マイクロチップが犬との10年ぶりの再会を実現した

少し前の記事で、「災害時に愛犬が迷子にならないために」という記事を書きました。

その中で犬の体に埋め込むマイクロチップについても書きました。そのマイクロチップについて、今日はもう少し詳しく紹介したいと思います。

ヤフーニュースを見ていたら、マイクロチップを愛犬に入れることを実行できていない方に、その実行を促すような記事を発見したのです。もともとはスポニチさんの記事のようですが、要約すれば次のような内容です。

アメリカのペンシルベニア州ピッツバーグでのことだそうですが、10年前に失踪したラブラドールレトリーバーと再会できた、という信じられないような出来事が事実としてあったのです。

そして、それを実現させたのがそのラブラドールレトリーバーに埋め込まれたマイクロチップだったのです。

失踪後、誰かに飼われていたであろうそのラブラドールレトリーバーが、ある家の前に迷い込み、その家の人が動物保護局に通報、埋め込まれていたマイクロチップから元々の飼い主がわかり、10年ぶりに再会となったとのことなのです。

これは、まさにマイクロチップがなせる奇跡に近いような話ではないでしょうか。

そこで改めて、このマイクロチップについて、より詳しくご紹介し普及の一助になればと思います。

獣医師会のホームページにマイクロチップに関しての記事が掲載されていたので、それを参考にさせてもらい、よりわかりやすく書いていきたいと思います。


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マイクロチップの仕組み

マイクロチップは直径2㎜、長さ12㎜ぐらいの角が丸まった円筒形、薬のカプセルのような形をしています。これを犬の首の後ろあたりに専用の注射器のようなもので犬の体内に埋め込みます。

実際のマイクロチップがどんなものかは、下のリンクからグーグルでの画像検索結果のページでご覧になってください。

犬のマイクロチップの画像検索結果のページ

このマイクロチップには、その犬の情報が記録されたICチップが入っています。その情報を読み込むためには専用のリーダーがあります。リーダーへそのICチップに記録された情報を送信するためのアンテナもこのマイクロチップの中に入っています。

マイクロチップ自体は犬の体内に埋め込まれますが、その中に記録された情報を読み取る読み取り機器(リーダー)は犬に近づけるだけでその情報を読み取ることが出来ます。

その仕組みは、簡単に言えばリーダーから発信される電波によって、マイクロチップ内のアンテナに電磁誘導による電気が発生し、その発生した電気によって情報が記録されたICチップが起動すると同時にアンテナからその記録された情報をリーダーに送る、という仕組みです。

わかりやすい例で言えば、電車に乗る時に使う、スイカやパスもなどと同じ仕組みです。スイカやパスモなどのカードが犬の体内に埋め込まれたマイクロチップと同じで、改札口にあるカードを当てる読み取りのところがリーダーです。

スイカやパスモにはICチップがついているだけで電池などは入っていません。同じように犬に埋め込まれるマイクロチップには電池など電源になるものは入っていません。

それでもスイカやパスモと同じようにリーダーからの電波によって、ICチップの情報を読み込むことが出来るのです。

マイクロチップには電池などは必要ないので、マイクロチップはほぼ半永久的に使用できるのです。もちろん、使用されている部品の経時劣化はあるでしょうからいつかは使えなくなるでしょうけど、少なくとも30年以上は問題なく使えるように作られているとのことです。

30年故障なく作動すれば、犬や猫には十分使えますね。

マイクロチップ内に記録される情報とその読み取り

マイクロチップには複数の規格があるようです。メーカーによっては独自の規格を持っている製品などもあるようです。従って、以前はマイクロチップを入れていてもその登録情報が読み取れない、対応するリーダーが普及されていないなどの問題があったと聞いていました。

しかし、現在日本で使用されているマイクロチップは、「ISO11784/5に準拠しているFDX-Bという規格」で統一されています。従ってリーダーで読み取る時の起動周波数は134,2kHzで統一されていて、読み取るための情報は世界でひとつしかない15桁の数字になっています。

読み取りに使われるリーダーは、現在全国の公的な保護施設には配置されているので迷子になった犬にマイクロチップが埋め込まれている場合は、ほぼ完全にその情報を読み込むことが出来る、つまりその情報から飼い主が特定できるとのことなのです。

マイクロチップに記録されている情報は15桁の数字です。

15桁の数字は、左から3桁が国の識別番号、次の2桁が動物の種別コード、その次の2桁はそのマイクロチップのメーカーの識別番号が割り当てられています。

日本国の識別番号は392、ペットの種別コードは14なので、日本で登録される犬や猫の識別番号の最初の5桁は、39214となります。

獣医師会のホームページによると日本では4社がマイクロチップを輸入販売しているそうで、上記5桁の数字の次の2桁には、その4社のいずれかの番号が自動的につけられることになります。

従って、最初の7桁までは自動的に決まりますが、15桁の数字そのものは、世界で唯一無二の数字であり、その犬固有のものとなります。

この15桁の数字が記録されたマイクロチップが犬の体内に埋め込まれることになり、その数字を専用のリーダーで読み取ることができるようになるのです。

ただし、犬にマイクロチップを埋め込んで終わりではありません。別途、その15桁の数字から飼い主を特定するための情報を別途、専用のデータベースへ登録する必要があります。

