同じ犬種でも性格はいろいろだから・・・
テレビ番組や映画に出てくる犬のイメージ、そして最近はテレビのコマーシャルに出てくる犬のイメージ、ほとんどがかっこよかったり、可愛かったり、温厚そうだったり、というイメージが多いと思います。
そしてそのイメージがその犬種そのもののイメージになる、実際、それはほとんどの場合その犬種の一般的なイメージであり、間違っていないと思います。
でも、同じ犬種の犬はみんな同じような性格をしているわけではありません。
程度の差こそあれ、どの犬種でも、とても人懐っこくて元気で活発な性格の犬もいるし、人見知りでとてもシャイでおとなしい性格の犬もいれば、気が強く攻撃的な行動をしやすい性格の犬もいます。
人間も、人種や国によってその特徴はあるものの、日本人の中にもいろいろな人がいるように、人種にかかわらず、いろいろな性格の人がいるのと、全く同じです。
そのため、一般的なその犬種のイメージを期待して飼ったものの、実際に飼ったら全くそのイメージとは違っていた、ということも実際に少なからずあるのです。そういったケースの中でも特に気を付けなければいけないのが、温厚で穏やかな性格というイメージだった犬が、実はそうではなかった、というケースです。
そこで、特に気を付けてほしい5犬種をここではお伝えしたいと思います。
もちろん、これからご紹介する5犬種も、ほとんどは問題ない場合が多いと思います。でも、この5犬種に関しては、期待を裏切られた場合のリスクが大きい場合もあり、あえて、書いてみました。
まずはその5犬種をお伝えして、そのあと個々の犬種についてなぜ要注意なのか説明していきたいと思います。もしかしたら、意外に思う犬種もいるかもしれませんが、だからこそ気を付けてほしいのです。
温厚なイメージだけど要注意な5犬種
- ゴールデンレトリバー
- ラブラドールレトリーバー
- ボーダーコリー
- ジャックラッセルテリア
- コーギー
上にあげた犬種はすべて、僕らも大好きな犬種です。だから、その犬種の評判、名誉を守るためにも、安易な気持ちで飼ってほしくない、という気持ちがあるからこそ、あえて書いていますので、ご了承のほどを。
ゴールデンレトリバー 要注意犬種No.1
最も注意してほしい犬種No.1はゴールデンレトリバーです。
テレビのコマーシャルなどでも登場して、穏やかで温厚なイメージを持っている方も多いと思います。見た感じも優雅で美しく、大きな犬だけど落ち着いておとなしそうに見えますよね。
ゴールデンレトリバーの名誉のためにも最初に言っておきますが、このイメージは必ずしも間違いではなく、実際ほとんどのゴールデンレトリバーはそうだと思います。
でも、実は噛む、吠える、というトラブルも多いのがゴールデンレトリバーなのです。そして、その噛むというトラブルの場合、大きな犬だけにその度合いもかなり深刻なケースも実際に起きています。
ペット・トライアングルでも過去にはゴールデンレトリバーの子犬を何頭もお引渡ししたり、また今もラブドッグ店には何頭ものゴールデンレトリバーが来ています。
そのほとんどはとても人懐っこくトラブルをおこしたことも全くありません。しかし、中にはかなり頻繁に吠えるゴールデンレトリバーもいます。実際にいろいろなゴールデンレトリバーを見たり扱ってきた印象としては、意外に吠える犬が多いのがゴールデンレトリバーです。
もともと、ゴールデンレトリバーの性格としては、穏やかで温厚というより、とても活発でやんちゃ、元気な犬なのです。したがって、その元気さが吠えるという行動で現れる場合が多いのもゴールデンレトリバーなのです。
こういったゴールデンレトリーバーの性格については「ゴールデンレトリバーは大きな癒し犬!でも注意点も?」のページでもより詳細に書いていますのでご覧ください。
そのページでも書いていますが、もうひとつゴールデンレトリバーのとても気を付けるべき点は、噛む、というトラブルです。実際に僕が見聞きした、”犬に噛まれて大けがを負った事例” の2つはゴールデンレトリバーでした。
そしてゴールデンレトリバーが噛むという例では、次のような深刻な事件も発生しています。
前記僕の身近で起こったゴールデンレトリバーの噛みつき事件、そして八王子での悲惨な事件、共通してとても怖いのが、普段は噛むような犬ではないゴールデンレトリバーが突然、何かのスイッチが入って噛む、という行動に出たことです。
これがチワワであれば、同じ行動をとったとしても、これほど深刻な事態にはならなかったと思います。ゴールデンレトリバーは大型犬です。口も大きく、その噛む力も半端ではありません。
そういった意味でも、特に温厚なイメージを持たれているであろう大きなゴールデンレトリバーを要注意犬種No.1にしました。
ラブラドールレトリバー 要注意犬種No.2
ラブラドールレトリバーは盲導犬に使われる犬種としても有名で、おとなしく従順なイメージを多くの人が持っている犬種だと思います。
もちろん盲導犬となれるのはごく限られた極めて優秀な一部の犬だけですが、もともとラブラドールレトリバーにはそういう素質がある、ということです。
