あくびが愛犬によくうつるのは絆の強さということが科学的にも示されていた!
以前、「犬のあくび」について調べて、記事を書いたことがありました。
その時に、犬があくびをする時には、一般的には次のような意味がある、ということがわかりました。
- 眠い
- ストレスや不快感を感じている
- カーミングシグナルとしてのあくび
- 病気や体調不良のサイン
- あくびがうつった
犬があくびをする時は、単に眠いという時だけでなく、ストレスや不安を感じている時でもある、ということがひとつの意味としてあります。ということは、愛犬があくびをする時は、何かストレスや不安がある、ということなのでしょうか。
でも、もしそれが、自分があくびをした後に、愛犬があくびをしたのであれば、そんな心配は無用のようです。
「犬のあくび」の中でも、「犬はあくびがうつる数少ない動物の一つである」ということ、そして、人間のあくびの場合は親密な関係ほどあくびがうつりやすいので、「自分があくびをした時に愛犬にそれがうつったら、それは愛犬が自分に関心を持っている、信頼している、というように理解してもいいのかもしれません。」というようなことを書きました。
この時は、おそらくそうだろう、というような個人的な推測を書いたのですが、これは間違ってはいなかったようだという資料を発見しました。
それは、あの東京大学のサイトの中にありました。
「人からイヌにうつるあくびには飼い主とイヌの絆が重要であることを証明」という標題の記事です。
この報告は、次のような方々によって、平成25年8月に発表されています。
- テレサ ロメロ 氏(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 特任研究員)
- 今野 晃嗣 氏(京都大学野生動物研究センター・日本学術振興会特別研究員PD)
- 長谷川 壽一 氏(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 教授)
詳細については、ぜひこの記事を直接見てほしいと思いますが、この発表のポイントのみ、引用させて頂きます。(引用元は、「人からイヌにうつるあくびには飼い主とイヌの絆が重要であることを証明」です)
◆見知らぬ人のあくびよりも飼い主のあくびの方がイヌに伝染しやすいことを明らかにしました。
◆イヌの心拍を計測することにより、イヌにおける伝染性のあくびが不安やストレスではなく飼い主とイヌの絆や共感によって大きく影響されることを初めて明らかにしました。
◆人間社会で活躍する作業犬には共感能力が求められるため、イヌの伝染性のあくびにみられる犬種差や個体差を明らかにすることによって作業犬としての適性を判断できるようになることが期待されます。
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見知らぬ人のあくびよりも飼い主のあくびの方がイヌに伝染しやすい
僕ら人間は、人のあくびがよくうつります。
でも、そのうつる強さは、見知らぬ人よりも知人、知人よりも友人、友人よりも家族、つまりより親しい人ほど強い、ということがわかっている、ということを犬のあくびについて調べた時に知りました。
その時は、今回の灯台のサイトの記事を見つけられなかったので、推測で犬もそうだろう、というようなことを書きましたが、間違いではなかったようです。
犬のあくびは人からもうつる、ということはわかっていたようですが、この調査が行われるまでは、飼い主のあくびがよりうつりやすい、ということは明らかになっていなかったんですね。それも、つい最近と言っていいのか、2015年までは。
でも、逆に飼い主ではない、まったく見知らぬ人のあくびでも、犬にあくびがうつる、というのも少し驚きです。
個人的には、同じ種ではない、「人間から犬にあくびがうつる要因のひとつは、その犬と人間の親しさ、がある」からなのかな、と思っていた部分もあるので。
でも、犬と人間との関係は、そんな半端なものではなく、もっと根本的なつながりがある、ということなのですね。やはり、犬は人間にとって、特別な動物だということがあらためてわかりました。
そして、犬との親しさも無関係ではない、ということも、同時に明らかにしてくれています。
見知らぬ人のあくびも犬にはうつるのですが、見知らぬ人のあくびよりも、飼い主のあくびの方が犬にうつりやすい、ということなのです。
ということは、やはり「人間から犬にあくびがうつる要因のひとつは、その犬と人間の親しさ、がある」のも間違ってはいなかった、とうことですからね。
と思って、さっそくうちの犬の前に行き、あくびをしてみましたが、面と向かっていつもしないようなことをしたせいか、けげんな顔をして、あくびはしてくれませんでした。
ただあくびをすればうつる、ということでもないようです。
でもこれからは、普通に生活している中で、自分があくびをした時に愛犬もあくびをしたら、愛犬との絆を感じそうです。
しかし、犬があくびをする理由には、犬にストレスや不安がある、ということもあります。
飼い主のあくびが愛犬にうつるのは、そういう要因もあるのか、ということも考えられそうですが、この発表では、それについても、そうではない、ということを示してくれています。
犬にうつるあくびは不安やストレスではない
それが上のこの発表のポイントの2つ目です。
この発表のもととなる実験では、犬に心拍計を装着して、見知らぬ人のあくびがうつった時と、飼い主のあくびがうつった時の心拍数の変化の違いも調べていますが、結果として、全く違いがなかったとのことです。
全く見知らぬ人のあくびがうつった時と、飼い主のあくびがうつった時に、もし心拍数の差が見られれば、それは犬に何らかの心理的な不安、あるいはストレスが相手の違いよってある、ということになりますが、それが全くない。
ということは、犬に人のあくびがうつる要因として、そういった犬の心理的な不安やストレス要素は関係ない、ということになるようです。
また、それが見知らぬ人のあくびでも、犬にあくびがうつる要因なのかもしれません。これは僕の個人的な推測ですが。
ただ、見知らぬ人と飼主では明らかにうつりやすさに差があるということで、それは犬とのきずなの強さはあくびのうつりやすさに関係している、ということなのです。
この犬との絆を、この発表では、「イヌとヒトの共感レベルの差」と表現しているようです。
そして、このことから、「他者の感情を適切に処理する能力が求められる作業犬としての適性」を判断する材料として、このあくびのうつりやすいが使えるのではないか、とうことが書かれています。
これは、人との密接な関係を必要とされる盲導犬、介護犬、あるいはセラピードッグ、などをさしているのでしょうか。そこについては、具体的に書かれていないのでわかりませんが、こういった犬については、人ととの共感力が強いほど、適性があると言っていいのでしょう。
実際に、そういったことにこの研究がつながっていくといいですね。
また今後は、この「イヌの共感力」が犬種によっての違いもあるのかどうか、という点についても調べていきたい、ということも書かれているので、その結果も興味がありますね。
この発表は、2013年のものなので、すでにそういった研究も行われているのでしょうか。
そこはまだ調べられませんでしたが、今後も、こういった情報を拾っていきたいと思います。
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