、環境に対する影響がかなり考えられていますが、犬によっては、人間が作った人工的な材料に、アレルギー反応を起こすこともあるかもしれません。ただしこれは人間も同じですが…。

また、電気のコンセントや、滑りやすいフローリングの床、階段や、開閉する扉、家具など犬にとっては危険がいっぱいです

したがって、室内には、このように外にはないリスクがあるのも事実です。

しかし、総合的に考えると、室内飼いは犬の寿命を延ばしているとても大きな要因であることは間違いなく、上記のようなリスクは適切な飼育管理としつけで十分回避できるものです。

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犬の食生活の変化

犬の食生活の変化の影響も少なくないでしょう。

20年ぐらい前は、まだ、犬のご飯は、人間の残り飯、またご飯にお味噌汁をかけたものなどが、普通に与えられていました。

そのころから、犬にはねぎを与えてはいけないというようなことは、一部で言われていましたが、まだ広く世間に伝わるような状態ではなかったと思います。

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今でこそ、犬に対する食事に関しても、塩分には十分気をつけること、犬が食べてはいけないものなどが、世間一般に広く言われるようになりましたから、人間の食事をそのまま与えるのは、よくないという認識が世の中に浸透してきました。

例えば、犬に与えてはいけない食べ物には次のようなものがあります。知っていらっしゃる方が多いかとは思いますが、参考までに書いてみました。

●ネギ類、にんにく、にらなど●貝類、タコ、以下、ナッツ類●鳥の骨、魚の骨
●ブドウ(干しブドウを含む)●じゃがいもの芽、緑色部

上に書いたものの中でも、にんにくはほんの少量であれば、体力回復に効果がある場合などもありますが、通常は与えないと考えて頂いた方がよいかと思います。

また、上記以外にも、人間用のお菓子や調味料も犬にはよくないことが多いでしょう。”犬の禁止食”としてまとめたページもありますので、ご覧になってみてください。

人間には全く問題なくても、犬にとってはそれを食べると生死にかかわる食品があり、そういった知識は、ちょっと前までは知られていなかったのが、過去の現実だと思います。そして、それによって命を落とした犬も、少なくないと思います。

そういったこともあり、現在、犬の食事には、市販のドッグフードが使われることが多いようです。確かに総合職タイプのドッグフードは無難です。しかし、メーカーにより、内容物に違いがあったり、犬によっても、種類やメーカーによって合わない場合もあるので、その犬にあったフードを飼い主さんが選んで、与えることが、犬の寿命をさらに伸ばすことにもなるでしょうね。

でも、最近は人間の食の問題も多く、実際に、少し前に、中国製のドッグフードにメラニンが混入して、そのドッグフードを食べた犬がたくさん死んでしまったという例もアメリカであったのは、記憶に新しいところです。

犬自身は、自分で自分の食べるものを選ぶことができません。飼い主さんから与えられたものしか食べられません。犬のための食選びもとても重要です。

知識と時間があれば、手作りフードが理想的かもしれませんね。

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獣医学の進歩

上に書いたような、犬の生活環境の改善も犬の寿命を延ばす大きな要因であることは間違いないと思いますが、最も影響が大きいのは、獣医学の進歩、ではないでしょうか。

特に、多くの犬が命を落としてきたフィラリアの予防薬の開発とその定期的な服用が一般化したことが、犬の高齢化に大きな影響を与えていると思います。

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また、それ以外にも、混合ワクチンの接種率の向上、犬の健康診断の普及なども、もちろん犬の長寿命化に貢献していると思います。

そして、日本中、ほとんどどこへいっても動物病院を探すのに苦労はしない、むしろどこの動物病院に行けばよいのか迷うくらいに、動物病院が増えて、獣医師が今はたくさんいます。当然のことながら、犬に病気やけががあった時には、すぐに対応してもらえるという、環境が今は整っています。

