犬の問題行動とは

犬の問題行動、とよく聞きますが、犬が行う行動が問題か、問題ではないのか、これは個々の人によって違うかもしれません。

例えば、犬の次のような行動は問題行動でしょうか?

  1. 子犬の甘噛み
  2. 犬の飛びつき
  3. 犬が吠える

もしかしたら、これらの犬の行動は、問題行動だとは思わない方もいらっしゃるかもしれませんね。

「そんなの犬にとっては当たり前、問題なんかないだろう」と。

でも、これらの行動は、実は犬の問題行動だと飼い主さんは認識してほしいのです。

その時は問題なくても、また犬に悪気はなくても、問題行動に成り得る、というのが上に挙げた犬の行動なのです。

それぞれについて、説明していきましょう。

子犬の甘噛み

子犬の甘噛み、これは子犬を迎えた方は、ほとんどの方が経験することだと思います。

でも、この子犬の甘噛みは問題行動だと意識しない方も多いのではないでしょうか。

子犬だから仕方ない、むしろ甘噛みしてくるのが可愛い、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに、犬によっては甘噛みされてもあんまり痛くないし、甘噛みしてくる子犬が可愛らしく感じるときもあるのは確かです。

子犬の時に甘噛みしていても、自然にそんなことしなくなる犬もいるでしょう。

ほとんどの場合、大きな問題はないのかもしれません。

しかし、その犬が持って生まれた気性によっては、また子犬の扱い方によっては、子犬の甘噛みが次第にエスカレートして、成犬になるころには本気噛みになってしまうこともあります。

したがって、子犬の甘噛みは重大な問題行動だと僕らは思っています。

小型の愛玩犬の子犬が甘噛みしたからと言って、その時点では問題とは思えないかもしれませんが、それが本気噛みになると、たとえそれが小さなチワワでも、その犬を扱うのがとても厄介なことになってしまいます。

ましてや、中型、大型犬であれば、甘噛みと言っても噛まれれば怪我をしかねないくらいの威力がある場合もあります。

それが本気噛みになったら、その犬を扱うのが大変なだけでなく、犬の存在が自体が大きなストレスになってしまうでしょう。

ということで、子犬の甘噛み、これはその時点で全く問題がなくても、重大な問題行動だということを飼い主さんには認識してほしいと思います。

従って、もし子犬が甘噛みをしたら、すぐにでも止めさせるようなしつけトレーニングを行うことを強く推奨します。

犬の飛びつき

犬の飛びつき、これは子犬に限らずよくあることだと思います。

子の場合、ほとんどのケースは犬が喜んで飛びつく、好意を持って飛びついていく、というものです。

つまり、犬には全く悪意はなく、むしろ好意があるからこその行動ということになります。

犬に飛びつかれた人も、飼い主さんも含めて犬が好きな人であれば、迷惑どころか、逆に嬉しくなるかもしれませんね。

したがって、この犬が嬉しくて飛びついてくる行動も、問題行動とは全く思わない人も多いかもしれません。

確かに、小さな愛玩犬が飛びついてくれば可愛いし、嬉しくなるのも確かですからね。

でも、もし犬が嫌いな人が飛びつかれたらどうでしょう。

また、外で汚れた足で、飛びつかれたらどうでしょうか。

そんな場合は、たとえそれが小型の愛玩犬でも、犬が嫌いな人にとっては犬に飛びつかれるのは不快であったり、恐怖であるかもしれません。

また、汚れた足で犬の飛びつかれるのは、飼い主でも、「ちょっと待って」、「やめて」、と言いたくなるのではないでしょうか。

そしてそれが中型犬、ましてや大型犬であったらどうでしょう。

例え犬が好きな人に飛びついたとしても、飛びつかれた人が子供だったり、高齢者であれば、犬に飛びつかれた拍子で倒れて怪我をしてしまうことにもなりかねません。

犬が喜んで飛びついたとしても、その結果は大変なことになってしまうこともあり得るのです。

したがって、やはり僕らは、たとえ犬が喜んで、好意を持っての行動だとしても、それは問題行動だと判断しています。

特に、中型犬以上の犬に関しては、その問題の重大さは大きいと思います。

ただ、甘噛みとは違って、例えば小型の愛玩犬であれば、それ以外のしつけトレーニングをしっかりとしていて、犬をコントロールできるようであれば、多少甘く見てもいいかな、とは思いますが。

でも本来は、こういった犬の飛びつきは例え小型の愛玩犬でもやまさせるようにすることお推奨するし、中型犬、大型犬の場合は、絶対に止めさせるようにするべきだと考えます。

