ボーダーコリーは先天性脳疾患CLに注意
ボーダーコリーには、セロイドリポフスチン症(いわゆるCL、以下CLと呼びます)という先天性脳疾患が流行していると言われています。この疾患は、生後しばらくは、全くわからず、生後2年ぐらい以降に、発症する遺伝性の病気です。
発症すると、歩けなくなったり、食べることもできなくなったり、普通の生活ができなくなります。
海外から入れたボーダーコリーにこの病気の因子を一つだけ持つキャリアがいて、日本国内では、そこから広がったと言われています。
ただし、片親だけにCLの因子がある(キャリア犬と言う)場合は、その子犬の中からCLを発症する子犬(アフェクト犬)は生まれません。子犬の中にまたCLの因子を一つだけ持つキャリアのボーダーコリーが生まれる可能性があるだけです。
しかし、キャリア犬を繁殖に使っていくと、どんどんキャリアが増えていくことになり、キャリア同士の犬が交配される確立が高くなります。
そして、キャリア同士のボーダーコリーを交配すると、その中に、この病気を発症するボーダーコリーが生れてくるのです。(下の表をご参照下さい)
僕たちがお世話になったボーダーコリー専門の犬舎では、海外から迎えたボーダーコリーでも繁殖を行っていますが、盲導犬関連の信頼できるルートで輸入され、CLのキャリアではないということが輸入前に現地検査で確認されています。
それに加えて交配に使用する父犬、母犬はすべて、オーストラリアの専門機関”遺伝子テクノロジー株式会社 (GTG)” で検査を実施、問題ないことが確認、証明書もあります。
もちろん世の中に絶対はありませんが、現時点でのこの犬舎での安全性は極めて高いと考えております。
ボーダーコリーの場合、この先天性脳疾患に対する安全性の問題とペットに適した性格を持つ血統のボーダーコリーが繁殖に使われているかの判断が非常に難しいため、どこの犬舎からでも、簡単にボーダーコリーをご紹介することができませんでした。
国内でCLを発症させたことのないボーダーコリー犬舎は、全国でも数件あるかないかと言われているくらいです。このような理由で、ペット・トライアングルでは、限定したひとつの犬舎からのみ、ボーダーコリーをご紹介していました。
ただし、CLのキャリア犬であっても、その犬自体には、健康上の問題は、一切ありません。遺伝要因を持っているというだけで、その犬自体がCLを発症させることは全くなく、また、CLの遺伝要因を持っていることに起因して、健康上の異常が現れることは一切ありません。
したがって、最近では、片方の親犬がCLの遺伝要因を持っていないクリア犬であれば、もう片方の親犬はキャリア犬であっても繁殖に使用することが認められるようになりました。
つまり、キャリア犬であるからといって何かその犬自体に問題があるわけではなく、キャリア犬同士で交配した場合のみ、CLを発症させる子犬が産まれてくる可能性があると言うことなのです。
ご参考までに、現在のCLに関する情報から、CL因子のクリア犬、キャリア犬、アフェクト犬(発症する可能性のある犬)を交配させた場合の、子犬の持つ因子の可能性について、ご紹介しておきます。(もし、私の理解に間違いがあるようであれば、ご指摘願います。)
親犬のCL因子の有無によってCLの子犬が生まれる確率について
クリア犬はCL因子を全く持たないので【○○】、キャリア犬はCL因子を一つ持っているので【○×】、アフェクト犬は全てがCL因子なので【××】というように以下では表現します。
それぞれの犬を交配させた場合に子犬が受け継ぐ因子は、父犬からふたつのうちひとつ、同じく母犬からふたつのうちひとつとなり、その組み合わせがその子犬のCL因子となります。
父犬クリア犬【○○】と母犬クリア犬【○○】の場合
父犬因子〇 | 父犬因子〇 | |
母犬因子〇 | 子犬【〇〇】 クリア犬 | 子犬【〇〇】 クリア犬 |
母犬因子〇 | 子犬【〇〇】 クリア犬 | 子犬【〇〇】 クリア犬 |