しかし、逆にいえば、動物病院間の競争も激しく、また、実際の臨床経験がほとんどない獣医師が増えたりなど、悪い面も多くなったかもしれません。したがって、どの動物病院、またはどんな獣医師とかかわるかが、犬とその飼い主さんにとって、とても重要な問題になっている、といってもよいのかもしれません。

でも、獣医学は確実に進歩しています。適切な動物病院と信頼のできる獣医師とさえ巡り合えれば、確実に、犬と飼い主さんの生活をより長くしてくれることは間違いないでしょう。

犬も高齢化が進んだことにより、人間と同様、高齢化に起因する病気や怪我も多くなってきました。そういった時に頼りになるのは、何といっても獣医さんですからね。

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犬の高齢化はまだまだ続く!?

このように、人間の高齢化が進んできたのと同じことが、犬の世界にも起きています。これからも、人間社会の生活環境の向上は続き、人間に対しても、動物に対しても医学の進歩もまだまだ続くでしょうから、人間の高齢化も進み、また、当面はそれ以上に急速に犬の高齢化も進むのではないでしょうか。

だから今、こういった高齢化した犬の対応を考えるためにも、老犬介護、ということを考え始めなければいけないと思っています。

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老犬のためにできること

老犬介護の主役は最後の最後まで飼い主さんです。でも、老犬介護士が老犬に直接してあげられることも、もちろんの事ながら、少なくはありません。

それらは、飼い主さん自身でも、知識と技術を身につければできることです。でも、すべての飼い主さんがそれを身につけたり、できるとは限らないので、そんな時に、老犬介護士として、お役に立てれば良いと思います。

具体的にはどのようなことを?ということについて、簡単に紹介していきたいと思います。

再び立てるように、歩けるように!

年をとった時の身体的な不具合が起きやすいのは、人間も犬も足腰です。足腰の筋力が衰弱したり、関節の滑らかさが失われてきたりして、立ったり、歩いたりすることに支障をきたしてきます。

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立ったり歩いたりすることが困難になってくると、自力で排泄することなども困難になってきます。したがって、足腰が衰弱したことにより、出来なく、またはやりにくくなったことを補助してあげることは、もちろん大切な役目です。

でも、それに加えて、立てなくなった犬には、再び立てるように、歩けなくなった犬には、再び歩けるように、そのための努力をすることも、より大切だと思います。

現実的に、立ったり歩けなくなった老犬が、再び若いころと同じように動くことはできないかもしれません。でも、その老犬ができる範囲、無理のない範囲で、足腰を強化したり、サプリメントやマッサージなどで、関節の動きを柔らかくしてあげたりすることにより、現状よりも少しでも改善していくことはできるはずです。

そして、少しでも改善できれば、その感触を老犬自身が感じて、もっと頑張ろうと思ったり、また、飼い主さんも、やればできるんだ、ということを実感できて、明るく、元気な気持ちになって、もっといっしょに頑張ろうと思ってくれます。

また、完全に自力でできなくても、こんな補助具を使ってやればできるようになる、というようなことを教えてあげても、同じような効果があると思います。

このように、出来なくなったことを補助してあげるだけでなく、出来なくなったことを再び出来るように手伝うことが、老犬介護士の努力目標だと思います。

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排泄、食事の世話

人間でも同じだと思いますが、若い時は何も考えずに毎日できていたことが、高齢化により出来なくなるのは、とても不本意なことだと思います。

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犬の場合は、特に、文句を言ったり、こうしてほしい、ということも言えないので、世話をされるのも大変でしょう。

犬も、高齢化による障害がひどくなると、寝たきりになってしまいます。そうなると、自力で食事をすることはおろか、おしっこやうんちも自力でできなくなることがあります。

そんな時は、人間がおしっこやうんちが出るように、おなかをさすったりして刺激を与え、排泄を促してあげる必要があります。これは、寝たきり老犬の介護をするとき、必須となることです。

