中国でまたも犬の飼い方に過酷な条例が
先日、「犬を飼うルールを守れなければ犬は没収」という条例が中国の山東省済南市というところで導入されている、という記事を書きましたが、またも、犬の飼い方に関して強力な規制となる条例があることがわかりました。
今度は雲南省文山市というところです。
AFPBB Newsのサイトに掲載された中国の東方新報の記事によると、犬を飼う人に対して、次のような規定「犬類管理強化の通告」が設けられた、とのことです。
- 犬の検疫の義務付け
- 公共の交通手段にペットとの同乗禁止
- ペットによる他者の正常な生活の妨害禁止
まぁ、これらはある意味日本でも当たり前のことですね。
でもこれに加えて、次のような規定もあるようなのです。
「犬を連れて外に出る際にはリードを使用し、長さは1メートルを超えてはならず、成年者がけん引することとし、午前7時から午後10時は犬の散歩を禁止する。」
犬を連れて外に出る時はリードを使うのは当たり前、リードの長さが1メートル以下、成年者がけん引することとする、というのは少しどうかとは思いますが、まだ許容できるかな。
でも、午前7時から午後10時は犬の散歩を禁止というのはどうでしょう。
犬を散歩できる時間帯は夜の10時から翌朝の7時まで、ということになるのです。
真夏の暑い時期なら、あえてそういう時間帯に散歩をする、という方もけっこういるかもしれません。でも、寒い冬に、この時間帯に散歩に出る人はそう多くはないのではないでしょうか。
午前7時から午後10時まで犬の散歩が出来ない、これは犬の飼い主にとって、かなり厳しい、過酷な規制である、と言っていいでしょう。
この犬の条例に対しては散歩両論あるようだけど・・・
この条例に対して、当然だとは思いますが、当地、文山市でも議論が沸き起こっているとのことです。
これには反対意見が多いだろうと思いきや、この記事によると、散歩はだいたい半々だ、とのことなのです。
犬を飼っている人間からすれば、午前7時から午後10時まで犬の散歩が出来ない、なんていう規制は常識を超えた規制であり、到底容認できない、と思うのですが、中国では必ずしもそうではないようです。
それだけ、中国では犬の飼い方のマナーが問題になっているのかもしれません。
この規制や、先日紹介した「犬を飼うルールを守れなければ犬は没収」という条例は、それぞれ中国の1都市での条例です。
でも、もしこれらの犬に関する条例が効果をあげて、それらの都市での犬の飼い方のマナーが画期的に向上したら、これらと同じような条例が中国全土に広がるかもしれません。あるいは、実際にはほかの多くの都市で、犬の飼い方に対しての厳しい条例がすでのあるのかもしれません。
いざとなったら、中国はやることが早いですからね。
携帯電話、スマホがあっという間に中国企業に席巻されたように、犬の飼い方マナー向上のための規制があっという間に中国に広まる可能性はもしかしたら、けっこう高いのかもしれません。
その結果、犬のマナーに関しても、いつの間にか中国が日本よりもはるかに進んだ国になっているのかもしれません。
日本の犬の飼い主は他人事とは言っていられないかもしれない・・・
もし、日本でこの規制が条例されるようなことがあったらどうなるでしょうか?
日本の犬の飼い主のほとんどは、さすがに許容できかねるものになることは容易に推測できます。
でも日本でも実際早朝の散歩を習慣にしている方も多いだろうし、そういう方はあまり問題ないかもしれません。
それでも、おそらく犬の飼い主のほとんどは、反対するのではないでしょうか?
