愛犬の睡眠時間、睡眠の質は十分取れていますか?

睡眠負債、人間では最近問題視されるようになっています。毎日3時間ぐらいしか眠れない、というのはもちろん完全に睡眠附則です。毎日5~6時間ぐらいは寝ている、という人でも、本来取るべき7~8時間に対して、毎日1~2時間足りていない場合があります。その場合、毎日の1~2時間の睡眠附則が蓄積され、借金のごとく体の中に溜まっていく、これが睡眠負債です。

この睡眠負債は、精神的な不安定さ、仕事の効率が落ちる、など生活の質を下げるだけではありません。健康、それもガンや認知症の発症率もあげることになると言われています。(NHKスペシャル「睡眠負債が危ない」より

睡眠は人間にとってはもちろん、全ての動物にとって、欠かせない物です。眠らない動物はいませんからね。(55年間眠らない人もいるようですが)

犬にとっても、睡眠はとても重要なのです。ペット・トライアングルでも、次のような犬の睡眠に関する記事を書いています。

犬のしつけ、トレーニングに際しても、犬がしっかりと質の良い睡眠を取れているかどうかが、効率よくしつけトレーニングを行うための重要なポイントとなっています。

犬にとっても睡眠はとても大事なものなので、改めて、取り上げてみたいと思います。

さて、愛犬は十分に質の良い睡眠は取れているでしょうか?

「うちの犬はお留守番の時間が長いから大丈夫」という飼い主さんもいるかもしれません。確かにお留守番している犬は寝る時間はたっぷりとれるのは間違いないでしょう。

でもその時間の中で、質の良い睡眠を十分に犬が取れているとは限らないのです。

例えば、あまりしつけがされていない犬が室内をフリーにしてお留守番すれば、家の周りの音にすぐに反応して、吠えたり、室内を動き回ったりしている場合もあるでしょう。特に縄張り意識の強い犬であれば、眠りながらも、耳は常にアンテナのようにぴくぴくさせて、周りの音に注意している、という犬も少なくありません。

そんな場合は、睡眠をとる時間はあっても、実際には、その時間の中で取れる範囲の十分な睡眠は取れていない、寝たとしても質の良い睡眠にはなっていない、ということになります。

人間の適切な睡眠時間は、7~8時かと言われています。しかし、犬の適切な睡眠時間は、成犬でも12~15時間ぐらい、子犬であれば、18~19時間ぐらいも必要だと言われています。

つまり、少なくとも飼い主である人間以上の睡眠時間が必要なのです。

そして、睡眠時間だけでなく、睡眠の質も重要です。

その睡眠の質を上げるには、犬が睡眠を取れる場所が重要になります。オープンなスペースでは耳や目からの情報が入りやすく、睡眠の質は落ちてしまいます。睡眠の質を上げるためには、犬が本能的に安心できる、狭くしっかりと囲われたスペースが必要なのです。

犬の睡眠の質を上げるには?

まずは犬が安心して眠れるスペースを犬に作ってあげること

狭くしっかりと囲われたスペース、野生の狐などが入るような穴倉を作ってあげれば理想なのですが、そうはいきません。そこで、それに最も近いのがクレートです。

周りがしっかりと囲われている狭いスペースで、視界も開けていません。扉を閉めてあげれば、そこは犬のとって、完全なセイフティースペースとなります。

したがって、犬のハウスとしてクレートを使うのが最も犬のためでもあるのです。でも、そんな狭いケージに閉じ込めたら犬が可哀想、と思う方も多いかもしれません。でもそれは全く逆なのです。詳しくは下のページを参考にして下さい。

犬が眠れる時間を十分に作ってあげる

クレートを犬に与えて、そこが安心して休める場所だと犬に認識させてあげれば、質の良い睡眠をとる場所ができます。

従って、前述のお留守番する犬が安心して休める場所としてクレートがあれば、お留守番の間は質の良い睡眠がとれる可能性が高くなるでしょう。

でも、いつも飼い主さんがいるご家庭でも、犬の睡眠時間を十分にとる時間はあります。というより、犬に十分な睡眠時間を与えてあげるようにするべきなのです。

犬は飼い主さんが何かかまってあげれば、必ずそれに応えようとします。また、室内を常時フリーにできる犬は、室内=自分の縄張りなのでその警戒のために眠れない、ということになります。

したがって、犬と遊ぶ時間は長すぎないようにする、1回当たり長くても30分ぐらいにする。しつけをしない犬を室内でフリーにさせない、ということが対策となります。

子犬との遊びすぎには特に注意!

成犬でも12~15時間の質の良い睡眠時間が必要ですが、子犬の場合はそれでも足りません。

でも、どちらかというと子犬ほど長い時間遊んでしまいがちなのではないでしょうか。

特に子犬を迎えてすぐの時は、嬉しくてついつい1日中子犬と遊んでしまう、ということはけっこうありがちです。

生後2~3か月の子犬が、始めてきた知らない場所で、飼い主とは言えその時点ではまだあったばかりの良く知らない人と、長時間休まずに遊んでいれば、単に健康を害するどころではなく、命に関わる問題にもなりかねないのです。

実際、お引渡し下子犬がぐったりしてしまったとのことで、お渡しした日の夜にまたその子犬をいったんまたお引き取りに行ったこともありました。

お引渡しした時に、まずは子犬にかまわないようにしてしっかりと休ませてあげてくださいとお願いはしておいたのですが、ついつい可愛くてお昼から夕方まで子犬と遊んでしまったそうです。