老犬の自尊心をなるべく傷つけないように、そして十分な満足感を与えるように、排泄のお手伝いをすることが必要となるのです。

また寝たきり老犬は、食事の時も、手伝ってあげないと食べることや、水を飲むことさえできません。体を起して、頭を上にあげて、のどや食道につまらせないように、食事を食べさせたあげなくてはいけません。

これも老犬介護の重要な実務です。

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床ずれの防止、処置

寝たきりにならなくても、老犬になると横になっている時間が長くなりがちで、床ずれの心配が出てきます。まずは、床ずれにならないようにしてあげることが重要になります。

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そして、もし床ずれができてしまったら、それを直すための処置をしてあげることが必要になります。もちろん、獣医さんでも床ずれの処置はしてくれると思いますが、一度できてしまうと、毎日丁寧に処置をしてあげる必要があるので、実際に獣医さんだけにまかせっきりにするのも難しいと思います。

床ずれは、ひどい場合には、骨まで見えてしまうぐらいになってしまうこともあります。なるべくそうなる前に、処置をしてあげたいですね。

老犬に接する時の気持ち

たとえ寝たきりになった老犬に対してでも、老犬を愛する気持ち、いたわるきもちが大切だと思います。これは、人間の場合とまったく同じです。

たしかにしゃべれない犬を相手に難しいところはあり、実際に犬がどう感じているのか、知ることはできません。でも、接する際に犬に対する愛情を持って接すれば、犬はそれを感じてくれると信じてます。

また、愛情を持って接すれば、犬がどのように感じているかも、感じ取ることができるようになると思います。

飼い主さんは、もちろん、深い愛情を持って年老いた愛犬に接すると思いますが、犬にとっては最初は見知らぬ人となる老犬介護士でも愛情を持って接していれば、犬も自分を世話する人として、認めてくれると思います。

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飼い主さんのためにできること

実際に介護の実務をするのは老犬に対してです。でも、何回も繰り返してしまいますが、老犬介護の主役は最後の最後まで飼い主さんです。ただし、

これは、飼い主さんが全てをやってください、ということではありません。飼い主さんが全てをやらずに、時にはお休みしたりして、心身の休憩を取ってもらうために、私たちがいるのですから。

最後の最後まで飼い主さんが主役、という意味は、老犬の最後の時まで、飼い主さんが、老犬のためにできる努力をあきらめずにしてあげてほしい、という私たちの気持ちです。

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だから、そのために飼い主さんには、最後まで、元気に、明るく、前向きに、老犬とも接してもらえるように、自分自身の心身の健康管理には、十分注意してもらいたいのです。

そして、技術的に、体力的に、また仕事などの都合による時間的な理由で、私たち老犬介護士のような存在が必要であれば、老犬のために、うまく私たちを利用してほしいのです。

飼い主さん自身が、老犬に対する介護などの実務をできなくても、どうしたら少しでも老犬が快適に過ごせるかを考えてあげて、どうしたら、それをしてあげることができるのかを、考えてほしいと思うのです。

何といっても、長年一緒に暮らして、世話をしてきた飼い主さんが、その老犬のことについては、一番知っているはずです。こればかりは、どんなに経験やを積み、知識を身につけた老犬介護士も、けっしてかなわないことですから。
老犬のお世話をする時に、まずしなければいけないことは、飼い主さんから、その老犬との暮らし方、どんな環境で飼っているのか、排泄はどのようにしているのか、食事は、何をいつ、どのくらいあげているのか、今のワンちゃんの健康状態はどうなのか、そして、今、ワンちゃんの世話をして困っていることはなんなのか、など、とにかく、その老犬に関することをお話しして頂くことです。

私たちは、実際に老犬のお世話をする際には、そのお話から、どんな介護計画を立てたらよいのか、すべてそのお話を参考に検討して、決めていくことになります。

また、飼い主さんは、特に何か困っている時には(老犬の世話をする場合、きっと、何かあるのが普通だと思いますが)、そのお話をしていただくことだけでも、飼い主さんの気持ちが落ち着くこともあるでしょう。そして、お聞きしたり、お話をしていく中で、老犬に対する気持ちを共有していき、また、飼い主さん自身の気持ちへの共感と、また一方では、飼い主さん自身が頑張っていけるようにするための、私たちの対応も考えていくことになります。

