ペットロスは飼い主の宿命
でもペットロス症候群は絶対に避けて下さい

ペットロスとは、その名の通り、ペットを失うこと。ペットを失う、これは必ずしもペットが死んでしまうことだけではありません。

行方不明になる、盗難される、ということもあるでしょう。これもペットロスです。また、ペットにもいろいろな動物がいます。どんな動物でもペットロスの対象となります。でも、ここでは犬を対象として、犬が死んでしまった時のことについて書いていきたいと思います。

愛犬の死、これは飼い主にとってはほとんどの場合、避けることができない試練です。つまり、ペットロスは飼い主の宿命のようなものかもしれません。

飼い主さんが先に亡くなってしまう、ということもあると思います。しかし、一般的に、犬の平均的な寿命は10~15歳ぐらい、長生きする犬でも20年くらいです。それに対して、人間の平均寿命は80歳を超えています。

したがって、どんなに小さな子犬から飼っても、いつの間にか犬の実質年齢が飼い主を上回り、事故や病気がなくても、犬が先に老衰での寿命を迎えてしまうことが多いのです。

そして、犬に死をもたらすのは老衰だけではありません。事故や病気などで、若く元気な時に、突然死が訪れることもあるのです。

愛犬が自分よりも先に亡くなることは、愛犬を迎えた時からわかっているはずです。

それでも愛犬が亡くなった時には、その現実をなかなか受け入れられない、悲しみで明け暮れる日々が続いてしまいます。

これがペットロスです。

この状態が長引き、うつ病や摂食障害、不眠などを引き起こし、日常生活や仕事にも影響を与えるようになると、ペットロス症候群という精神疾患ともなってしまいます。

ペットロスは愛犬家にとって避けることができない宿命なのです。

でも、亡くなった愛犬のためにも、ペットロス症候群にならないようにしなければいけません。

どうしたらペットロス症候群になるのを避けることができるのか、考えてみたいと思います。

実は僕も、ペットロスから抜け出ることが出来ていません。

4年前の夏、突然のミルキー(ボーダーコリー)の永眠、翌年の秋には、サラ(ジャーマンシェパード)、そしてプーちゃん(トイプードル)があいついで旅立っていきました。

あまりのショックで、プーちゃんが旅立った後は、写真を見てもすぐに涙が溢れてきてしまうので、しばらくは写真も見られない状態でした。今も書きながら涙が出てきてしまっています。

ペットロス、もしかしたら愛犬が愛する飼い主にあえて与えている試練なのでしょうか。

愛犬が死んでしまった時にペットロスになるのは、避けられないこと、むしろ、ペットロスにならない方がおかしいと思います。

でも、そこからペットロス症候群という心の病になってしまうのは、絶対に避けなければなりません。

そうならないことを、亡くなったペットも絶対に望んでいるはずです。

では、どうしたらペットロスから、ペットロス症候群に進まないように出来るのか?

と、その前に愛犬の亡くなり方によって、飼い主の気持ちも違ってくると思います。

  • 老衰
  • 病気
  • 事故

大きくはこの3つのケースでしょうか。それぞれの場合について考えてみたいと思います。

愛犬が老衰で亡くなった時

老衰の場合、ある程度覚悟はできているかもしれません。でも、いくら覚悟していても、いざ亡くなってしまうと、その悲しさはとても深いものです。

ただ、ある意味では、愛犬の死に対して一番納得というか、頭で理解しやすいのが、老衰かもしれません。

私も20歳以上まで頑張ってくれた雑種の愛犬チロを10年以上前に亡くしました。長野県に住んでいた頃に家の庭に迷い込み、結局飼うことにした犬ですが、まだ子供たちが小さかった頃に一緒に過ごし、また仕事の関係でルクセンブルグへ赴任した時も、連れて行って、ヨーロッパを一緒に旅行したり等々、本当にいろいろな思い出を私たちに残してくれた愛犬でした。

いろいろな事情により、最後は私の実家の方で世話をしてもらっていましたが、最後の1~2年は、私たちのことを認識できないくらいぼけてしまいましたが、私たち家族はチロの死で悲しみに沈みました。

ただ、同時にここまで頑張ってくれてありがとう、という素直に感謝の気持ちでいっぱいでした。ある程度は、この時がくることの覚悟もしていたので、悲しくても、その死を受け入れやすかったと思います。

そして、チロが老衰で亡くなったことが、私たちに老犬介護を始めるひとつのきっかけになりました。

老犬介護の勉強をはじめ、実践していく中で、改めて、チロに対して、もっともっと出来ることがたくさんあったんだ、ということがわかり、悔しい気持ち、悲しさがよみがえることもありました。