犬が吠える

犬が吠える、と言っても色々なケースがありますね。

家の中では、主にこんな場合でしょうか。

  1. チャイムがなると吠える
  2. 窓から外の人や犬が見えると吠える
  3. 食事や散歩の時間になると吠える
  4. おもちゃで遊びながら吠える

犬はもともと吠える動物です。だから、犬は吠えて当たり前、という考え方も間違いではないと思いますし、むしろ正しいと思います。

だから、犬が吠えても当たり前のことで、問題ではない、と思う方もいるかもしれません。

ただし、ペットとしての犬は人間社会の中で暮らします。野生であれば、いくら吠えても問題ないと思いますが、人間社会で生活する上では犬とは言え、吠えることが問題になる場合もあります。

もし、隣家とはかなり離れていて、犬が吠えても全く近所迷惑にならないのであれば、家の中でどんなに犬が吠えても、そのご家族がきにならないのであれば、それは問題行動にはならないでしょう。

でも、ほとんどの家では、犬が家の中で吠えるとそれが近所にも聞こえて、中にはそれを不快に感じる方もいるでしょう。中には気にならないご近所さんもいるかもしれませんが、気になるご近所さんもいるかもしれないのです。

もし、そういった犬の吠える声がきになるようなご近所さんがいる場合は、家の中で犬が吠えることは問題行動となってしまいます。

ただ、そこはその人の感じ方にもよるので、難しいところはあるかもしれません。

もちろん、犬にまったく吠えさせないようにすることが一番いいとは思いますが、もともと犬は吠える動物であり、吠えるのは当たり前の動物です。

だから家の中で犬が吠えることがあるのは、しかたないことだと思います。

でも、少し吠えても吠え続けないようにしつける、または吠えても飼い主さんがすぐにそれを止められる、そういったしつけは必要でしょう。

犬が家で吠えた時に飼い主さんがそれが気になるようであれば、それは犬の問題行動だと飼い主さんは自覚するでしょう。でも、たとえ犬が吠えても飼い主さんは気にならない場合でも、もし近所にその吠える声が気になる方がいれば、それは問題行動になってしまうでしょう。

犬が吠えるのは家の中だけではありません。

散歩で吠える犬も少なからずいるようです。だいたいが、こういったケースでしょうか。

  1. 他の犬に吠える
  2. 怪しげな服装の人に吠える

この散歩でほかの犬や人に吠えるのは、ほとんどの飼い主さんは問題行動と思っているでしょう。

特に、人に吠えるのはかなり問題意識を持つのではないでしょうか。

それが理由で、犬の散歩はなるべく人に会ないような時間帯や、コースを選んでいる方も中にはいらっしゃいます。

また、誰かれ構わず吠えるのではなく、普通は人に会っても吠えないんだけど、なぜかその人には吠える、という犬もいますよね。

そういった場合は、服装やその人の行動などが犬にとって警戒させるものがあるのだと思いますが、僕も特定の犬に必ず吠えられることがあります。その犬は他の人にあまり吠えないんですけどね。

こういった場合は、リードを持っている飼い主さんは気まずくなりますよね。飼い主さんは必死に謝ってくれますからね。僕はあまり気にしてないんだけど。

ということで、散歩で犬が吠えるのはやはり問題行動だと思うし、これはほとんどの飼い主さんは犬の問題行動だと認識しているのではないでしょうか。

犬の問題行動は飼い主がそう思わなくても問題行動の場合がある

このように、犬の問題行動は、飼い主さんは全く問題とは思っていない行動も、実は問題行動である、ということもあります。

甘噛みのように、その時は問題にならなくても、将来大きな問題になることもあれば、飛びつきのように犬に全く悪意はなく、好意を持った行動だとしても、それが問題行動になる場合もあります。

また、吠えるという問題は、飼い主さんが気にならなくても、近所の方が迷惑に思うこともあります。

そして、これは人によって許容できる範囲が違うので、どこからが問題なのか難しい場合もあるかもしれません。

また、このほかにも多いのが散歩での問題行動です。

マーキング、引っ張り、匂いを嗅ぐなど、一般的には問題とは思われないような行動でも、ドッグトレーナーの立場からは問題となる行動もあります。

まずは、普段の生活の中でおこりやすい、上にあげた「甘噛み」、「飛びつき」、「吠える」ということについて、改めて愛犬はどうなのか、確認してほしいと思います。

問題行動を直すには、まずは飼い主さんが自分の愛犬のそういった行動を問題行動である、と認識することから始まりますからね。

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