したがって、ラブラドールレトリバーが基本的に人に対して従順な性格である、ということは間違いないと思います。
しかし、すべてのラブラドールレトリバーがそういう性格である、ということでもなく、またそういう性格の素質があったとしても飼い方しつけ方によっては、その良さを引き出せない場合もあるのです。
ラブラドールレトリバーの一般的な性格は、確かに従順だと思います。でも決しておとなしい性格ではありません。とても元気でやんちゃ、活発な性格なのです。
それでも、経験的に言えば、イエローのラブラドールレトリバーは比較的落ち着いた犬が多いように思います。しかし、ブラックやチョコのラブラドールレトリバーは今まで見たり扱った犬のほぼ100%が半端なく活発で元気すぎる犬でした。これについては「ラブラドールレトリーバーの性格 毛色による違い」のページでより詳細に書いていますのでご覧になってください。
とにかくブラックのラブラドールレトリバーの元気さは半端ではありません。力も強く、盲導犬のイメージとは全く正反対です。
ただし、そんな元気いっぱい、活発すぎるラブラドールレトリバーも適切にしつけトレーニングを行えば、とてもよくしつけは入ります。そこはさすがにラブラドールレトリバーです。
また、少なくとも僕の知っている範囲ではラブラドールレトリバーが実際に噛んだ、という事例は今のところ見聞きしていません。ただし、今にも噛みそうになるようなラブラドールレトリバーは何頭か見たことはありますが。
ラブラドールレトリバーも盲導犬のイメージでおとなしく従順、というイメージが強い犬種だと思います。そのイメージで飼った場合、特にブラックやチョコのラブラドールレトリーバーについては、その期待を大きく裏切られる可能性が高い犬種です。そういう意味で、要注意犬種No.2としました。
ボーダーコリー 要注意犬種No.3
ボーダーコリーはペット・トラアングルから過去に最も多く子犬をお引渡しした犬種でもあり、実際に自分たちでも飼っている思い入れのある犬種です。だからこそ、あえて「ボーダーコリーをお勧めできない人」のようなページを最初に作った犬種でもあります。
実際、ボーダーコリーはとても素晴らしい家庭犬になってくれる犬種であり、特に子犬の時は見た目もかわいらしい犬種です。そしてスポーツドッグとしても有名な犬種であり、活発だけど従順なイメージがある犬種ではないでしょうか。
そして、これも間違いではないのです。適切な飼い方としつけをしてあげれば。
ボーダーコリーという犬種は、とても賢く運動能力に優れています。でもそれは、言い方を変えればとても悪賢いともいえるのです。
従って、飼い主が主となる主従関係と信頼関係がしっかりとできない場合、ボーダーコリーが主となる主従関係という形に結果的になってしまうため、飼い主にとってはとてもやっかいで扱いにくい犬になってしまうことも多い犬種なのです。
しかも賢く運動能力が高いだけに、一度噛んで人間が手を引くということを覚えてしまうと、それがどんどんエスカレートしてしまい、とんでもない噛み癖が付いてしまう場合もあります。
スポーツドッグとしてボーダーコリーを飼う人は、それなりのトレーニングをしっかりと行うと思います。だから、かれらのボーダーコリーはとても従順にしつけられています。
またボーダーコリーは家庭犬としても素晴らしい犬種です。でもそのためには適切なしつけトレーニングが必須な犬種なのです。
もちろん中にはろくにしつけをしたつもりがなくても、良き家庭犬になってくれるボーダーコリーもいるでしょう。でも多くの場合は、そうしないと、飼うのがとても大変な犬種なのです。
適切な飼い方しつけ方をすれば、素晴らしい家庭犬になってくれるボーダーコリーですが、それをしないととんでもなく扱いにくい、また攻撃的な犬になってしまう可能性があるのもボーダーコリーです。
そういう意味で要注意犬種のNo.3としました。
ジャックラッセルテリア 要注意犬種No.4
ジャックラッセルテリアも比較的テレビのコマーシャルでよく見る犬種ではないでしょうか。古くはマスクという映画でも主人公の相棒犬として出ていました。
小型でトイプードルなどの愛玩犬とはまた一味違った可愛さがあり、テレビに出るようなジャックラッセルテリアは従順で大人しそうに見えるので飼ってみたいと思う方も多いのではないかと思います。
でも、このジャックラッセルテリア、小型の犬ではあるのですが飼うとなれば大型犬並みの心構えを持つ必要がある犬種なのです。
もちろんすべてのジャックラッセルテリアがそうだということではありませんが、ペット・トライアングルでは過去にこのジャックラッセルテリアもブリーダー直譲販売の主力犬種でした。そのため、いくつかのジャックラッセルテリアのブリーダーさんのところにもけっこう何回もお邪魔していました。また、当然多くのジャックラッセルテリアを新しい飼い主さんの元へ送り出してきました。
その経験を踏まえて言えば、上記のように小型のジャックラッセルテリアを飼うには、大型犬を飼うのと同じような心構えで飼うことが必要なのです。