だから、こんな法案がでたとしても、現実に施行されるようなことはない、と思いたいのですが・・・。
でも現実問題、必ずしもそうはならない可能性もあるかもしれません。。
というのは、内閣府大臣官房政府広報室からネットで公開されている世論調査の結果では、ペットを飼っている世帯の割合は36.7%、その中で犬を飼っている家庭の割合は、63.7%とのことで、この数字から犬を飼っている世帯の割合を出すと、36.7×0.637≒23、ということは約77%の家庭では犬が飼われていないことになります。
しかもこのデータは2012年のものですから、今はさらに犬を飼っている家庭の比率は下がっているでしょう。
したがって、今犬を飼っている家庭は、だいたい5軒に1軒だけ、ということになる、と推定しても大きな間違いではないのではないでしょうか。
となると、5軒家があったら、そのうち4軒は犬を飼っていないということになります。
犬を飼っていないから犬が嫌いということではないでしょう。
しかし、犬を飼っていない方の中には、近所の犬の飼い主のマナーの悪さが気になっている人も少なくないのではないでしょうか。
犬のうんちがそのままにされている、犬の鳴き声がうるさい、ノーリードでさんぽをさせたり公園で遊ばせている、さらには犬による噛みつき事件などなど犬に関するトラブルは決して少なくありません。
もちろん、そういったマナーの悪い犬の飼い主はごく一部だと思い、そう信じています。大多数の犬の飼い主は、基本的な犬を飼うマナーを守っていると思います。
それでも、目立つのは悪いマナーです。
ごく一部のマナーの悪い犬の飼い主のために、犬の飼い主=マナーが悪い、という偏見を持っている人もいないとも限りません。
また、そこまで思っていなくても、一部の犬の飼い主とは言え、放置されたうんちや犬の鳴き声が気になる人は少なくないでしょう。
そう考えると、圧倒的に多い、犬を飼っていない家庭=人、がこれら中国で施行されているような厳しい犬の飼い主に対する条例のようなものを支持することは、日本でも十分考えられるのではないでしょうか。
こんな条例が出来ないように日本の犬の飼い主も一度、犬の飼い方を見直してみよう
上に紹介した中国の条例と同じようなものが日本にも導入される、とは思いませんが、でも日本でも今現在、犬の飼い主のマナーが問題になっていることは確かです。
先日も、紹介した「犬のフン害、イエローチョーク作戦」のように犬の散歩で飼い主が犬の糞をそのまま放置することは、日本でも各地で問題になっています。
実際、僕も歩いているとけっこう放置された犬のうんちがあることが気になっています。
ほとんどの自治体では、これに対しての条例があると思われますが、実質的にはほとんど罰則がないのが実態でしょう。
本来、こういったマナーは犬の飼い主自身が自主的に行う、また改善するべきだとは思いますが、現実的なことを考えるともっと、これに対する規制、監視を強化して、もっと強力な罰則規定を実施することが、効果があるのかもしれません。
飼われている犬を没収したり、昼間の犬の散歩を禁止したり、ということはないでしょうけど、なんらかの規制、罰則の強化は必要なのかもしれません。
でも、ウンチの問題などは、飼い主がすぐに片付けて持ち帰ればいいだけの話で、普通にマナーを守って入れば、全く問題ないことです。
こういった普通のマナーを全ての犬の飼い主さんが行ってくれるようになればいいのですが・・・。
そのために、規制を強化するんだよ、と言われればそれまでになってしまいますけどね。
そして、こういった犬を飼ううえでの基本的なマナーと同時に、基本的な犬のしつけをしていくことも、飼い主さんには必要だと思っています。
犬のしつけの意識を持てば、自然に犬を飼うマナーも向上してくるはずですから。
そして、この基本的なしつけも決して難しいことではありません。
犬が常に飼い主について歩く、オスワリと指示したら、即座にオスワリする、マテと言ったらしっかりと待てるようにする、そして室内でのトイレをさせる、ということです。
これがしっかりと出来ていれば、散歩はもちろん、普段の犬との生活が格段に楽になり、マナーも向上するでしょう。
日本で、昼間犬の散歩が出来なくなるような条例が出来ないように、犬を飼っている方には、ぜひ今一度、普段の犬の飼い方、しつけを見直してみてほしいと思います。
自分では問題ないと思っていても、犬を飼っていない人からは気になるかもしれない、というところがあるかもしれません。
そういった視点で犬の飼い方、しつけを見直してみることをお願いしたいと思います。
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