老犬介護士の具体的な役割と果たすべき使命
老犬介護士とは何か、そしてなぜ今、必要とされてきているのか、について、「老犬介護士について改めて考える」のページで改めて考えていました。
老犬介護士について改めて考える ペット・トライアングルはもともとは、ネットでの子犬販売のネットショップでした。 でも、犬を販売することにいろいろと疑問を感じ、今の実店舗での飼われている犬のケアーを行うショップへと変わりま …
今回は、老犬介護士の役割とは何か、また、老犬介護士が果たすべき使命とは何か、この点について、より詳細に考えてみたいと思います。
老犬介護士のケアーの対象となるのは、前述の通り、ペットとしての犬と、その飼い主さんです。
そして、もっと広い意味では、社会に対する役割というものも、忘れてはいけないと思います。
ケアーのポイントは、犬とその飼い主さん、そして社会に対して、それぞれ違ってきます。
では、それぞれに対する具体的な役割について考えてみたいと思います。
犬に対しての老犬介護士の役割
犬、それも対象になるのは主に、老犬です。
そして実践的な介護の対象となるのは、老犬の中でも、老化による心身の衰退により、生活に支障をきたすようになった末期の高齢犬です。
そんな老犬だから、病気にもなりやすく、怪我もしやすくなっています。
そういった、病気や怪我を直すのは、獣医さんの役割です。
でも、獣医さんは老犬の日常生活のケアーはできません。
このような老犬に対して出来るだけ快適に生活出来るようケアーを行うのが、老犬介護士の役割です。
しかし、単に補助をすればよいというものではありません。より犬が快適に生活できるようになるための、専門知識、そして犬に不快感を与えないための実践的な犬との接触スキルにより、老犬のために、高度なレベルでの生活補助をしてあげるのが老犬介護士の役目であり、その存在感を示すものでもあります。
かつ、単に犬が出来ないことを補助をするだけでなく、犬自身が再び自分でできるように導きながら、犬自身が持っている自然治癒力を回復させることを意識しながら補助をしてあげることが老犬介護士の役割です。
一時的に補助してあげることにより、再び犬自身が自分で補助なしでできるようになるようにケアーをしてあげることが理想的な役割といえるでしょう。
でも、現実的にかならずしもそうなるとは限りません。
しかし、そういう姿勢で老犬の世話をすることにより、犬に対しても介護士の前向きな気持ちが伝わり、犬自身の前向きな気持ちを呼び戻し、かつ、飼い主さんの気持ちも明るくして、飼い主さんの気持ちも前向きにするものだと思います。
排泄の補助、食事の補助、運動の補助など、それぞれの分野について高度な老犬介護知識を持ち、かつ実践的なスキルを持って老犬のケアーをしていくことが、老犬介護士の役割であり、またその目的は単に排泄ができないから手伝ってあげる、自分で歩けないから手伝ってあげるというものではなく、あくまでも、それらのことを、愛犬自身が再び自分でできることを目標に、老犬の生活全般のトータル的なケアーをしてあげることが老犬介護士の老犬に対する役割なのです。
飼い主さんに対する老犬介護士の役割
愛犬が年老いて、今まで出来たことができなくなってきた姿を見て、一番心を痛めるのは、その犬の飼い主さんです。
思うように動くことができない愛犬、痴呆が進み飼い主さんのことも認識できなくなってきてしまった愛犬に対して、どのようにしてあげればよいのか、どう接してあげればよいのか、戸惑い、心を痛めてしまうのです。
それも、愛犬に対する愛情が深ければ深いほど、その戸惑いも大きくなるかもしれません。
中には、そんな愛犬の姿を見たくないと目をそらそうとする方もいらっしゃるかもしれません。
また、老犬だから仕方がない、とあきらめてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
逆に、何とか老化した犬を助けようとご自身で一生懸命介護をしようという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな、いろいろな飼い主さんに対して、力になるのも、老犬介護士の役割です。
目をそらそうとする方には、犬がまだ一生懸命生きようしていることを認識してもらい、辛いかもしれないけど頑張る犬の姿を見てもらうようにする。
老化だから・・・、とあきらめる方には、老化を遅らせたり、改善させる方法があるんだよ、ということを教えてあげて、より愛犬と長く暮らせるような努力をしてもらうように促す。
介護に一生懸命になっている方には、介護疲れで飼い主さん自身が具合が悪くなってしまうようなことを防ぐために、効率的な介護方法をアドバイスしたり、たまには息抜きをしてもらうようにして、まずは飼い主さんが元気でいることが、一愛犬のための一番の介護だということを思い出してもらう。
それぞれの飼い主さんに合わせた老犬介護をアドバイスしていくのが老犬介護士の飼い主さんに対する役割のひとつです。
