いまだにある犬の散歩での迷惑行為
うちの方はまだまだ都会ではないせいか、犬の散歩でいまだに迷惑なことを時々目にします。
今回は、散歩で犬が引っ張るとか、きちんとリーダーウォークしているとか、そういうことではなく、犬の飼い主のマナーとしての問題について考えたいと思います。
したがって、犬のしつけという観点は全く入っていません。単に飼い主となる人間のマナーの問題です。
犬の散歩でやってほしいこと、やめてほしいこと、それは次の3つです。
- 犬のうんちを持ち帰らない
- ノーリードで犬を散歩している
- 自転車で犬の散歩をしている
これらはとても迷惑なことだとおそらくやっている飼い主さんたちもわかっているはずです。
ある意味確信犯的な行為と思われますが、そのために犬や犬の飼い主全体が悪者扱いされてしまうこともあるのです。
今日は特にその中でも散歩での犬のうんちを持ち帰らないことについて書こうと思います。
散歩で犬のうんちを持ち帰らない
残念ながら、犬の散歩に行くと、必ずといっていいほど、明らかに散歩での犬のうんちとわかるものを目にします。
これだけ、マナーとして散歩で犬がうんちをしたら、飼い主がそれを片付けて持ち帰る、というのが言われているのに、なぜ、いまだに犬のうんちを持ち帰らない飼い主さんがいぬのでしょうか。
- うんちは汚いから触りたくない
- うんちは臭いから顔を近づけたくない
- うんちを持って歩きたくない
- うんちを持って帰っても処理が面倒だ
だいたいこんな感じが理由ではないでしょうか。
要するに、汚いものを触ったり持ち運んだり、家に持って帰れたくない、ということではないでしょうか。
つまり、自分がそう感じているものを、全く関係ない人たちの目に触れさせ、また踏ませてしまっていることになるのです。
自分の犬が散歩でうんちをしてもそのままにしていってしまう人が、もしほかの犬のうんちを踏んだ時はどう思うのでしょう。
決して平気ではいられないのではないでしょうか。
であれば、なんで自分がその加害者になるようなことが出来るのか、不思議と言えば不思議だけど、そういうものなんでしょうね。
と呑気なことを言っている問題ではないのが、この放置うんちの問題です。
放置されたうんちの衛生的な問題
単に汚いというだけでなく、歩道や公園で持ち帰られずに放置された犬のうんちは、公共的衛生問題にもなっています。
- ハエなどの害虫の発生
- 他の散歩の犬が食べてしまう
- 歩いている人、また遊んでいる子供が踏んだり、触ったりしてしまう
などなど、環境だけでなくほかの犬や人間への健康被害にもなりかねないのです。
実際、ペットホテルでお預かりしている犬の散歩をしていても、よく放置された犬のうんちが落ちています。
お預かりしている犬の中には、そのうんちの臭いを嗅いだり、食べようとする犬もいるので、うんちが落ちていると気を使います。
ましてや、小さなお子さんがいる方は、公園などでは犬のうんちにとても気を遣うのではないでしょうか。
単に汚い、というだけでなく、お子さんがうんちを知らないうちに触ったりして、その手でお菓子を食べたり、また手を舐めたりすれば、お子さんのまた家族の方の健康を害してしまうことにもなりかねません。
仮に、そういう経験をしたならば、犬自体を、また犬を飼っている人を嫌悪するようになっても不思議ではありません。
つまり、一部のマナーを守らない飼い主のために、犬、そして犬を飼っている人たち全体の印象が悪くなってしまいます。
まじめに犬を飼っている人間にとっては、そして何よりも犬たちにとっては、とんでもないとばっちりとなっているのです。
マナーと書きましたが、実際には単にマナーの問題ではなく、法律的にも刑罰の対象となるのです。
犬のうんちを放置する法的な規制
犬の散歩でうんちを持ち帰らない場合、法的な規制はないのか、というと該当するものはあるのです。
第一条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
その各号の27には
公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
と書かれています。
犬のうんちはこの汚物に該当すると解釈できるでしょう。
また、廃棄物処理法では、廃棄物を「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの」としています。
つまり犬のうんちはこの廃棄物処理法の廃棄物にも該当すると解釈できると思われます。
従って、厳密に言えば、法律的にも散歩で犬のうんちを放置した場合は、こういった法律によって処罰の対象となる可能性が高いと思われます。
ただし、明確に犬のうんちと書かれていないので、若干微妙なところはあるかもしれません。
そういうこともあるのか、地方自治体によっては条例で明確に規制しているところもあるようです。
