犬をどこでどのように飼う?
犬を飼うときに室内で飼うのか、屋外で飼うのか。そして、犬を自由にさせて飼うのか、それとも専用のケージを用意してあげるのか。犬をどこでどう飼うかによって、犬の意識、ストレス、そしてしつけの入りやすさも大きく変わってきます。家族の一員として迎える犬であれば、例え大型犬でも室内で。またよかれと思われやすい犬の放し飼いが犬に大きなストレスを与えていることを知っていますか?
犬を飼うのは室内?それとも屋外?
犬の飼う場所は、まず単純に、室内飼いか、外飼いか、ということになります。それぞれのご家庭の事情や考え方でお決めいただくことになるかと思いますが、ペット・トライアングルでは、小型、大型、または犬種にかかわらず室内飼いを推奨しています。
基本的に雨風を妨げてあげたり、外でも環境を整えてあげれば、犬は全く問題ないかもしれません。むしろ外飼いのほうが、犬自身の抵抗力は強くなり、たくましくなるかもしれません。でも、それが現代のペットとして、家族の一員としての犬にとって、良いかどうかは別です。
犬を外で飼うとどうしても、まわりの音や気配を直接感じてしまうので、家に近づく人や犬に吠えやすくなったりして、いわゆる番犬になってしまいがちです。番犬となった犬は、常に周りの気配を気にするようになり、安心して休む時間がとりにくくなり、常にストレスがかかった状態となります。
同時に、縄張りを守ろうという野性的な本能が強く出てきてしまうため、吠えやすくなったり、攻撃的になってきやすくなります。だから、番犬にするには良いのですが、愛犬を番犬にはさせたくありません。
そして結果的に、家庭犬としてのしつけも室内飼いに比べて、かなり入りにくくなってしまいます。
私たちは、犬のしつけは、しつけ方の問題だけでなく、犬の飼い方=飼育環境とペアでなければいけない、と考えています。
適切な飼育環境のもとで、適切にしつけトレーニングをすれば、犬との生活がより楽に、そして楽しくなるのです。
しつけ方の基本となる「犬のリーダーになる」でのしつけ方法も、室内飼いとのペアで行うことにより、しつけが成功する可能性は格段に高くなります。
大型犬でも、また柴犬などの日本犬でも、ペットとして犬を飼うのであれば、室内で飼うべきだと僕たちは強く考えています。
犬の大きさや犬種に関係なく、ペットとして家族の一員として犬を迎えるのであれば、その犬は室内で一緒に暮らしてあげる、それは当然のことではないでしょうか。
ただし、室内で飼うといっても、犬を室内にフリーにするのは、基本的なしつけがしっかりと入ってから。ここがその後の犬との生活をより楽しく、快適にするための大切なポイントとなります。
最初から室内でフリーにしてしまうのは、犬にとっても、一緒に暮らす人間にとっても、デメリットしかないのです。
放し飼いは犬に強いストレスを与えることになる!
室内飼いというと、家の中を犬が自由に動き回っている、というイメージをお持ちの方が多いのではないかと思います。もちろん、最終的にはそう出来るようにするのですが・・・。
でも基本的なしつけが出来るまでは、、まずは室内でのケージ飼いです。ケージについては、犬の寝床として次のページでも書いているので、ここでは簡単に書きますが、推奨するケージの大きさは犬が体を回転させられるぐらいで、周囲がなるべく見えない、狭くて、暗いケージです。
と書くと、犬のためを考えたら、いきなりそんな狭いケージで飼うなんてかわいそう、最初から室内を自由に動ける放し飼いにしてあげるのが犬のためなんじゃないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実は、放し飼いがもっとも犬にストレスを与える原因になるのです。そして、最初から放し飼いすることにより、基本となる人間社会で生活するためのルールを覚えさせること、つまりしつけも難しくなるのです。
まずはケージ飼いで、しっかりと飼い主さんとの信頼関係と主従関係を築いて基本的なしつけを行うことがとても大切なのです。
それさえできれば、犬は飼い主さんを信頼できるリーダーとして認識して、犬は安心してストレスなく室内で過ごすことが出来るようになるのです。
その理由は?
なぜ最初から放し飼いにしないほうが良いのでしょうか?
犬にテリトリー(縄張り)を作らせない
犬は本能的に、自分の自由に動ける場所を自分の場所、いわゆるテリトリーと考えます。したがって、室内でも犬が自由に動ける場所は自分のテリトリーと認識してきます。
またその自分のテリトリーの中にいる、自分の世話をする人間を守ろうとするリーダー意識も生まれてきます。
テリトリーが出来れば、犬は本能的にそのテリトリーを守ろうとします。同時に、リーダーたる自分(犬)が守るべき人間の家族もいます。
このように室内を自分のテリトリーと認識して、人間家族を仲間だと認識したリーダー意識を持った犬は、本能的にそれを守ろうとするのは当然のことでしょう。
テリトリーと仲間を守るために、犬は常に耳と目をアンテナとして、テリトリー(家)近づく気配に敏感になってきます。
家の外で何かの気配や音がしたり、また家に近づく、あるいは入ってくる人間、動物がいれば、それに対して敏感に反応して、テリトリーを守るために威嚇する、吠えたり、場合によっては攻撃するようになります。
要するに、常に自分たちのテリトリーに近づこうとするものはいないか、耳を澄まして神経を尖らせている、というストレスのかかった状態になってしまうのです。
したがって、室内であっても、犬が安心して休める時間はほとんどなくなることになってしまうのです。
そして、その範囲が広ければ広いほど、犬はいろいろなところを警戒しなくてはいけないため、休める時間はほとんどなくなり、ストレスがどんどんたまることになってしまいます。
今書いているのは、室内での場合ですが、これが、室外、つまり庭に放し飼いにされたらどうでしょうか?