そして、飼い主さんが常に明るく、前向きな気持ちで老化した愛犬と接することができるように、まずは飼い主さんの話を聞いてあげる。飼い主さんの考えをよく聞いてあげて、共感してあげる。ひと通り飼い主さんのお話、考えをお聞きしたところで、必要に応じて的確なアドバイスをしてあげる。いわば、老犬と暮らす飼い主さんのカウンセラーとしての役割がとても重要なのです。
これは、飼い主さん自身のためでもあり、また実際には介護される老犬のためでもあるのです。
犬は、その生涯のほとんどを飼い主さんそしてそのご家族と暮らします。
犬にとっては、飼い主さんがすべてなのです。
だから、老犬に限らず、犬はいつも飼い主さんがどんな気持ちでいるのか、何をしようとしているのか、鋭く観察して理解しています。
だから、どんなに一生懸命介護をしていても、暗く、疲れた顔と気持ちで世話をしていれば、介護される犬も、気持ちが落ち込み、状態もけっして良い方向へは向かわないでしょう。
逆に、犬がどんな状態になっても、常に飼い主さんが明るく、前向きな態度と気持ちで犬に接していれば、犬にもその気持ちが伝わり、それが犬の状態を改善に向かわせることにもなります。
万が一、犬との永遠の別れを迎えることになったとしても、犬は幸せな気持ちで、安らかに眠ることができるでしょう。
そして、犬との永遠の別れを迎えた時の飼い主さんの気持ちが自然な感情以上に落ち込まないようにケアーをしていくのも、老犬介護士の役割のひとつです。
愛犬との永遠の別れ、これはどんな飼い主さんにとっても、とても辛いことであり、悲しいことです。これは人間の自然で素直な感情であり、逆に何もなかったように平然としている方がいらっしゃったら、その方がよほど不思議です。
でも、その悲しみがあまりにも深かったり、時間的に長く引きずると、それは問題になります。
いわゆるペットロスの問題です。こうなると、飼い主さんの心の病気ともなってしまいます。それを防ぐのも、老犬介護士の役割のひとつです。
老犬の介護をお手伝いしていく過程で、飼い主さんとよくコミュニケーションをとり、そう遠くない将来に来るであろう愛犬との永遠の別れに対する心の準備を少しずつ促していくこと、飼い主さんと一緒に老犬のために出来る限りのことをしてあげて、飼い主さんに“年老いた愛犬に対して出来る限りのことはしてあげた”という気持ちを持たせてあげて、後で悔いの残らないようにサポートしていくこと、これがとても重要です。
飼い主さんがペットロスで落ち込んだままでいれば、先立った愛犬もいつまでも成仏できません。飼い主さんが最後の時もしっかりと愛犬を見送り、愛犬との思い出をよき思い出として、早く立ち直れるように、老犬の介護をしながら、飼い主さんの心のケアーをしていくことも、老犬介護士の重要な役割といってもよいでしょう。
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社会に対する老犬介護士の役割
ペットとしての犬が、高齢になっても、より長く、かつ快適に生活していくためには、その犬の飼い主さんがそのための知識を持ち、努力をしなければなりません。
このサイトでは何回も書いているように、犬のすべての生活は、その犬の飼い主さんの考え方、行動に100%依存しています。
そして、高齢犬がより長く快適に生きていくためには、老犬になる前からの備えが大きな役割を持っています。
つまり、犬の飼い主さんが、愛犬の老化についての知識を事前に身に付け、具体的な犬の老化防止の努力をしていくことが、犬の平均寿命を延ばしていくための大きな要素となるでしょう。
しかし、残念ながら現在、犬の飼い主さんの多くは、自分の愛犬の老後について、その具体的な症状があらわれてからやっと意識する、といってもよいのではないでしょうか。
したがって、より多くの犬が、長く、快適な老犬生活を送れるようにしていくためには、犬を飼う立場の人間の意識を変えていく必要があるといえます。
この、より長くかつ快適な老犬生活を多くの犬に与えていくために、犬を飼う立場の人間の意識を変えていくこと、これも、老犬介護士の社会に対するひとつの役割ではないでしょうか。
ひとりひとりの老犬介護士の力は限られています。
しかし、たくさんの老犬介護士が生まれ、それぞれの老犬介護士が、自らのできる範囲で、例えば、犬のライフケアーに関するセミナーや、シニアドッグ教室などを開き、努力していくことにより、全体としては、大きな力になっていくものと思います。
では、犬の飼い主さんにどのような意識を持ってもらいたいのか、考えてみたいと思います。この点については、大きな枠で、ふたつに分けてみました。ひとつは、飼い主さんは「愛犬の生涯に責任がある」ということ、そして、もうひとつは、「老犬になる以前からの犬の生活習慣が、老犬生活をより長く快適にしてくれる」ということ、です。この2点については別のページで書いていきたいと思います。
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