里親を待つ犬はたくさんいるけれど・・・
ネットで犬の里親募集を探すと、いろいろな団体が里親募集をしているのがわかります。
ということは、犬の里親になろうと思ったら、簡単になれそうにも思いますが、実は犬の里親になるのは、けっこうハードルが高いのです。
里親なんだから、お金はかからないだろうし、気に入った犬がいたら、すぐに連れて帰れるだろう、なんて思っている人は、確かに飼う前によく検討した方がいいと思います。
安易な気持ちで犬を飼おうとする人、衝動的な気持ちで犬を飼おうとする人、そういう人がその時の気分次第で里親になったら、確かに引き取られた犬のその後は心配になりますよね。
そういった人が安易に里親になってもらうのは、確かに防ぐ必要はあるでしょう。
だから、里親になるにはけっこう厳しい条件、そして審査がある場合もあるようです。
その条件や審査がけっこう厳しいところもあるようで、現実的には前述のような安易な気持ちで犬の里親になるのは、まず出来ないでしょう。
従って、里親になる人に一定の条件や基準が必要であることは間違いないでしょう。
ただ、その条件があまりにも厳しいと、真剣な気持ちで里親になろうとしても条件が厳しすぎてなれない、というケースも出てくるようにも思います。
里親募集のサイトをたまにみていると、本当にこんな条件が必要なのかな、というような厳しい条件が課されているところもあるように思うこともあるのです。
保護犬は一度、人間に裏切られている体験をしている犬も少なくないだろうとは思うので、同じ思いをさせないように、という気持ちは確かによくわかります。
でも、出来るだけ多くの犬が里親さんに迎えられようにすることとのバランスも必要ではないのかな、という気もするのです。
もちろん、里親を探してくれる団体はいろいろとあるので、それぞれの考え方があることは当然だと思います。
でも、よくある条件でも、これは緩和してもいいのではないか、と個人的に思うようなこともあります。
こんな里親条件はもっと緩和してもいいのではないだろうか
では、あくまでも個人的な思いですが、僕が里親としての条件として緩和してもいいのではないだろうか、と思う主なものをあげてみます。
- 高齢者の年齢制限
- 独身不可
- 留守時間が長い
- 小さい子供NG
- 自宅訪問での飼育環境チェックと迎えた後の報告の義務化
- 収入状況のチェックや勤務先確認
- 強制的な避妊去勢手術
高齢者の年齢制限
60歳以上の高齢者の場合、後見人がいなければNG、というところをけっこう見かけます。
理由は単純に飼い主となる人間の方が犬よりも早くお亡くなりになってしまう可能性があるから、そうなったら犬がまた取り残されてしまうから、ということでしょう。
この考え方も確かにわかることはわかります。でも僕は、こういった高齢者の方こそ、パートナーとなる犬が必要ではないかと思います。
先日書いた「犬との触れ合いは勉強、仕事の効率を上げてくれる」「愛犬と飼い主はお互いに癒しあっている」という記事のように、犬には人間を癒してくれる力があります。
高齢者の方こそ、犬と一緒に暮らし、犬の世話をして、犬との触れ合いで癒されることによって、一人では単調な日々の生活を、楽しく、豊かにできるのではないでしょうか。
個人的には、むしろ積極的に高齢者が里親として犬を迎えられるような仕組みをつくるべきではないか、と思います。
それには単に里親探しということだけでなく、高齢者の生活支援ということと合わせて考える必要があるのは確かであり、簡単な問題ではないでしょう。
でも、それでも、例えば60歳という区切りは早すぎるのではないでしょうか。せめて、80歳とか90歳ぐらいにしてくれれば、しょうがないかな、と思うのですが。
独身不可・留守にする時間が長い
これもたまに見かけるように思います。
単身の方だと、犬の世話が疎かになったり、また生活環境が変わりやすい、ということが理由だと思います。
でも、これも少し違うように感じます。単身の方でも犬が好きであれば、絶対に生活の中に犬の世話の要素を組み込んでくれるのではないかと僕は思います。
また、単身の方はどうしても朝仕事に出かけて、夜帰ってくるまで家を留守にする、ということになってしまいます。
これは単身者に限らないようですが、留守の時価が8時間以上ある人はNG、というのも見かけるように思います。
まず、単身者の方は、家で待っている犬がいることが仕事のモチベーションにもなり、また家に帰ってきたからの犬との触れ合いが、仕事でのストレスを癒してくれる、犬はそんな存在になってくれるのではないでしょうか。
そして、留守時間の長い人、例えば8時間から10時間ぐらいであれば、成犬であれば大きな問題はないと思います。
確かに、朝7時には家を出て、帰れはいつも終電、というような方には犬を飼うのは難しいでしょう。でも、朝7時に家を出て、通常は夜の7時から8時くらいには家に帰れるような人であれば、犬は十分飼えると思います。
生後2か月の子犬では、少し心配な面がありますが、生後半年以上の犬であればまず問題ないでしょう。
つまり、そういった昼間留守にする人に適しているのが、成犬も多い保護された犬たちではないでしょうか。
小さい子供のいる家はNG
これは、小さい子供がいると、犬が落ち着けない、また子供の世話で犬の世話が疎かになるだろう、というようなことが理由でしょうかね。
でも、これも僕は逆だと思います。
つまり、小さい子供こそ、犬と触れ合うことで、動物には世話が必要なこと、そしてほぼ確実にその子供が大人になるまでに寿命を迎えるであろう愛犬を通して、命の大切さを学べるのではないかと思います。
確かに、子供が苦手な犬もいることはいるでしょう。でも、そんな犬でも一緒に暮らしていれば、そんな子供も家族だと認識してくれます。