庭を自由に動き回れる犬は、一見、自由でストレス知らずのように見えます。でも、犬にとっては庭の方が室内よりもはるかに外敵が近寄りやすい、危険な場所になってしまいます。
よって、庭での犬の放し飼いは室内以上に犬にとってはストレスが大きくなってしまうでしょう。
つまり犬を庭に放し飼いにするということは、犬にとっては、「自分のテリトリーを、しっかりと守れよ」 と言われたようなもので、家の敷地に近づく犬や人間、時には車や自転車にも吠えるようになってしまいます。
もともと番犬は、犬のその本能を利用しているのですが、番犬目的ではなくても、庭を自由に動き回れる犬は、番犬と同じような本能を強く出していくことになってしまいます。
結果的に、犬を庭で放し飼いにすることにより、犬には大きなストレスが常時かかることになり、いつも警戒しながらすぐに吠える犬になりやすくなってしまう、ということになります。
つまり、リーダー意識を持つ犬が、室内でさえも、自由にできるスペースが広ければ広いほど、ストレスは大きくなり、ましてや庭で放し飼いということになれば、かわいそうなくらいのストレスを犬に与えることになってしまいます。
だから、まずは室内でのケージ飼いを推奨するのです。
もちろん、飼い主さんやそのご家族の犬に対する接し方や、犬のもともと持っている性格によっては、室内の放し飼いでも、庭での話し飼いでも、とてもおりこうさんに育つ犬も中にはいるでしょう。
結果的にそうだった、という犬も少なからずいるかもしれません。
でも、そんな犬だと見分けることはほとんど不可能でしょう。そして、実際に多くの室内での放し飼いのケースでは、上のようなストレスをかかえて、よく吠える犬になってしまっているように思います。
犬に縄張り意識を持たせないためにも、最初は室内でも自由に出来るスペースを与えないようにしてあげるのです。
ケージは犬を閉じ込めるところではなく、安心して犬が休める場所
犬に縄張りを与えない代わりに、しっかりと安心して休める場所を与えてあげる、それがケージです。
狭くて暗いケージで過ごすと言うことが身につけば、それは犬にとって最も安心して休める場所ができたことを意味するのです。
ゆっくりと休むことができる場所があるだけでも、犬のストレスはかなり解消されて、吠えたりすることも少なくなります。
例えば、ペット・トライアングルでの家庭犬トレーニングに来る犬にも、吠えて困る、ということでお預かりする犬もたくさんいました。
その場合も、ほぼすべてのケースが放し飼いです。そして、こちらで体の大きさにあったケージで過ごさせてゆっくりと休ませると、、トレーニングを始める前にすでに、吠えるのが直る犬も中にはいます。
使用するケージは犬が中で体を回転させられる程度のプラスティックのケージ(犬を輸送用のバリケンまたはペットキャリー)です。
このように、犬にとっては、土に掘った穴のような、暗くて狭い、囲われたスペースが最も安心できる場所であり、そのような場所を与えてあげることが犬にストレスを与えないためにもとても重要になるのです。
ケージで飼ってあげることによって、しつけも入りやすくなり、そしてトイレを別に作ってあげれば、トイレのしつけもやりやすくなるのです。
このように、最初はケージ飼いをしながら、別のページで書いているような家庭犬トレーニングを行います。それによって、犬は飼い主となる人間との信頼関係と主従関係がしっかりと構築されると同時に、基本的なしつけ(リーダーウォーク、スワレ、マテ、オイデ、ハウス)が出来るようになります。
そうなれば、室内のケージの扉はオープンにして、犬が自由に室内にも出られるようにしてあげても、問題が起こる可能性はとても低くなるのです。
信頼する飼い主さんがテリトリーは守ってくれる、だから、自分が守る必要はない、安心して室内で過ごすことが出来る、という立場に犬を置いてあげるのです。
そうすれば犬は周りを警戒する必要がなくなり、周りの気配や音に気を使う必要もなく、つまりストレスがかかることもなくなる。そして、安心して休めるケージにはいつでも入れる、というような、ゆったりと心穏やかに毎日を過ごすことができるようになるのです。
犬の寿命は10年から20年にもなっています。犬を迎えてから最初の2~4週間だけをしっかりとケージで過ごしてしつけをしてあげれば、犬は安心して休める場所が確保でき、その後の長い年数を犬も飼い主さんもストレスを最小限にして、過ごすことが出来るのです。
10年以上の生涯にわたって、犬にストレスを与えるような飼い方(=飼い主にもストレスがかかる)と、最初の数週間だけ頑張って、その後の十数年を犬と楽しく暮らす、どちらがよいですか?考えるまでもないでしょう。
▼犬の飼い方メニュー
▼ドッグトレーナーが選んだ目的別犬のしつけ教材ベスト3!
- しつけだけではない、犬を飼うに際して必要なことなど、全ての犬の飼い主さんに見てほしい⇒「イヌバーシティ」
- 早く確実にしつけをしたい方には、「ダメ犬しつけ王選手権全種目1位」の⇒「森田誠の愛犬と豊かに暮らすためのしつけ法」
- 愛犬の、「噛む」、「うなる」、「吠える」、でお困りの方には⇒噛み犬のしつけに重点的に取り組んできたカリスマトレーナーのしつけ法
▼amazonの売れ筋ランキング
・犬用品・ドッグフード・トイレシート・お出かけ用品
[PR]☆ワンちゃんがとけちゃうドッグマッサージ ☆最新副業支援ツールtop10
▼サイトコンテンツ