ビション・フリーゼ、独特のパウダーパフというカットをした愛玩犬
ビション・フリーゼ、知っている方は知っていると思いますが、真っ白の巻き毛で、独特のパウダーパフというカットをした愛玩犬です。
このページではビション・フリーゼの写真は掲載していませんが、写真をご覧になりたい方は、下のビション・フリーゼの写真をご覧ください。
ビション・フリーゼ登録数順位と登録数(JKC)
もっと人気が出ても良い犬種のように思っていましたが、JKCの犬種別登録数のデータを見ると、実際、ここ数年は、ビション・フリーゼの登録数は右肩上がりに伸びていました。
下のグラフをご覧ください。オレンジの棒がビション・フリーゼの毎年の年間登録数、ブルーの棒がJKCのすべての犬種の総登録数、グレーの折れ線がビション・フリーゼの順位です。(※ブルーの総登録数は、表示の都合上実際の数字の1/25となっています。)
▼ビション・フリーゼ登録数順位 登録数 JKC総登録数
- 2015年 22位 2306頭 JKC総登録数:301605頭
- 2010年 29位 924頭 JKC総登録数:392958頭
- 2005年 37位 709頭 JKC総登録数:554151頭
- 2000年 44位 547頭 JKC総登録数:447978頭
*データはJKCの公開データからの引用です。
JKCのすべての登録数は、2003年の575,792頭をピークにその後は毎年減っていて、なんと2015年の総登録数は301,605頭と2003年の半分近くまで減っていたのです。
しかし、ビション・フリーゼに関していえば、2000年から2009年ぐらいまでは、年間登録数が500~700頭ぐらいで推移していたものが、それ以降は右肩上がりに増えていて、2015年には2,306頭と、2010年以前の3~4倍に増えているのです。
JKC総登録数がこれだけ落ちている中で、ビション・フリーゼの登録数がこれだけ増えているということは、それだけビション・フリーゼの人気がここ数年で急激に高まっているということになります。
登録数の順位としては、2015年は22位です。参考までに、21はボーダーコリー、23位はイタリアン・グレーハウンドですから、最近のビション・フリーゼの人気がどの程度かわかるのではないでしょうか。
しかし、トイプードルの人気を考えると、ビション・フリーゼの人気はもっと高くなっていいでしょうし、そうなるのではないでしょうか。
ビション・フリーゼの大きさ
ビション・フリーゼの大きさは、JKCの規定では、体高が30㎝を超えてはならないとあります。だいたい24~29㎝ぐらいで、体重は3~6㎏ぐらいです。
少し大きめのトイプードルぐらいの大きさでしょうか。ただ、ビション・フリーゼのカットは、トイプードルよりもふっくらふわふわで、特に顔は丸く大きく見せるようなカットが好まれるので、見た目は、トイプードルよりも大きく見えるかもしれませんね。
ビション・フリーゼの性格
とても陽気で他の犬や人間にも、とても友好的な性格の犬だと言われています。私は見たことはありますが、実際に触れあったことはありません。しかし、少なくとも、犬仲間やブリーダーからビション・フリーゼに関しては、咬む、唸るなどの攻撃的な話は聞いたことはありません。
実際には、飼い方・しつけ方の影響などもあるので、危ないビション・フリーゼも、もしかしたらいるかもしれませんが、基本的には、性格的にもとても扱いやすい犬種のようです。
ビション・フリーゼの歴史
ビション・フリーゼの原産国はフランスと言われています。しかし、もととなる犬は、アフリカ大陸の西端少し上、モロッコの沖合のあたりの大西洋にあるスペイン領カナリア諸島だと言われています。
そして、さらにそのカナリア諸島にいた犬のもととなったのは、地中海にいたウォータードッグ系の犬、つまり水猟犬だともいわれています。そして、そのウォータードッグのひとつとして「バーベット」という犬種名が出てきます。
実はこの「バーベット」、トイプードルの祖先犬のひとつではないか、とも言われているのです。
この「バーベット」にマルチーズのような小型の白い犬を交配させて作られたのが、「バービション」という犬の系統として確立されていった中で、「バービション」が省略されて「ビション」という名前が生まれてきました。
当時、ビションの系統は、さらに「ビション・マルチーズ」「ボロネーズ」「ハバニーズ」「テネリフェ」の4種類に分けられていたそうです。
そして、その中の「テネリフェ」が現在のビション・フリーゼのもとになった犬、ということなのです。「テネリフェ」というのは、前述のカナリア諸島にある島の名前です。
つまり、地中海から船乗りによってカナリア諸島に連れてこられたビション系の犬が、その後、またイタリアの水夫によってまたイタリアに持ち込まれたのが、その後のビション・フリーゼなのです。
さらにその後、イタリアがフランスの侵攻を受け、イタリアの上流階級ですでに人気となっていたビション・フリーゼはフランスに持ち込まれ、フランスでも上流階級の貴族に人気の愛玩犬となっていきました。
その後ヨーロッパ全土にビション・フリーゼの人気は広がっていったようですが、徐々にその人気も陰り、上流階級の犬から庶民の犬、さらにサーカス犬にもなっていったようです。
そして、第一次、第二次の世界大戦によってビション・フリーゼも一時は絶滅の危機があったようです。しかし、フランスのビション・フリーゼ愛好家、ブリーダーの努力によりなんとか復活、1934年にはフランスのケンネルクラブに正式に「ビション・フリーゼ」として登録されました。
その後、1950年代にアメリカにも持ち込まれたビション・フリーゼが、アメリカで考案された、現在ビション・フリーゼのトレードマークともいえるパウダーパフというカットで人気となり、1973年にはAKCでも正式にビション・フリーゼとして登録されました。
さらにその後日本へも渡ってきたビション・フリーゼですが、当時日本ではすでに白い愛玩犬としてマルチーズが人気絶頂、パウダーパフのビション・フリーゼの日本での人気は、他の愛玩犬種と比べると、それほど盛り上がらなかったようです。
しかし、ここ数年で急激にビション・フリーゼの人気は上昇中です。
やっと、日本でもビション・フリーゼの良さが浸透してきたのでしょうかね
今後、さらに日本でのビション・フリーゼの人気は上がっていきそうです。
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