だから、このサイトでも老犬介護についてかいていますが、老犬に対して後悔のないように、飼い主さんには出来ることはやってほしいと思っています。

いくら介護をしても、もっとこうしてあげれば良かった、という後悔の気持ちは必ず残ると思います。それでも、少しでも老犬のためにできた、という気持ちも感じられると思います。老犬介護は、老犬のためではあるのですが、飼い主さんのペットロスを少しだけでも和らげることにも、つながるのではないかと思っています。

老犬の場合、ある程度は覚悟も出来ているので、それに加えて、老犬介護をしっかりと行ってあげれば、ペットロスは、軽減できる可能性があると思います。

ただ、老犬介護を一生懸命やればやるほど、もっとこうしてあげれば良かった、また、一生懸命介護したからこそ、その死に対する悲しみが深くなることもあるかもしれません。

また、一緒に過ごした時間が長く、思い出もたくさんあることから、その愛犬を失った飼い主の喪失感はとても大きなものになる場合もあるでしょう。

そんな時は、たくさんお思い出を残してくれたことに感謝して、長生きして老犬介護までさせてくれたことに感謝の気持ちを意識して下さい。

悲しみの中から、少しずつ亡くなった愛犬が残してくれた温かさが感じられるようになってくるかもしれません。

愛犬が病気で亡くなった時

病死の場合、もっとこうしてあげればよかった、なんでもっと早く気付いてあげられなかったのか、など飼い主自信が自分を責める、後悔することが多くなる場合もあるかもしれません。

現在、犬の死因のトップはガンだと言われています。犬のガンが増えた理由は、主に犬の高齢化が進んだためとも言われていますが、ガンは若い犬でも発症する可能性が十分ある病気です。

そして、若いほど進行も早いと言われています。

しかし、ガンも現在では直すことのできる病気です。

したがって、ガンになったから必ずダメだ、ということは考えずに、いろいろな治療にトライする場合もあるでしょう。

でも、同時のどこかで、もしかしたら、という可能性も意識しなくても頭のどこかをよぎっているかもしれません。

また、治療は出来ても、その治療にかかる費用は高額になり、治療を受けるかどうかを悩まなくてはいけない場合もあると思います。

ペット保険に入っていれば、負担も少なくなりますが、まだまだ犬のペット保険に入る人が一般的にはなっていないと思うので、現実的には大きな問題になる可能性があります。

治療をしても治る可能性は低い、しかも犬が苦しんでいるようであれば、早く愛犬を楽にさせてあげたい、という気持ちになるかもしれません。いいか悪いかは議論があると思いますが、犬を心から愛しているからこそ、そういう気持ちになることも理解できます。人間でも同じ問題が起きています。ただ、人間の場合は苦しんでいる本人が気持ちを伝えられますが、犬はそれができません。すべては、飼い主さんの判断にまかせられるのです。

そして、どんな判断をしても、もし結果的に犬が亡くなってしまった場合、飼い主には後悔の気持ちが残るかもしれません。

でも、犬はどんな判断でも、飼い主さんが判断したことを100%支持するでしょう。

犬が病気で亡くなった場合、特に若い犬の場合は、どんなに覚悟をしていてもその辛さ、悲しみははかりしれないものだと思います。

病気で犬を亡くすなんてことは、誰でも経験したくないことです。でも、もしかしたら、愛犬は自分が病気になることによって、飼い主さんになんらかのメッセージを残したかったのかもしれません。

難しいとは思いますが、あえてそう考えて、犬が病気になったこと、その病気で亡くなってしまったことには、どのような犬からのメッセージがあったのか、じっくりと考えてみることも、ペットロスを軽減してくれるのに役立つかもしれません。

愛犬が事故で亡くなった時

ついさっきまで元気だった愛犬が、突然の事故でその命を失ってしまったら、飼い主のショックはとても大きなものになるでしょう。

ほんの少し前まで元気に遊んでいた愛犬が交通事故で・・・・。

一瞬にして愛犬の命が奪われてしまう、これは飼い主としてはもっとも気持ちの整理が難しいケースだと思います。

愛犬の死を受け入れるには、かなりの時間が必要になる場合もあるかもしれません。

そして、このようなケースの場合も、飼い主さんが、あの時こうしていれば、ここを通らなければ、というような、自分を責めることが多くなってしまうかもしれません。

これは、人間の場合と全く同じでしょう。

事故で一瞬にして愛犬を失う、まだ死ぬなんて考えていなかった愛犬が急にいなくなってしまう、すぐにその現実を受け入れることは難しいでしょう。そして、こういうケースはもっとも飼い主の心を傷つけるのかもしれません。

