犬の問題行動をどう対処するか
犬の問題行動があった場合、どのように対応したらよいか、ということについてご紹介したいと思います。
このページでは、特に「犬の問題行動ー飼い主はそう思わなくても問題な場合も」のページであげている、次の3つの犬の問題行動について、取り上げてみたいと思います。
- 子犬の甘噛み
- 犬の飛びつき
- 犬が吠える
こういった犬の問題行動は、その場でそれをすぐにやめさせる、と言うのはなかなか難しいでしょう。
というのは、予期しない時にその行動をされても、即座には対応できないからです。即座に対応できないと、犬にその行動に対して行っているということが伝わらないので、何かをしても犬は理解できずに意味がありません。
ではどうするか、というと、それらの問題行動を個別に止めさせるためのトレーニングをするのが最も効果的です。
つまり、「甘噛み」であれば、甘噛みを止めさせるためのトレーニングをする、「飛びつき」であれば、飛びつきを止めさせるためのトレーニングをする、ということです。
ただ「吠える」に関しては、いろいろなケースがあるので、一概にすべてのケースで出来るとは言えないかもしれません。そこで「吠える」については、別途のページで紹介する予定です。
つまり、これらの問題行動は、その特定の問題行動を犬がしないようにするために、積極的にそのためのトレーニングを行う、ということです。
ということで、このページでは、「甘噛み」と「飛びつき」を止めさせるためのトレーニングについて、ご紹介します。
なお、使用する道具は、全てのケースで、チェーンカラーとリードとなります。
どちらも簡単に出来るので、もし、子犬が甘噛みする、愛犬の飛びつきで困っている、という方は参考にしていただきたいと思います。
子犬の甘噛みを止めさせるためのトレーニング
まずは、どのような時に子犬が甘噛みしやすいか、ということを確認しておきます。
甘噛みをやめさせつトレーニングでは、わざと子犬に甘噛みをさせるような状況を作って行います。
実際にしつけ相談などでお聞きする中で、甘噛みに関しては特に多いのが、抱っこして撫でている時です。
そこで、ここでは子犬を抱っこしている時に顔を撫でたりするときに甘噛みする、というケースを想定してご紹介したいと思います。
甘噛みを止めさせるトレーニングの流れは次のようになります。
- あらかじめ子犬にチェーンカラーとリードを付けておく
- 子犬を抱っこする
- 子犬が甘噛みするように促す行動をする
- 子犬が甘噛みしようとしたらリードで驚かす
- 子犬が甘噛みをしなかったら優しく声をかけ続けながら子犬をしっかりと撫で続ける
- 3~5を繰り返す
- 甘噛みをするように促しても甘噛みをしないようになるまで繰り返す
甘噛みを止めさせるトレーニング詳細
あらかじめ子犬にチェーン方-を付け、チェーンカラーにはリードを付けておきます。
チェーンカラーとリードを付けた子犬を抱っこします。
この時に、リードを瞬間的に引けるようにすることを考慮しながら抱っこします。
従って、子犬を抱っこした時に片手でリードを持つような形となります。
リードと持つ手とは反対の手で、子犬が甘噛みするように促します。
だいたい、子犬の顔や口の周りを撫でるようにすると甘噛みしてくるケースが多いようです。
子犬が甘噛みしたら、出来れば甘噛みしそうになったら、リードを軽く瞬間的に引き、手ごたえを感じたとめる、という動作で子犬を驚かせます。
この時のポイントは、次の通りです。
- リードをたるませておくこと
- リードは瞬間的に動かすこと
- 手ごたえを感じた止めること
あらかじめリードをたるませておかないと、子犬の首を引っ張るだけになってしまいます。そうすると目的となる子犬を驚かせる、ということになりません。
リードを少したるませた状態から、瞬間的に素早くリードを引くことによって、チェーンカラーの金属の擦れ合う音と、そのチェーンカラーが軽く子犬の首に当たることによって驚かせます。
感じとしては、人間同士で後ろから「わぁーっ」と驚かせるような感じです。
この時は子犬が相手となる場合が多いので、特に小さな子犬の場合はリードでの衝撃が強くなり過ぎないように、チェーンカラーが子犬の首に当たったぐらいのところ、手応えを感じたところでリードを止めます。目的は子犬を驚かせることですからね。
これが適切に出来ていると、子犬は驚いて甘噛みしようとするのを止めます。
そこのタイミングですぐに、驚いた子犬に優しく声をかけ続けながら、子犬をしっかりと撫で続け、驚いたことによるストレスを解消してあげます。
かけ続ける声は、「よしよし」、「good good」などの同じ言葉を繰り返しかけ続けます。リーダーウォークトレーニングの際にかけ続けるのと同じ言葉とします。
3~5分ぐらい撫で続けると、子犬のストレスは解消されてきてまた動こうとするようになります。
もし、この時にまた甘噛みをしようとしたらまた同じことを行います。
もし、5分ぐらい撫でて落ち着いてきても、甘噛みをしようとしない時は、また甘噛みをするように促してみます。
それでまた甘噛みをしようとしたら、またリードで驚かせる、というところから同じことを繰り返します。
