ボーダーコリーの歴史

ボーダーコリーとしての歴史は短いけれど・・・

ボーダーコリーの歴史は、とても短いけど、非常に長い、と言って良いのではないでしょうか。

では、まずそのボーダーコリーとしての歴史は短いというところからご説明しましょう。

ボーダーコリーとなる犬の基準が設定されたのが、1906年、でもこのときはまだボーダーコリーと言う名前は正式にはなかったようで、ボーダーコリーと言う名前が正式に付けられたのは、1915年というのが有力です。

ということは、ボーダーコリーと言う名前での歴史としては、まだ100年ほど、犬自体の基準が設定されたのも、100年ちょっと前ということで、それほど犬種としては比較的新しいのです。

実際にボーダーコリーの母国ともいえるイギリスのブリティッシュ・ケネルクラブに公認されたのが1976年、アメリカン・ケネルクラブでの公認が1980 年、そしてジャパン・ケネルクラブでの公認は1987年、畜犬団体(ケネルクラブなど)の国際的な統括団体である国際畜犬連盟での公認も1987年となっているのでホントに最近なのです。

ボーダーコリーは容姿はともかく作業能力に重点が置かれた犬種

蓄犬団体でのボーダーコリーの公認がなかなかされなかった理由には、ボーダーコリー特有の理由があるようです。

一般的に、犬種のスタンダードは容姿、大きさに重点が置かれて定められます。しかし、ボーダーコリーの場合は、最近まで、その容姿に関してはほとんど注目されることなく、その作業能力のみが、この犬種の特徴として重点を置かれてきました。

従って、容姿はともかくとして、牧羊犬として、いかに能力を高めるかに重点をおいて改良が進められたのです。

ある意味ではもともとは雑種の中の作業能力が高いもの同士で残ったのが、現在のボーダーコリーである、と言ってもよいくらいの犬種です。

現在のボーダーコリーは、ある程度、形も色もスタンダードが出来てきていますが、それでも、毛の長さは、ロングコートが主流ですが、スムースコートもいます。毛色はブラック&ホワイトが主流ですが、ブラウンやレッド、ブルー、またブルーマールやトライカラーなど以外に多いのです。

大きさも、一般的には15~20kg程度の中型犬クラスが多いのですが、10kg程度の小型犬に近い大きさから、20kgを超える大型犬に近いボーダーコリーまでいます。また耳の形も、半立ちの耳になっているボーダーコリーもいるし、完全にたち耳となっているボーダーコリー、また垂れ耳のボーダーコリーもいます。

このように、作業能力からこの犬種のスタンダードが出来てきたことから、容姿である形や大きさでスタンダードを決めることが一般的な、ケネルクラブなどの蓄犬団体での公認がなかなかできなかったと言うことが一つの理由となっているようです。

また、もともとボーダーコリーは作業能力の高さで有名になり、各国で活躍してました。そのことから、犬種の基準を形や大きさで決めるケネルクラブでボーダーコリーを公認されることに対しては、もともとボーダーコリーを作業犬としている人たちからの猛烈な反発があったとも言われています。

特にボーダーコリーをショードッグとして扱うことに対しては、激しい抵抗があり、アメリカン・ケネルクラブでボーダーコリーがショードッグとして承認されたのは、1995年ですから、歴史的に見れば、ごく最近のことになります。

このように、ボーダーコリーという犬種名での歴史は短いのですが、その元とも言うべき牧羊犬としての歴史は、かなり長いようなのです。

牧羊犬としてのボーダーコリーの歴史は非常に長い

ボーダーコリーの場合、その作業能力の高さのみが特徴とされてきたので、実際のところ、どんな犬がその祖先だったのかは、わからないというのが実情だと思います。

しかし、一般に言われているボーダーコリーの起源としては、8世紀にバイキングがトナカイのための牧羊犬としてスコットランドに持ち込まれた犬だとされています。その犬がすでにスコットランドにいた牧羊犬と交雑しながら、作業能力の改良を重ねて、現在のボーダーコリーに至っているという説です。

またその交雑されるもともといた牧羊犬の歴史はさらに遡り、1世紀から5世紀ぐらいに、ケルト民族がヨーロッパ大陸からアイルランド地方に移住してきたときに、その一部がスコットランドに定住、その時につれて一緒に連れてこられた牧羊犬だという説もあるようです。

もっといえば、バイキングが連れてきたといわれるトナカイ用の牧羊犬も、ケルト民族が連れてきたといわれる牧羊犬も、牧羊犬としては、さらに遡るわけで、牧羊犬としてのボーダーコリーの歴史は、非常に長いといえそうです。

これが、最初に書いた、ボーダーコリーの歴史は、とても短いけど、非常に長い、という意味です。

牧羊犬として圧倒的な優秀さを示した犬、それが後のボーダーコリー

それらの牧羊犬を起源として、どのような過程を経て現在のボーダーコリーとして定着してきたかは、定かではありません。ただ、後にボーダーコリーと名づけられる優秀な牧羊犬が発生したのは、200年ほど前の1800年前後であったというのが、もっとも現実的であるように思います。

その頃のスコットランド周辺では、羊飼いがそれぞれの牧羊犬の能力を競い合い、1873年には、スコットランドやイギリスなどの羊飼いが集まり、どの犬が牧羊犬として最も優秀化を競う競技が行われ、そのときに圧倒的に優秀な力を発揮したのが、後にボーダーコリーと呼ばれる牧羊犬だったとのことです。

そして1876年には、世界で最初の正式な牧羊犬競技会(シープドッグトライアル)が開催され、後にボーダーコリーと世界中で呼ばれることになる牧羊犬の、際立った能力が世界中に知れ渡ることになりました。

この競技会での名声により、ニュージーランドやオーストラリアといった他の牧羊国でも、この牧羊犬を求める声が広がり、各国で、さらに牧羊犬としての改良が行われていきました。

現在では、オーストラリアから輸入されるボーダーコリーも多く、そのオーストラリアでも、オーストラリアン・ナショナル・ケネルクラブ(ANKC)がボーダーコリーの統一された標準を採用したのが、1963年です。

1950年代初頭には、オーストラリアの各州では、独自にボーダーコリーのブリーディングに関する標準を作成していたようですが、前述のとおり、ボーダーコリーの標準の基準が長くその作業能力で決められていたことから、血統の良くわからない犬でも、ボーダーコリーとして登録されていた背景からも、なかなか統一した標準の作成が出来なかったようです。

でも、最初に書いたとおり、実際に始めてボーダーコリーと呼ばれる牧羊犬の基準が公式に設定されたのは、1906年にインターナショナル・シープドッグ・ソサエティー(ISDS:国際牧羊犬協会)が設立されたときですから、実際に統一した標準が採用されるまでには、かなりの年月が必要とされたのです。

そして、ジェームズ・リードという人が1915年に牧羊犬の登録台帳を作り、前述のとおり、そこで始めて『ボーダーコリー』という犬種が正式に誕生したわけです。

このようにボーダーコリーは、その作業能力を基準に作られた犬種といってもよく、それは、ボーダーコリーの性格にも影響を与えているようです。

ボーダーコリーの性格とその歴史的な背景”も、ぜひ、あわせてご覧下さい。

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