でも、僕は人間もそうですが、愛犬の死にも、必ずその意味、死んだことによって伝えたいメッセージがあると思っています。

別れはいつやってくるかわからない、だから、常に何事にも真剣に一生懸命取り組んでおかないといけない、ということを伝えたかったのだと。

だから、たとえ突然の別れでも、絶対に愛犬の死を無駄にしてはいけないのです。

愛犬との別れがあったからこそ、自分はこうなれたんだ、と後で思えるように生きてあげなければいけないのです。

もちろん、突然愛犬が亡くなった時にそんなことを考える余裕はまったくないでしょう。そして、その時にそんなことを考えても、愛犬を失った悲しさ、辛さは失せることはないでしょう。

それでも、そう考えることによって、前に進もうという気持ちを自分の中に芽生えさせることが出来るかもしれません。

どんなケースでもそうですが、愛犬を失って悲しくない、辛くない飼い主は絶対にいません。

でも、それが原因で飼い主さんが本当の病気になってしまうことを、亡くなった愛犬は絶対に望んでいません。

これだけは、間違いのないことです。

ペットロスにはなっても、ペットロス症候群にならないためには

できるだけ、ペットロス症候群にならないための方法について書いてみました。

愛犬を失ってペットロスになる、これは仕方のないことで、犬を飼う人間の宿命です。

長年一緒に暮らした愛犬が年老いて、老衰で亡くなった時は、たとえ覚悟は出来ていても、一緒に暮らした時間が長い分、その愛犬を失った喪失感も大きくなり、淋しさのレベルはとても高いかもしれません。

病気で亡くなった愛犬に対しては、もっとこうしていれば、と愛犬を病気から守れなかったという悔恨の気持ちが大きく、自分を責める気持ちが最も大きいかもしれません。

事故のようにある日突然愛犬を失う、飼い主の人間にとってはもっともショックが大きく愛犬が亡くなった現実をすぐに受け入れることはできないでしょう。犬を失ったことが信じられない、信じたくないという気持ちが大きく、愛犬の死を受け入れるのに最も時間がかかるかもしれません。

どんな場合でも愛犬を失った悲しさ、辛さ、ペットロスの気持ちは言葉にはならない物だと思います。

でも、そこから心身の疾患を伴うペットロス症候群になるのは、絶対に避けてください。

亡くなった愛犬も、自分の死によって飼い主をそこまで苦しめることになるのは絶対に望んでいないはずです。

では、ペットロスからペットロス症候群にならないためにはどうすればよいのか?

それは、愛犬との別れを迎えた時は、思いっきり泣くことではないかと思っています。それが最も効果のある方法だと。

でも、人前、それが家族の前でも、思いっきり泣く姿は見せたくない、という方もいるでしょう。

そんな方は、ひとりの時に、思いっきり泣いてください。

子供はもちろん、年配の大人でも、女でも男でも、お母さんでもお父さんでも、とにかく徹底的に泣いてください。

愛犬との別れは、悲しくて当たり前です。そして悲しいときは泣くのが当たり前です。悲しいときに泣くのを抑えたら、それがストレスになり、より心身の異常を引き起こしやすくなります。

泣いて、涙を流せば流すほど、悲しみも少しずつ、体の中から流れ出ていくはずです。

悲しみを体の中に溜め込める量には限界があると思います。その限界を超えてしまうと、ペットロス症候群になってしまいます。

だから、思いっきり、徹底的に泣いて、その涙とともに少しでも悲しみを体の外に流しだすのです。

悲しみを完全に体の中から出すことはできません。一生残ってしまうかもしれません。それでも、体の許容量の範囲であれば、ペットロス症候群にはならないでしょう。

悲しみの許容量は人によって違います。1日分の涙を出せば保てる人と、3日、または1週間必要な人もいるかもしれません。

でも、1日中泣いているわけにはいきません。思いっきり泣ける場所、環境を1日の中でいくつか作り、そこで、愛犬のことを思い出して涙を流してください。

これが私が推奨するペットロスを避けるための最良の方法です。後は時間の助けを待つだけです。どんなペットロスでも、時間が必ず、少しづつその苦しみを和らげてくれるはずですから。

そして、ペットロス症候群にならずに、頑張って生きていれば、必ず亡くなった愛犬に再開できると信じています。

ではどうしたら亡くなった愛犬に再会できるのか、その方法について、次のページでお話したいと思います。

愛犬と再び会う方法とは

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