そして、小さな子供も確実に成長します。成長した時にはその子供が老犬になった犬を癒す存在になってくれるかもしれません。
そして、犬と暮らすことによって、免疫性があがるという報告もあるようですからね。(参考:犬と一緒に寝るのも健康法!? ― 犬が免疫システムを高める可能性)
小さなお子さんがいるご家庭こそ、犬を迎えるべきではないでしょうか。
自宅訪問での飼育環境チェックと迎えた後の報告の義務化
里親を迎えたいという方の自宅を事前に訪問して、犬が飼える環境かどうかチェックする、というところもあるようです。
そして、迎えた後には定期的に飼育状況の報告を義務化、これもみかけます。
でも、そこまでする必要があるのかな、と単純に疑問に感じます。
また、そういうところの中には家の外で飼う場合は庭に放し飼いに出来ることが条件、などと書いてあるところもあったように思い、そういった団体の人たちが必ずしも、適切な犬の飼育環境を理解しているとも限らないように思います。
犬は基本室内で飼うべきであり、庭での放し飼いは犬に大きなストレスがかかるため厳禁です。
そして、犬はその犬が体を回転できる程度の大きさのクレートがあれば、どこでも飼うことはできます。
あえて、里親になろうとする方の自宅のチェックなど必要だとは思いませんし、ましてや、その後の飼育状況を報告しなければいけない、という必要性があるのかどうか、そして、その報告を受けたとして、受けた側が適切に判断できる能力があるのかどうか、という問題もあるのではないかと思います。
ペットショップで犬を飼った人が、飼う前に自宅をチェックされたり、迎えた後に報告義務がある、なんてことはありませんよね。
だから、こうした保護犬が出る、というのが理由だとは思いますが・・・。
収入状況のチェックや勤務先確認
里親を希望する方の収入状況を源泉徴収票などで確認するところもあるようです。
要するにお金のない人には犬は飼わせない、ということだと思うのですが、これも何か違和感を感じます。
それに収入状況などは大切な個人情報ですから、そんなことを聞く必要はないでしょう。
また勤務先を確認して確かに里親希望者がその会社に勤務していることを確認する、というようなところもあるようですが、これも同じです。
確かに、全くお金のない人には犬を飼うのは難しいでしょう。でも、そこまでやる必要があるのか疑問です。
強制的な避妊去勢手術
これについては、ほどんどの団体が里親に引き渡す前に実施するか、里親にすることを引き渡しの条件しているようです。
ということは世の中の考え方としては、これは当然だろう、ということであり、異を唱える方がおかしい、と言われるかもしれません。
でも、あえて個人的な考えを書くと、これも違和感を感じます。
もともと、僕は必ずしもペットとして飼われる犬には、避妊去勢手術は必要ないと思っています。
健康面でもこれをしたから確実に寿命が延びるということでもありません。
むしろ、健康面での悪影響もあります。(下記の記事参考)
多頭飼いの場合では、した方がいい場合かもしれません。
でも、普通にペットとして飼う犬が妊娠する、あるいは他の犬を妊娠させる、というのは犬を外で放し飼いにしていた時代のものだと思います。
犬が室内で飼われ、外ではリードを付けなければいけない今の世の中、適切に犬を管理していれば、犬にあえてリスクのある避妊・去勢手術をする必要はない、と思っています。
最近、ニュースで優生保護法で強制的に避妊・去勢を行われた方々の問題が報道されていますが、犬のこの問題もこれに近いのでは、と言ったらおそらく多くの人から非難されるでしょうか。
出来るだけ多くの犬が里親に迎えられてほしい
細かく言えば、ほかにもいろいろとありますが、主に上記のような点については、個人的な意見として、条件を緩和してもいいのではないか、と思います。
もちろん、もともとそんな厳しい条件を付けていない団体などもあると思いますが、犬を守る、という考えも確かに大事だと思いますが、真剣に犬を飼いたいと思っている人がより里親になりやすい環境、条件を考えることも必要ではないかと強く思うのです。
もちろん、条件を下げれば、本来犬を飼うべきではない、という人に飼われてしまう犬も出てくる、というリスクはあるかもしれません。
でも、厳しすぎれば、本来里親に迎えてもらえるはずの犬も、結果的に誰にも引き取られずにその生涯を終えてしまう、そんな犬が増えてしまうということもあるでしょう。
ペットショップで犬を購入するときに、そんな厳しい条件があることはないでしょう。
ブリーダーから購入する場合は、中にはそんなブリーダーもいるかもしれませんが・・・。
だから、条件に合わない人はペットショップで犬を買えばいい、というようなことは思っていないとは思いますが、もし、そんな考えがあれば本末転倒ですからね。これはないでしょう。
でも、現実問題として現在、ペットショップで売られている犬の価格は異常に高騰しています。I(数十万円~百万円前後ぐらい)
おそらく一般の会社員では、ペットショップの犬を気軽に買える人は少ないのではないでしょうか。
犬の人気が下がってきている、とも言われていますが、実は、高くて犬を飼えない(買えない)という人が多いのが理由ではないのかとも思います。
単純に犬が大好き、犬を飼いたい、と思っても経済的に難しい、という人も多いと思います。
せめて、里親を探している犬は、そういった人たちが迎えやすい条件、基準をもっと検討してもいいのではないでしょうか。
そうすれば、また新しい飼い主さんと暮らせる犬も増えて、犬に癒されながら生活できる人も確実に増えると思うのですが・・・。
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