ですから、最初の飼い主さんとのお話を、私たちはカウンセリングと位置づけて、とても重要なものだと考えています。

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熱心な飼い主さんほど、無理をしがち

老犬の世話を最後の時までしてあげるためには、飼い主さん自身が、心身の健康を保たなければいけません。しかし、現実には、その老犬を愛するが故に、介護に熱心になり過ぎて、自分の健康管理を忘れてしまう場合も少なくないと思います。

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人間の場合でも、介護疲れによる悲劇が報道されたりさいますが、愛犬が家族の一員という現在、犬の介護でも同様のことが起こりかねないかと思います。

特に犬の場合は、子犬という小さなときから育て、10年から20年という長いような、振り返ると短い時間の中で年老いていくので、人間の場合とは、ちょっと違った感情があるかもしれません。

犬にとっては、飼い主さんが全てです。その気持ちに応えようと、最後まで、ひとりで面倒を見ようという気持ちはとても大切だと思います。実際、それが理想的だとも思います。でも、実際にそれをやるのは飼い主さんの心身に、時に、とても大きな負担になりかねないかと思います。

そんな時に、飼い主さんに少し休んでもらうために、飼い主さんに代わって世話をするのが、私たちの仕事なのです。

飼い主さんが、老犬の世話が原因で具合が悪くなり、ダウンするようなことになってしまったら、老犬ともども、共倒れになり、元も子もありません。

飼い主さん自身にとっては、老犬の介護をすること自体が目的ではなく、老犬に少しでも快適に一緒にいてもらうこと、少しでも長く、一緒にくらすこと、だと思います。

そのためには、飼い主さんはいつまでも元気でいなければいけないのです。

自分の健康も考えれば、自分のストレスをためないようんすること、体の負担はなるべくかからないようにすることが重要になります。そんな時に、私たちの存在を知って、思い出してほしいのです。

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飼い主さんが明るければ、老犬も明るくなる!

犬は、飼い主さんのことをいつも細心の注意を持って見ています。飼い主さんの気持ちを一番よく知っているのは、愛犬かもしれません。だから、飼い主さんが楽しければ、愛犬も楽しくなり、飼い主さんが悲しめば、犬も悲しい気持ちになります。

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それは、老犬になっても同じです。老犬の世話がストレスになり、気持が落ち込めば、世話をされる老犬も、同じように気持ちが落ち込み、しかもそれを自分のせいだと感じて、生きる気力を失ってしまうかもしれません。

でも、たとえ老犬が寝たきりになったとしても、飼い主さんが明るく接していれば、老犬の気持ちも明るく朗らかになるはずです。

年老いた老犬、また寝たきりの老犬と接して、明るい気持ちになるのは、簡単ではないかもしれません。特に、ひとりで世話をしていると。

そんな飼い主さんの気持ちを明るくしていくのが、私たちの重要な役目の一つであると思っています。

そして、それが老犬を元気にして、がんばろうという気力を与える、ベストな方法であると思っています。

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ペットロスに打ち勝つ気持ち

どんなに頑張っても、愛犬の最後は必ずやってきます。ほとんどの飼い主さんは、、それを避けて通ることはできません。

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私も、小学生の時に、初めて飼った犬が亡くなった時、大学にいっている頃、2頭目に飼った犬が逝った時、そしていまや自分が高齢期になろうとしている時に20歳の愛犬が永遠の眠りに就いた時、どの犬の時も、その別れに涙をこらえることはできませんでした。