もちろん、ジャックラッセルテリアを迎えたい、という方にはそのことを事前に十分お話して送り出すのですが、それでもジャックラッセルテリアを迎えたことでノイローゼになってしまった方もいらっしゃいました。
ジャックラッセルテリアは体も筋肉質で小型犬だけど力は強く、そして何よりも元気の塊のように活発な犬種なのです。予想をはるかに超えた活発さに手が負えなくなりついにはノイローゼになってしまわれたのです。
また、実店舗のラブドッグ店でもジャックラッセルテリアは他の犬と接触させる時にとても気を遣う犬種です。他の犬とのトラブルをおこしやすい犬種でもあるのです。
そしてこれは稀に人に向かうときもあります。うちの近くの公園でも、そのジャックラッセルテリアとは慣れている方がいつものように撫でようとしたらその日は何か気に障ったのか、撫でようとした手に思い切り噛みつき、大変な目にあった方もいらっしゃいました。
要するに、ジャックラッセルテリアは攻撃的な素質を持った個体が多い犬種なのです。
小型の愛玩犬であれば、しつけをしなくても大きな問題行動がなければ、まあいいかな、というところもあります。しかし、このジャックラッセルテリアに関しては、しっかりとした飼い方しつけ方が必須の小型犬なのです。
テレビで見て、小型で可愛い、従順で大人しそうに見えても、それはしっかりとトレーニングされているからです。
ジャックラッセルテリアも、そういう意味で要注意犬種に入れておきます。
コーギー 要注意犬種No.5
コーギー、日本ではほとんどがウェルシュ・コーギー・ペンブロークだと思います。カーディガンという尻尾を残したままのコーギーもいますが日本ではほとんど見かけないようです。
さて、このコーギーですが見た目は胴長短足でなとなくおっとりとして大人しく温厚なイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ほとんどのコーギーは実際、その通りだと思います。
しかし、稀にとても怖いコーギーもいるのです。
その比率は上のジャックラッセルテリアよりも少ないように思いますが、実は攻撃的な行動をするようになったコーギーは、それこそ半端なく怖い犬になってしまうのです。
ドッグトレーナーをやっているとやっぱり犬に噛まれることも何度かあります。その中で最も重傷を負わされたのがコーギーです。そのコーギーは飼い主さんだけはリードをつけることが出来るのですがそれ以外の人に対しては、近くに手がくるだけで噛みついてくる、という凶暴さでした。
でも、それを聞いたのは噛まれた後で、その前にリードを飼い主さんから受け取ろうと手をその犬の少し上に近づけたところ、いきなりジャンプして手を噛まれたのです。そこで上の話を聞かされたのでした。
今まで扱った犬の中でそのコーギーはトップクラスの凶暴さを持った犬でした。
また、警察犬協会の訓練士資格を取得するための筆記試験の時に立ち会っていた警察犬協会のスタッフの方がお話しになった話の中で、同じようなコーギーに関する話がありました。その方がおっしゃるに、手が付けられないほどの凶暴性を持った犬がいたそうで、その犬だけは安楽死させた方がいい、と思ったそうです。その犬が、やはりコーギーだったそうです。
これらの例はコーギーの中でもまれな例かもしれません。でもラブドッグ店にトリミングに来るコーギーにも口輪を付けないとブラッシングもシャンプーも出来ないコーギーもいます。また、始めてきたコーギーの場合は大人しそうに見えても、噛むこと、また他の犬とのトラブルにも細心の注意を払っています。
もちろん、全くそういった問題のないコーギーもたくさんいます。でも、コーギーは、”噛む犬種” という観点からは柴犬と並んで、最も注意すべき犬種でもあるのです。
ということで、要注意犬種のNo.5としてコーギーを入れておきました。
温厚そうに見えても、知らない犬には要注意
単に噛むということに注意という犬種はほかにもいます。でも、ここでは温厚そうに見える、あるいは実際多くは温厚な犬種だけど、中には注意しなければいけない犬もいる、という犬種を紹介しました。
上に挙げた犬種については特に、初めて接触するときは一見おとなしく、温厚そうに見えても、注意して接するようにして下さい。
最初から唸っている犬であれば、警戒すると思いますが、これらの犬種が一見大人しそうに見えれば、つい気を緩めてしまうと思います。
上に挙げた犬種は、一度噛まれたらその被害はかなり深刻になってしまう可能性があります。
もちろん、チワワに噛まれても大怪我になることはあるでしょう。でも、大型のゴールデンレトリバーに噛まれたら、ご紹介した事件の例にもあるように生死にかかわるような怪我を負う可能性があるのです。
逆に、これらの犬種を飼う場合は、そういうこともある犬種だということをしっかりと認識して、適切な飼い方しつけ方をしてほしいと願います。
逆に言えば、これらの犬種もしっかりとした心構えで適切な飼い方しつけ方をすれば、見た目通りの従順で頼りになるパートナー、周りの誰からも愛される犬になってくれるのです。
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