犬、その他動物の睡眠時間
先日、「犬のしつけトレーニング 成功のカギは睡眠!」ということで睡眠の重要性について紹介しました。
睡眠の重要性は犬も人間も同じだと面ますが、実際に犬の睡眠は人間とどう違うのか、ということを調べてみました。
まずは睡眠時間です。ワシントン大学のサイトによると犬の平均睡眠は10.6時間ということです。(参考サイト:How Much Do Animals Sleep?)
これは平均時間ということで、犬の睡眠時間としては、少し短いように感じます。
ネットで調べてみると、成犬でだいたい12~15時間ぐらいと書いているところが多いようです。この根拠までは調べられませんでしたが、イメージ的にはこの数字が現実的なのかな、と感じます。
以前、ブリーダーに聞いたところでは、食事の時間以外は、ほとんど犬は寝ている、1日の2/3ぐらいは寝ている、と聞いたことがあります。
1日の2/3というと16時間ぐらいということで、上の数字にほぼ近い数字となりますね。
うちの犬たちの場合も、食事の時やトイレの時、散歩の時以外は、こちらが構わなければ、ほとんど寝ていますから、やはり1日15~16時間ぐらいは寝ています。
つまり、犬は何かを警戒したりする必要がなければ、ほとんど寝ている動物ということなのです。
ただし、人間のようにまとめて7時間前後寝るのではなく、何もないときは寝る、何かあれば起きる、というように特に昼間は断続的に睡眠をとっているようです。
うちの犬たちもそうですが、昼間は、ちょっとした物音や気配があるとすぐに犬は目を覚まします。
これは、犬に残っている野生の本能のためと言われています。
野生では、常に他の動物などから身を守るために、動物たちは本当の意味での熟睡というのができにくい環境で暮らします。つまり寝ていても、何かの気配があれば、すぐに起きて対応することが生きるために必要なのです。
逆に言えば、寝られる時に寝ておく、ということになり、睡眠が浅い分、トータルでの睡眠時間を稼ぐ、ということでしょうか。
野生の動物でも、肉食系の動物と、草食系の動物では、睡眠時間がかなり違うようです。参考までに、上で紹介したワシントン大学のサイトから主な動物の平均睡眠時間を紹介します。
- コウモリ 19.9 時間
- トラ 15.8 時間
- リス 14.9 時間
- イタチ 14.5 時間
- ナマケモノ 14.4 時間
- ハムスター 14.3 時間
- オオカミ 13.0 時間
- ライオン 13.5 時間
- ネズミ 12.6 時間
- 猫 12.1 時間
- チータ 12.1 時間
- ウサギ 11.4 時間
- 犬 10.6 時間
- バンドウイルカ 10.4 時間
- チンパンジー 9.7 時間
- 豚 7.8 時間
- 牛 3.9 時間
- 羊 3.8 時間
- アフリカゾウ 3.3 時間
- ウマ 2.9 時間
- キリン 1.9 時間
こうやってみると、肉食系の動物、あるいは小型で身を隠しやすい動物は睡眠時間が長く、大型の草食系の動物はかなり睡眠時間が短いのが分かります。
大きな草食動物は、野生の中では常に警戒する必要があるので、睡眠と言う最も無防備な状態が極端に少ない、ということになるのでしょうか。
犬の睡眠の質
犬の睡眠時間は、人間の約2倍ぐらいだということがわかりましたが、ではその分、犬は人間よりもぐっすりと良く睡眠がとれているのか、というと必ずしもそうとは言えません。
睡眠には量だけでなく、質の問題があるからです。
ひとくちに睡眠と言っても、この睡眠は2つの睡眠で構成されています。
ひとつはレム睡眠、もうひとつはノンレム睡眠です。
一般的にはレム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠りと言われています。しかし、睡眠研究の第一人者である櫻井武先生という方が書かれた「睡眠の科学」によると、この2つの睡眠は単に眠りが浅い、深いという違いではなく、根本的に質が違うということが書かれています。
ノンレム睡眠では脳の活動も体の活動も休止状態になっている状態なのに対して、レム睡眠は体は休止状態であるものの、脳は覚醒時、つまり起きている時よりも活発に活動しているとのことなのです。
夢はこのレム睡眠の時に見るということですが、レム睡眠はそれが脳が活発に活動している理由ではなく、脳の中でいろいろな記憶の整理などが行われていると考えられているようです。
そしてそれが、「犬のしつけトレーニング 成功のカギは睡眠!」の記事で紹介している、睡眠による記憶の強化に関係しているらしい、ということです。このあたりの具体的なメカニズムは、解明されていない点がたくさんあり、睡眠に関しては現代の科学をもってしても、まだまだ不思議な道の分野なのです。