データベースへの登録

マイクロチップには、上記のように15桁の数字が登録され、その数字からその犬を識別することが可能となります。

しかし、その数字は犬を特定するためのもので、その犬の飼い主などに関する情報がマイクロチップに記録されているわけではありません。

保護された犬の飼い主の情報を知るには、マイクロチップに記録された15桁の数字から、別途登録されるデータベースへの飼い主等に関するデータにアクセスしなければいけません。

そのデータベースに登録された情報から、飼い主の特定が出来ることになります。

従って、犬にマイクロチップを埋め込んだらOKといわけではなく、そのあとに飼い主に関する情報を指定のデータベースに登録することが必要です。

この登録については動物病院では行っていないので、飼い主さん自身が「動物ID普及推進会議(AIPO)」で登録することが必要であり、その費用として千円です。

データベースに登録される内容は、下記の内容となります。

飼い主情報

  • 氏名
  • フリガナ
  • 住所
  • 電話番号
  • その他の緊急連絡先
  • FAX番号
  • Eメールアドレス
動物情報
  • 名前
  • 生年月
  • 性別
  • 動物種
  • 犬・ねこの種類と毛色

犬の体に埋め込まれたマイクロチップから読み取る15桁の数字から、データベースに登録された上記のような情報を調べることが出来るのです。

従って、引っ越しなど、上記の項目に変更があった場合には、すぐにデータベースの登録情報も変更することが必要です。

登録情報の修正に関しては、書面による郵送またはネットからのオンライン入力によっても申請が出来るようです。

このように、犬へのマイクロチップの埋め込みと、データベースへの飼い主等の情報を登録すれば、冒頭に紹介した奇跡のようなことも現実として起こすことが出る可能性があるということになります。

マイクロチップの埋め込みとその費用

さて、マイクロチップを犬の体に埋め込むには、専用の注射器のような器具で埋め込みます。その作業は誰でも行えるわけではなく、必ず、獣医師に行ってもらわなければいけません。

埋め込む場所は、犬の場合首の後ろ当たりのところになります。

埋め込み作業自体は、それほど難しいものではなく獣医師が行わなければいけない作業なので、それほどリスクのあるものではないでしょう。

費用は、その動物病院によって違うようですが、だいたい数千円ぐらいとのことです。前述のデータベースへの登録費用が千円ですから、だいたい1万円もあればマイクロチップの埋め込みとデータベースへの登録が出来ることになります。なお、動物病院によっては、登録費用も含まれていることもあるようです。

この金額が高いか安いかは人それぞれだと思いますが、いざというときの有効性を考えれば、決して高額な費用ではないと思います。

マイクロチップの有効性と費用がそれほど高くないこともわかったけど、それでもやはりなんとなく犬にマイクロチップを埋め込むのは抵抗がある、というかたもいるかもしれません。

確かにマイクロチップという異物を犬の体内に埋め込むという言葉からは、頭ではわかっていても、なんらかの抵抗感を感じるのもわかります。

それを少しでも解消するために、最後にマイクロチップの安全性についても書いておきたいと思います。

マイクロチップの安全性

マイクロチップは冒頭にも書いたように、直径2㎜、長さ12㎜ほどの薬のカプセルのような形状です。

その外側に使われている材料は、生体適合ガラスまたはポリマーということなので、体内に埋め込まれても犬の体がなんらかの拒否反応を示すことは通常はないように思われます。

また、実際にそういったトラブルも今まで報告はないと言われています。

マイクロチップ自体は、犬や猫だけでなく、動物園で飼われているような哺乳類一般、鳥類、そしてヘビやカメなどの爬虫類へも多くの実績があるようです。そういった動物も含めて、過去に動物への副作用などのトラブルは報告はない、とされています。

まあ、本当に全くなかったかどうかは、若干疑義のあるところですが、おおむね間違いではないと思われます。

もちろん、もし愛犬にマイクロチップを埋め込んだ場合は、その後しばらくは本当に問題がないかよく観察する必要はあるでしょう。

しかし、実績やその材質、構造などからは、大きなリスクがあるとは思えないので、安全性に関しては、それほど心配する必要はないと思われます。

体内への挿入は、専用の器具でほぼ瞬時に終わり、犬に大きな苦痛を与えるものではないようです。

電池が入っているわけでもないので、一度入れれば取り出す必要もなく少なくともどんなに犬が長生きしてもその範囲では問題なく使用できる耐久性はあるようです。

アメリカでは、人間にもカード代わりにマイクロチップを人間の社員の体に埋め込んで管理している会社もあるそうですから(もちろん、それを了承した社員に限ってのことらしいですが)マイクロチップを生体に埋め込むことのリスクはほぼないと考えていいと思います。

少しの手間はかかるけど、それも動物病院へ犬を連れていきマイクロチップを挿入することと、データベースへの登録のため、指定の申請書に記入して郵送するだけです。

費用も1万円ほどかかるけど、けがをした時の治療などを考えれば、また費用対効果を考えればそれほど高額ではないでしょう。

安全性もほぼ問題ない。

ということで、特にいつ災害が起こるかもしれない日本では、万が一のためにも愛犬にマイクロチップを入れるというのが正しい選択になるでしょう。

いずれ義務化されるかもしれませんからね。

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