これを甘噛みするように促しても、甘噛みしようとしなくなるまで繰り返します。
繰り返すといっても、適切にリードで驚かせることが出来ていれば、だいたい2~3回で甘噛みをしなくなります。
これでこの時点では甘噛みをしなくなるでしょう。
ただし、また少し時間を置くと、また甘噛みをするようになることがほとんどです。
したがって、このトレーニングを朝と晩、また2~3日続けると甘噛みは完全に止めさせることが出来ます。
もし、この抱っこをしながらリードで驚かせる、というのが一人では難しいようであれば、2人で行います。
一人は、子犬を抱っこして甘噛みさせるようにする、もう一人は子犬が甘噛みしようとしたらリードで驚かせる、というように。
この時は、子犬がリードで驚かされて甘噛みを止めたら抱っこしている人がその時の子犬のストレスを解消するように声をかけながら子犬を撫で続けます。
また、生後3か月前の子犬の場合は、まだリーダーウォークトレーニングは出来ないので、この甘噛みを止めさせるトレーニングと併せて、仰向け抱っこトレーニングを行うとより効果的です。
もし、生後3か月を過ぎた子犬であれば、リーダーウォークトレーニングを合わせて行うと完璧でしょう。
甘噛みは、子犬の時に行っているだけなら、子犬が甘えてくるようで可愛く感じてしまいますが、これをそのままにさせておくと成長するにつれて本気紙になってしまう場合もあります。
甘噛みをする子犬は、出来るだけ早く、甘噛みを止めさせるようにすることを強く推奨します。
犬の飛びつきを止めさせるためのトレーニング
飛びつきに関しては、リーダーウォークトレーニングが出来る月齢以降の犬が対象となります。
従って飛びつきは必ずしも子犬だけでなく、成犬も対象となります。
そして犬の飛びつきを止めさせるトレーニングは、出来れば、その前に基本的なしつけトレーニングであるリーダーウォークトレーニングをある程度は行い、犬との主従関係と信頼関係を作ってから行うことが効果的です。
犬との主従関係と信頼関係が出来ていれば、飼い主さんはすでに犬をコントロールできる立場に立っているので、より簡単に飛びつきはやめさせることが出来ますからね。
犬の飛びつきを止めさせる方法も、基本は甘噛みを止めさせるトレーニングと同じです。
従って、飛びつきを止めさせるトレーニングの流れも下記のようになります。
- あらかじめ子犬にチェーンカラーとリードを付けておく
- 犬が飛びついてくるように促す行動をする
- 犬が飛びつこうとしたらリードで驚かす
- 犬が飛びつこうとしなかったら優しく声をかけ続けながら犬をしっかりと撫で続ける
- 3~5を繰り返す
- 飛びつきをするように促しても飛びつかなくなるまで繰り返す
飛びつきを止めさせるトレーニング詳細
リーダーウォークトレーニングを行っていなくても、この方法で飛びつきを辞めさせられる場合もありますが、出来るだけすでにリーダーウォークトレーニングを行っていることを推奨します。
リーダウォークトレーニング同様にチェーンカラーとリードを付けた状態にしておきます。
このトレーニングは一人でも出来ますが、二人で行った方がやりやすいかもしれません。
ここでは、2人で行うという想定で説明します。
一人がチェーンカラーとリードを付けた犬と一緒に立っています。
そこへもう一人が近づき、犬が飛びつくように促します。
犬が飛びつこうとしたところで、犬のリードを持っている人が、犬をリードで驚かせます。
これは、子犬の甘噛みの時よりもしっかりとリードで驚かせます。リーダウォークトレーニングの時の要領と同じです。
リーダウォークトレーニングを行っている犬であれば、それに反応してすぐに飛びつきを止めます。
止めたらすぐに優しく声をかけ続けながら犬を撫で上げます。甘噛み、そしてリーダウォークトレーニングと同じです。
犬のストレスが解消されてきたらまた同じようにもう一人が犬が飛びつくように促します。
リーダウォークトレーニングを行っている犬の場合は、ほとんどの場合、最初の1回でその後は飛びつこうとしなくなりますが、もし、また飛びつこうとするようであれば同じことを繰り返します。
犬に飛びつくように促しても飛びつかなくなるまで繰り返します。
だいたい1~2回で飛びつかなくなります。
これも、時間が経過するとまた飛びつこうとする場合もあるので、2~3日繰り返し行いながら、完全に飛びつかなくなるまで行います。
飛びつきに関しては、犬に悪意がある場合はなく、むしろ好意を持って嬉しくて飛びついてくることがほとんどですが、飛びつかれる相手が幼児や高齢者がいる場合、また大型犬では必ず、中型犬でもやはり止めさせるようにすることを推奨します。
万が一、飛びつかれた相手が倒れて怪我でもすれば、その人はもちろんですが、倒してしまった犬が不幸になってしまうこともあり得ないとは言えませんからね。
小型の愛玩犬の場合は、あえてやめさせる必要はない場合もあると思いますが、大きな犬はやはり止めさせるべきでしょう。
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