しかし、レム睡眠とノンレム睡眠についてはこの組み合わせを1サイクルとすると、その1サイクルの時間はだいたい90分だということが分かっています。
人の場合、ノンレム睡眠が睡眠の75%を占めて、残りの25%がレム睡眠ということです。これを普通は集中的に撮るのが人間の睡眠です。
しかし、犬の場合は、このノンレム睡眠とレム睡眠の比率が全く逆になるようで、レム睡眠が睡眠全体の80%を締めるといわれているようです。
また、人間の場合は睡眠はノンレム睡眠から入るといわれていますが、犬はいきなりレム睡眠から入るといわれているようです。
これは、前述した野生の本能的な影響で、等物の場合、脳も体も休止状態となるノンレム睡眠はより無防備な状態となるため、必然的にレム睡眠が主体の睡眠になるといわれています。
また、人間のようにまとめて7時間前後の睡眠をとるのではなく、昼間も断続的に睡眠をとるため、これも危険回避のためにレム睡眠から入ると考えられます。
このように、人間と犬とでは睡眠の質も全く違うのです。
ただ、実際にうちの犬たちを見ていると、確かに昼間は寝ていても何かの物音にすぐに反応しますが、夜同じ別途で一緒に寝ているパピヨン、また今は永眠してしまいましたが、同じベッドで一緒に寝ていたトイプードルは、夜はほぼ同じ時間に寝て、同じ時間に起きていました。そして、夜は少しぐらいの物音では目を覚まさず、見た目は完全に熟睡状態だったように見えました。
こういった例からは、犬も全く危険を感じないところでは、ノンレム睡眠の比率が上がっているのではないかと思われます。少なくとも見た目では。
やはり環境によって、犬の睡眠の質も大きく変わってくるのではないでしょうか。
犬の睡眠の質を上げるには
前述の「睡眠の科学」と言う本によると、睡眠によって、記憶が強化され、さらに知的能力や認識力も向上している可能性がある層です。
だから、犬のしつけトレーニングにおいても、その日にはできなかったことが、次の日には出来るようになっているのではないかと推測できます。(詳しくは「犬のしつけトレーニング 成功のカギは睡眠!」を参照ください)
その記憶などの強化は、単にレム睡眠での活発な脳の活動だけによるものではなく、ノンレム睡眠時に脳のいろいろな活動がリセットされることによるものではないか、と考えられています。
ということは、通常犬には少ないといわれるノンレム睡眠に比率をあげられるような睡眠を犬にさせてあげることが、犬の睡眠の質を上げることになるのではないでしょうか。
そのためには、犬が何の危険も感じないような、安心して眠れる場所で睡眠をとらせることが重要だと考えます。
では、犬が最も安心して睡眠取れるのはどこなのでしょうか。
それは、飼い主さんと一緒に寝ることではないかと思います。
したがって、夜は愛犬を飼い主さんのベッドや布団で一緒に寝かせるのは、とてもお勧めということになるのです。
ただし、愛犬との主従関係と信頼関係がしっかりと出来ていることが条件となります。もし犬がリーダー意識をもっていると、飼い主を守ろうとする本能が働くので一緒に寝ていたとしても犬は常に周りの状況は気配に目、耳、鼻をアンテナとしながら眠ることになってしまいます。これではノンレム睡眠には入りにくいでしょう。
でも飼い主さんが犬を守ってあげる立場になっていれば、犬は飼い主さんと一緒であれば安心して眠ることが出来るでしょう。
そして、昼間はクレートをハウスとしてあげれば犬は安心していられるスペースが確保できることになります。
夜も愛犬と一緒に寝るのは難しいという人もいるでしょう。その場合は、昼も夜もクレートを犬にハウスとして与えてあげることをお勧めします。
野生のキツネなどの動物が安心できるスペースは穴倉です。狭く囲われていますが、外敵から最も身を守るのに適しています。
犬もその本能があるので、家の中でも部屋の隅や机やいすの下など、囲いらしいものがあるところで寝る犬も多いと思います。
でも、クレートならそれ以上に穴倉に近いスペースを与えることが出来ます。
愛犬に質の良い睡眠を十分にとらせるためにも、クレートをハウスとして与えることをお勧めするのです。
人間もそうですが、睡眠は単に体を休めるだけに必要なものではありません。
しっかり質の良い睡眠をとらせれば、犬のしつけトレーニングも効率よく出来ます。
世の中に睡眠の必要のない動物はいません。それくらい、睡眠は生きていくために重要な生活の中の一部なのです。
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