愛犬との別れが悲しくない人はいないと思います。悲しくて、悲しくてしょうがない、涙が止まらない、これは、心ある人間であれば、とても自然なことだと思います。

だから、この気持ちをなくすことは不可能です。

でも、その悲しみの気持があまりにも長く続くと、今度はその後の飼い主さんの生活に支障をきたすようになってしまいます。そうなると、それが、今度はその人間にとっての問題になってしまいます。

いわゆるペットロスです。

そうなると、自然な気持ちを通り過ぎて、ある種、病的な状態になってしまうことになるかもしれません。

したがって、ペットロスになることは、できれば避けたいし、避けてほしいと思います。

一般的に、ペットロスを軽減する一番の方法は、多頭飼いといわれています。でも、すべての愛犬家が多頭飼いをできるわけではありません。では、1頭飼いでもペットロスを防ぐ、あるいは軽減する方法はないのでしょうか?

そのひとつが、老犬介護ということなのです。今回、私たちが老犬介護の実績を持つベテラン老犬介護士に老犬介護について教えて頂いた時に、一緒に熱心に老犬介護をしてきた飼い主さんは、みなさん、ペットロスになることはなかったということなのです。

どうしてかというと、老犬のためにできることはすべてしてあげた、老犬も安らかに永遠の眠りについてくれた、という、飼い主としてやるだけのことはしてあげて、愛犬もそれに応えて最後まで頑張って生きてくれた、という気持ちが、悲しみの中でも、それが深く長くなることをおさえてくれるようだ、とのことなのです。

人間の場合も、十分に長く生きてくれての大往生の時は、悲しみとともに、こんなに長く生きてくれてありがとうという感謝の気持ちが起きるときがあります。愛犬の場合も、同じなのかもしれません。

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年老いた老犬に対して、やるだけのことはやってあげた、というある種の気持ちの整理をしてもらうようにすることも、私たちの重要な役目の一つだと思っています。

社会に対してできること

老犬介護は、直接的には、老犬とその飼い主さんのためのものです。しかし、老犬介護という言葉も、あるいは老犬の存在自体にも、まだまだ、社会一般で十分認識されているとは言えないのが現状かと思います。

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たとえば、老犬介護という言葉がもっと浸透していけば、より快適にまた飼い主さんと長く一緒にいられる老犬は確実に増えるはずです。

また、老犬という存在がもっと社会一般に認識いされてくれば、いかに元気に長く老犬期を迎えられるか、老犬になる前から、飼い主さんは考え、もっと老犬前にできることを、しっかりとして老犬期を迎える犬が増えるはずです。

こういった、老犬介護、あるいは老犬という存在自体を、もっと社会全般に認識させたり、老犬期ということを意識した子犬の時期からの犬との接し方の意識革命を促していくことも、老犬の世話に携わろうとする人間の大きな役目ではないかとお思います。

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老犬介護という言葉の普及

老犬介護という言葉がよいのか、それとも、たとえばシニアドッグヘルパーなどといったもっと横文字的な言葉がよいのかわかりませんが、そういった言葉自体がもっと社会全般に浸透していくことが必要だと思います。

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言葉が浸透すれば、その考え方も普及し、より多くの老犬たちの生活の質を上げ、より長く飼い主さんと一緒に暮せるようになる。また、老犬介護士という存在がもっと、世の中で増えてきて、たくさんの人にその存在をしってもらえるようになれば、老犬の世話で心身に疲れている飼い主さんを助け、そして愛犬との別れを迎えてペットロスで苦しむ愛犬家を減らすことができるはずです。

今後、老犬は確実に増えていき、自然に老犬介護という言葉も普及していくとは思います。でも、その普及のスピードを速くすればするほど、助けられる老犬と愛犬家は増えることは間違いないと思います。

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老犬に対する意識の変革を促すこと

老犬が増えてくれば、否が応でも、老犬に対する意識は上がってくることでしょう。でも、その時、どのような意識が持たれるのか、それが重要ではないかと思うのです。

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たとえば、老犬の存在が、疎ましいという意識が広がってしまえば、老犬にとっても、愛犬家にとっても、住みにくい社会になってしまいます。