子犬は100%クリア犬となります。キャリア犬、アフェクト犬は生まれないことになります。
父犬クリア犬【○○】と母犬キャリア犬【○×】の場合
(父犬キャリア犬、母犬クリア犬でも同じ)
父犬因子〇 | 父犬因子〇 | |
母犬因子〇 | 子犬【〇〇】 クリア犬 | 子犬【〇〇】 クリア犬 |
母犬因子× | 子犬【〇×】 キャリア犬 | 子犬【〇×】 キャリア犬 |
子犬はクリア犬が生まれる確立50%、キャリア犬が生まれる確立50%となります。アフェクト犬は生まれないことになります。
父犬クリア犬【○○】と母犬アフェクト犬【××】の場合
(父犬アフェクト犬、母犬アフェクト犬でも同じ)
父犬因子〇 | 父犬因子〇 | |
母犬因子× | 子犬【〇×】 キャリア犬 | 子犬【〇×】 キャリア犬 |
母犬因子× | 子犬【〇×】 キャリア犬 | 子犬【〇×】 キャリア犬 |
子犬は100%キャリア犬となります。クリア犬は生まれませんが、アフェクト犬も生まれないことになります。
父犬キャリア犬【○×】と母犬キャリア犬【○×】の場合
父犬因子〇 | 父犬因子× | |
母犬因子〇 | 子犬【〇〇】 クリア犬 | 子犬【×〇】 キャリア犬 |
母犬因子× | 子犬【〇×】 キャリア犬 | 子犬【××】 アフェクト犬 |
子犬はクリア犬が生まれる確立25%、キャリア犬が生まれる確立50%、アフェクト犬が生まれる確立25%となります。
父犬キャリア犬【○×】と母犬アフェクト犬【××】の場合
(父犬アフェクト犬、母犬キャリア犬でも同じ)
父犬因子〇 | 父犬因子× | |
母犬因子× | 子犬【〇×】 キャリア犬 | 子犬【××】 アフェクト犬 |
母犬因子× | 子犬【〇×】 キャリア犬 | 子犬【××】 アフェクト犬 |
子犬はキャリア犬が生まれる確立50%、アフェクト犬が生まれる確立50%となります。クリア犬は生まれないことになります。
父犬アフェクト犬【××】と母犬アフェクト犬【××】の場合
父犬因子× | 父犬因子× | |
母犬因子× | 子犬【××】 アフェクト犬 | 子犬【××】 アフェクト犬 |
母犬因子× | 子犬【××】 アフェクト犬 | 子犬【××】 アフェクト犬 |
子犬は100%アフェクト犬となります。クリア犬、キャリア犬は生まれないことになります。
両親犬のどちらかがクリア犬であれば子犬にアフェクト犬は生まれないけど
このように、片親がクリア犬であれば、もう片方の親がキャリア犬であっても、またアフェクト犬であっても、子犬にはアフェクト犬が生まれる可能性はありません。
したがって、片親がクリア犬だとの証明があれば、もう片方の親犬の証明は必要ないのが現状です。
交配する両方の親犬がクリア犬でない場合は、アフェクト犬が生まれる可能性が出てきます。
このように、片親がどんな因子の犬であっても、もう片方の親犬を確実にクリア犬で交配すれば、間違いなくアフェクト犬、つまりCLを発症させる子犬は生まれないことになるので、キャリア犬でも、片親がクリア犬であれば現在では繁殖も認められ、たくさんのブリーダーがキャリア犬を交配に使用するようになってきたようです。
このように、少なくとも片親をクリア犬で交配すればその子犬にアフェクト犬、CLを発症する子犬は生まれません。
しかし、全ての繁殖者が高いモラルを持ってこのことを守り繁殖を行えば、全く問題ありませんが、そうでない場合どうなるでしょう。人気にあやかってボーダーコリーを繁殖するブリーダーでも、しっかりとこれを守っていることを祈ります。
ボーダーコリーを迎える時は、親犬のCLの検査結果も必ず確認するようにしてください。ただし、それが本当に実際の親犬のものかどうかは、そのブリーダーが信じられるかどうか次第ですが。
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