採取は子犬も元気にお損でいたよですが、だんだん子犬の動きが悪くなり、夕方にはぐったりとしてきてしまったそうで、こちらにお電話いただいたとのことでした。幸い、その子犬はまた元気になり、3日後にはまたその新しい飼い主さんのところへお引渡しすることが出来ました。

これは、お引渡ししてすぐの極端な例ですが、特に子犬にとっては睡眠時間はとても重要なのです。可愛い子犬だからこそ、たっぷりと睡眠をとらせて大事に育てたいですよね。

そのためにも、子犬の時から、クレートをハウスとして安心して眠れる場所を作ってあげることをぜひお勧めします。

成犬でもしっかりとした十分な睡眠はとても大事です。具体的な例として、睡眠をしかりと取らせるだけで吠える、という問題行動が解決してしまった例をご紹介します。

眠れるようにするだけで吠えなくなった犬

睡眠はしつけトレーニングにも大きく影響します。そして、睡眠をとらせるようにしただけで、吠えるという問題がトレーニングをせずに解決してしまった例もありました。

その飼い主さんは、年配の方でご自身があまり健康体ではないとのことで、横になっている時間が多いとのことでした。それでも犬が好きで、2頭のミニチュアダックスフンドを飼っていました。

ダックスフンドはもともとは猟犬の血を引く犬種で、吠える犬が多い犬種です。

その飼い主さんも、2頭の吠える、という問題行動に困っていました。

2頭のミニチュアダックスは、室内フリーにされて飼われていました。

でも、室内にいても、ちょっとした外の音にすぐに反応してほぼ常時吠え続けているような状態とのことでした。

そのため飼い主さんが休む時も常に吠え続けているので、落ち着いて休むこともできないとのこと。また近所に対しても迷惑だろうということが気になる。そのために飼い主さん自身が精神的にもゆっくりと休めない、そして睡眠附則の状態が続いているとのことでした。

その飼い主さんが2週間ほど入院することになり、その間、この2頭の犬を預かってほしいとのご依頼でした。

こちらからは、その間に基本的なしつけトレーニングをして吠えることに対処してはどうか、とご提案しましたが、とりあえず退院してから考えたいとのことでした。

そうは言ってもとりあえず、少しでも改善出来ればと思い、お預かりはフリーにするのではなく、クレートに慣らせるようにする、ということで飼い主さんも同意してくれました。

ということで2頭のミニチュアダックスをお預かりしたのですが、最初は確かに吠え続けていました。しかし、いつも一緒にいる2頭のダックスフンドをそれぞれ別のクレートに入れてお預かりを始めました。そして散歩の時間とトイレのタイミング以外はクレートの中で過ごしてもらいました。

それでも最初は吠えていましたが、2頭とも次第に吠えなくなり、クレートの中でしっかりと眠るようになりました。そして、1週間ほど経過した時点では、2頭とも起きている時もほとんど吠えることなく、おとなしくクレートで過ごせるようになりました。

動作も、お預かりした時はいつもせかせかと動いて、2頭がそれぞれお互いを気にしたり、またまわりの物音に敏感に反応していましたが、吠えなくなってきてからは、クレートから出しても、2頭で一緒にいてもそれぞれ落ち着いた動きをするようになってきました。

2週間が経過し、予定通り飼い主さんは退院。とりあえず2頭をお迎えに来て、少し自分が落ち着いたらトレーニングに出したいとのこと。とりあえず、クレートに別々に入れるようにしたら、ここでは吠えなくなったとのことをお話ししました。

飼い主さんは、信じられないとのことでしたが、家でも同じようにクレートを2個購入して同じようにしてみるとのことで2頭を連れて帰りました。

1週間後、飼い主さんがお店に来られました。トレーニングのご相談かと思ったら、もうトレーニングは必要なさそうだとのこと。

2頭を家に連れて帰っても、以前のように2頭とも吠えることはなかったとのこと。そしてすぐにクレートを2つ購入し、それぞれ別々のクレートに入れるようにしたら、クレートに入っている時はほとんど2頭ともしっかりと寝るようになり、クレートから出してもほとんど吠えることがなくなったということです。

あんなにいつも吠え続けていた2頭の犬が、こんなに吠えなくなるなんて、とびっくりしながら、そういうわけで、トレーニングしなくても大丈夫です、となったのです。

僕もまだその頃は、訓練士になったばかりだったので、トレーニングがなくなり少し残念に思いながらも、クレートでしっかりと睡眠を取れるようにしてあげることの重要性をとても実感したのでした。

これもペット・トライアングルでクレートをハウスにすることを強く推奨しているひとつの理由です。

もちろん、全ての吠える犬が同じ方法で吠えなくなるということではありませんが、犬によっては、クレートをハウスとするだけで、吠える、という問題行動を解決できる場合もある、ということなのです。

また子犬の甘噛みがひどい場合も、その原因の一つが睡眠不足だと言われています。

そしてしつけトレーニングを行う場合も、睡眠によって、トレーニングで行ったことが犬の頭の中で強化され、トレーニングがより効率的に進められるということもわかっています。

愛犬に、十分な睡眠時間かつ質の良い睡眠をとらせることはとても大事であり、問題行動解決にもつながる可能性がある、ということを犬の飼い主さんには知って頂きたいと思います。

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