逆に、老犬に対する配慮という意識が広まれば、より、老犬が快適に過ごしていける社会になってくれるはずです。そういった社会になっていけば、たとえば、、人間のためのバリアフリー的な考え方が、老犬に対しても応用される時代が来るかもしれません。

また公園などでも、芝生のところがあっても、立ち入り禁止であったり、公園での犬の散歩が禁止であったりするところが今でも結構あると思います。しかし、犬にとっては、特に足腰の弱っている老犬には、硬い舗装路より、土や芝生の上を歩く方が、負担は少なく、公園で老犬がゆっくりと過ごせるようなスペースをもっと広げたり、、数を増やしてあげるだけでも、多くの老犬は助けられます。

また、犬も、人間と同様、年をとれば足腰が弱くなる、という当たり前のことを、たくさんの愛犬家が意識するようになれば、老犬になって足腰が弱くなったことに対する配慮をするだけでなく、老犬になっても、できるだけ足腰の衰弱が進まないようにするためには、犬が若くて元気な時から、どのように育てる、あるいは足腰を鍛えていけばよいのか、というようなことを考える人が増えるはずです。

実際、老犬になるまでの生活の仕方、育て方で、老犬になってからの生活の質は、とても影響を受けるのです。これについては、また別のページでも書こうと思いますが、老犬生活を快適にするために、すでに子犬を迎えた時からできることが実際にあるのです。

こういったことは、高齢化した人間社会では、当たり前のことになっているかもしれません。でも、人間の場合と犬の場合で、決定的に違うのは、人間は自分自身で自分の高齢化に備えることができるけど、犬の場合は、すべて、飼い主さんに頼るしかない、ということです。

小さくてかわいい子犬を迎えた時に、その子犬が老犬になった時のことを考える愛犬家は、今はほとんどいないでしょう。でも、犬を飼うときは、犬と10の約束をしなければいけません。”犬の十戒”です。この最後の方は、老犬になった時、また、最後の時を迎えた時のことが書かれています。

もし、子犬を飼うときに、子犬とこの10の約束をする人が増えるだけでも、その時に、この子犬もいつかは自分よりも年老いてします。その時のためにどうするか、ということを考えることができる人も出てくるかもしれません。

正直なところ、私がこの犬の十戒というものを、”犬と私の10の約束”という映画を見て知りました。そういう意味では、犬とのかかわり、特に、犬の一生とのかかわりを描くような映画が増えたりすれば、それも大きな影響を与えてくれるでしょう。

実際、私が老犬介護という仕事に心が動いたのも、愛犬チロの影響だけでなく、老犬介護にかかわる話がきたそのタイミングで、この映画を見たことも、大きな影響を与えてくれたと思います。そして、今でもたまにこの映画のDVD見て、老犬介護に取り組むためのモチベーションをあげています。

こういった、社会全般に対する老犬に対する意識の変革を促して行くことも、私たちの役目です。

社会に対して何かをしようとする時、個人の力では、・・・、という壁が必ず立ちはだかります。しかし、それでもあきらめずに頑張れば、徐々にその仲間ができていき、少しづつ、そして確実にその力は大きくなり、社会を変えていく力になると信じています。

私も、微力でも、そういった努力をしていきたいと思っています。でも、問題はその方法です。これから、いろいろと考えながら、試行錯誤を繰り返していきたいと思います。

たとえば、老犬介護セミナーや、子犬の時に始められる老犬期への備え、といったテーマのセミナーのようなことを定期的に開催してもよいのかな、と今は思っています。最初はまったく受講者が集まらなくても、我慢して募集していれば、少しづつでも、関心を持つ人が増えてくれるのではないか、と思うのですが・・・。

もし、そういったセミナー開催の文字ををこのホームページで見たら、ぜひ関心を持って下さい。

まだまだ、実績も少なく、知識も技術も未熟ですが、老犬介護ということに対して、志だけは高く持ち、がんばっていきたいと思います。

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