犬は言葉で叱られてもわからない
犬が何か悪いことをあいたときに、犬を叱らなければいけない時があります。でも、具体的にどうやって犬を叱れば、犬が「これはやってはいけないんだ」と理解してくれるでしょうか?これを理解してくれないと、何度叱っても、改善はできません。
犬は人間ではありません。だから、人間の言葉はわからない、という当たり前のことをまずは思い出す必要があります。
したがって、「ダメ!」、「イケナイ!」と大きな声で叫んだところで、犬はその意味を理解することはありません。むしろ、例えば、女性の方が甲高い声で、「ダメ!」、「イケナイ!」と興奮気味に大きな声を出せば、犬は飼い主さんが喜んでいると勘違いして、よりその行動がエスカレートする可能性があります。
したがって、一般的に「ダメ!」、「イケナイ!」という言葉を発するのは逆効果になることがほとんどです。
犬は言葉の意味は理解できないので、声で犬に対して叱っていることを伝えるためには、母犬唸るのと同じように、低く、いわゆるドスの効いた声で伝えることが必要です。
しかし、そんな声は出せない方もいるだろうし、また人前でそんな声を出すことは、なかなか難しいでしょう。
もうひとつ犬が叱られてると感じるのは、本当の意味で心底怒って怒りオーラを目一杯出しながら何かを言えば、犬にもしっかりとその気持ちは伝わるでしょう。
先ほど、犬は人間の言葉はわからない、と書きましたが、そのかわりに、犬は人間の気持ちは敏感に察してくれます。心底怒ったオーラを出しながら、「ダメ!」、「イケナイ!」と言えば、それは、犬には叱られていると伝わるかもしれませんけどね。
しかし、ちょっとしたことで、その都度心から怒る、なんてことは現実的には難しいでしょう。
要するに、言葉では伝えられない、伝えるには声(音)と気持ちで伝えることが必要なのです。でも、その声と気持ちも真の意味で迫力がないとまったく効果はありません。
犬の名前で叱らない
もうひとつ、よくやりがちですが、叱り方で注意する必要があることがあります。
それは、「犬の名前」をおお声で言って、叱ることです。この場合、けっこう気持ちが入ってしまうことも多く、飼い主さんの不愉快な気持ちが伝わってしまうことがあります。これが続くと、犬は自分の名前が呼ばれると、萎縮したり、不愉快になったりして、名前を呼ばれることが嫌になってしまいます。気を付けましょう。
では、どうするか?
一番効果的で、確実に聞くのが、犬の体で感じさせることなのです。
ダメなことはリードで伝える
具体的にどうするか、というとチェーンカラーとリードを使用して、犬がやってほしくない行動をしたときに、リードでショックをかけて驚かし、その行動を止めさせる、という方法です。犬のリーダーになる、のところで書いているリーダーウォークトレーニングの方法とまったく同じです。
リーダーウォークトレーニングでは、犬が勝手な方向に行こうとしたらリードでショックをかけて、その行動を止めます。この場合、「犬が勝手な方向に行こうとする」ということが、犬にやってほしくない行動です。これを、「拾い食いをする」、「飛びついてい来る」、「チャイムが鳴ったら吠える」など、犬にやってほしくない行動、止めさせたい行動に置き換えて、行うだけです。
そして、犬がそれらの行動をしたときにそれを行うのは難しいので、叱るような行動は、あらかじめそれを止めさせるためのトレーニングを行うのです。つまり、意識的に犬がその行動を起こしやすい状況を作り、その行動をしたら、あるいは、その行動を思想になったら、リードのショックでその行動をしないようにさせる、というトレーニングを繰り返し行うのです。
ここで大きなポイントがあります。リードでのショックの目的は犬を驚かせることです。したがって、犬が驚くぐらいに鋭く行わないと効果がありません。そして、リードでのショックの後には、必ず、そのショックで驚いたことによるストレスを、しっかりと取り除いてあげるために、優しく声をかけ続けながら、体をしっかりと撫で続けて、ショックに対してのフォローをしてあげます。これは、「犬の褒め方」と同じ方法です。
これが最も効果的な「犬の叱り方」です。チェーンカラーとリードで行うのですが、正確に言えば、犬を叱らないでよいように、トレーニングをすることになります。
でも、いつもリードを付けているわけではない、と思われるかもしれません。
だから、ハウス飼いということになり、ハウスから出すときは、室内であってもリードを付けるのです。もちろん、問題が解消すれば、リードなしでハウスから出してあげられます。
犬を叱ることがあるようであれば、その叱る原因のもととなる行動をやめさせるトレーニングを行う、そのトレーニングで改善されるまでは、犬がその行動を起こさないような環境を作る=犬を叱ることがないような環境を作る、ということになります。
これが、私たちの「犬の叱り方」に対しての考え方です。
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