そういった規制がどの程度、効力を持つのか、その自治体によって違うのかもしれませんが、現実的にそれを適用するにはそれなりの証拠となるものが必要だろうし、簡単ではなさそうですよね。
それに、そのために時間と労力、場合によっては費用をかけてまで対抗しようという人もほとんどいないようにも思います。
それが結果的に、犬が散歩でうんちをしても持ち帰らない人を放置する結果になっているように思います。
お役所や保健所、また動物愛護法なども、こういったところにもっと厳しく取り締まれるように力を入れるべきではないかと思うのですが。
犬のうんちの問題は日本だけではないようです
この散歩でのウンチの問題、実は日本だけではないのです。
もしかしたら、まだ日本はいい方なのかもしれません。
僕も約20年前の1990年代後半は、ヨーロッパのルクセンブルグというところに仕事の関係で住んでいました。ルクセンブルグは国民の意識レベルが高いせいか、あまり犬のうんちがきになったことはありませんでしたが、それでもやはり見かけることはありました。
ひどかったのはやっぱりパリです。よくパリの街を歩くときは犬のうんちに気を付けて、と言われていましたが、確かにそれは間違いではありませんでした。
犬が社会の一員として、日本に比べるとはるかに溶け込んでいるのが、逆にそういった結果になっているのでしょうか。
当時、「現地の同僚にパリはなんであんなに犬のうんちが落ちているんだ、飼い主は持ち帰らないのか」と聞いたところ、「パリでは犬のうんちを専門に掃除をする仕事をする人がいる。もし飼い主がうんちを持ち帰ってしまったら、その人たちの仕事がなくなってしまうんだ」という答えが返ってきました。本当かどうか、その時は確かめることもなく、なるほどね、と思ったものでしたが、今はどうなっているのでしょうか。
実際、そのフランスも含めて、ヨーロッパの各国では、犬のうんちを持ち帰らない場合は、罰金が科せられている国がほとんどのようです。
スイスではなんと25万円の罰金となるようです。確かに、20年前もスイスの物価は異常に高いと言われていて、スイスでマックのハンバーガーが日本円で千円ぐらいするのに驚いた記憶がありますが、犬のうんちで25万円はすごいですね。
実際にその罰金を払うことになっている人がどのくらいいるのか、実効力がどのくらいあるのかはわかりませんが、犬を飼う人間へのインパクトはあるでしょうね。
日本でも25万とはいわなくても、万単位の罰金でもあれば、うんちを持ち帰らない人は減るかもしれません。やってみたらどうでしょうか。
根本的な解決策は散歩でうんちをさせないことです
犬の散歩でのうんちの問題を、散歩で犬がうんちをするのは当たり前という感じで書いてしまいましたが、本来は、うんちだけでなく、おしっこも含めて、散歩で犬に排泄をさせないようにするべき、というのが僕たちの考え方です。
現在、犬を飼うのは室内で飼うのが当たり前、そうするべきで、そうであれば、犬も家の中で排せつが出来るように育てる、しつけることが飼い主の義務だと思います。
また、しつけトレーニングを行うにも、犬が外でおしっこやうんちをする癖がついていると、リーダーウォークも教えることが難しくなります。おしっこやうんちをするために、犬は飼い主さんから意識を放さなくてはならなくなります。そうなると、リーダーウォークはできません。
また、散歩でしかおしっこやうんちが出来ない犬は、雨が降っても、台風が来ても、犬の具合が悪くても、飼い主の具合が悪くても、犬が高齢になってまともに歩けなくなっても、外に散歩にいかなくてはいけません。
それは、飼い主が大変なだけでなく、犬にとっても決していいことではありません。
たとえ犬にレインコートを着させたとしても、犬の足はおなかは濡れてしまうでしょう。犬の健康を考えれば、雨の日は室内で過ごさせてあげるのが一番です。室内でトイレが出来れば、あえて外に行く必要もありません。
適切なしつけトレーニングをすれば、犬は外では排泄をしなくなります。
外で排せつをしない、散歩でおしっこやうんちをしないようになれば、犬の散歩で環境を汚すことなく、衛生面でもいいはずです。
そして、うんちを取ったり、おしっこを水で流したりする必要もなくなります。それでも、万が一のためにそういった対処が出来る準備は必要だと思いますが、それを使う機会はほとんどなくなるでしょう。
他人や環境に迷惑をかけることがなくなるだけでなく、飼い主さんも、そして何よりも愛犬が楽になるのです。
散歩での犬のうんちを持ち帰らないのは論外ですが、散歩で犬におしっこやうんちをさせている飼い主さんも、その必要がないようにしてみませんか。
散歩はあくまでも、犬の運動の時間であると同時に、犬と飼い主さんのコミュニケーションの時間であるべきたと思うのです。
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